第57話 修行

あれから2週間が経った。俺たちは毎日が満身創痍だ。。。


だが、このスパルタのお陰で、俺もピピンも『魔力』に気付くことができ、それを一時的に『纏う』ことが出来るようになった。


「こら。ピピン。魔力を常に纏えと言っているだろう!気を抜いたらすぐに剝がれているぞ!寝ているときも起きているときも常に纏った状態でいれるようになれといっただろう!」


カームさんの激がピピンに飛ぶ。


元々ピピンは不器用だからな~俺は師匠のお陰で細部に気を使ってきたからこういうのは得意なんだよな~っと、ピピンが怒られているのをニヤニヤしながら俺は見ていた。


現に俺は死角から飛んでくるナイフなんかを見ずに回避し続けている。


「うん。レイは良さそうだね。」


それから1週間が経った頃にはピピンも問題なく纏えるようになったので、次の段階に入った。


エヴァンさん曰く『透明な魔力』である『気』の運用だ。

『気』は『魔力』を纏うのとは違い、実は体力をかなり消費する。その代わり、『気』を纏うと筋力も向上するし防御力も桁違いに上がる。

今の俺たちだと1日に使える『気』はほんの数分だ。

だが、エヴァンさんはそれでいいと言う。『気』は使いどころを考えて運用すればいいとのこと。


さらに1週間が経ち、魔力運用の最後は『属性』だった。

「これは面白い結果になったね。職業適性も関係しているのかな?ピピン君は『勇者』にクラスチェンジすれば『聖』も使えるだろうし何よりも『聖気』も纏えるようになるだろうしね。レイ君は『大食漢』が関係してそうだね。」


ピピンは『火』と『雷』の属性の適正があった。

俺は『闇』の適正があった。というか、エヴァンさんが驚いていたが俺は全属性の適正があるとのことだった。ただ、現状『闇』が一番上手く纏えるということであった。


「この一か月毎日君たちを見ていて思ったが、若者は素晴らしい可能性を秘めているね。この一ヶ月で見違えるほど強くなったよ君たちは。あとは反復して練習し習慣づけるのと模擬戦や実践を繰り返して、無意識でも使えるように定着させることだね。ただ、現時点で一番運用できてるのは『属性』だね。君たちの元々の戦闘スタイルがそうだからってことだろうけど、君たちに戦闘を教えた『師匠』はかなり優秀だね。僕たちが教える前に『属性』を武具に纏わせることを教えてるんだから。君たちの師匠のことを誇っていいと思うよ。」


そう言われて俺は師匠がイーサのことが誇らしくてしかたなかった。


「そうそう一ヶ月毎日頑張ったご褒美じゃないけど、明日は訓練はお休みにするから、ゆっくりするといい。」


そうして俺たちに休息が与えられた。

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