第56話 魔力の本質、属性、気、聖気
「それじゃあ訓練をさっそく始めようか!ちゃんと今の君たちの実力を知りたいので一度模擬戦をしよう!」
「「はい!よろしくお願いします!!」」
「うん。気合十分って感じだね。それじゃあ、まずは2人かかりでカームと模擬戦してね。」
「「カームさんよろしくお願いします!!」」
そういうや否や俺たちは怒涛の攻勢に出たが、カームさんには一撃も入れられないどころか、すべて読まれて回避される始末。結局一発も当たらずに俺たちはやられた。
「う~ん。うん。わかった。とりあえずマスラーオとやって終わろう。マスラーオは俺がよいというまで攻撃を受け続けてね。」
「そういうことか!おうともエヴァン!すべて受けきってやるぜ!ガハハハッ!こい小僧ども!!」
「「はい!」」
そして、マスラーオさんは本当にエヴァンさんが『よし』と言うまで俺とピピンの攻撃をすべて受けきった。いくら模擬戦の模造剣だからといって、俺たち2人の『火竜の牙』まで無傷で受けられると自信なくしちゃうよ。
気が付けば俺たちはボロ雑巾のようにやられ、転がされていた。
「レイ君、ピピン君今の君たちに足りないものはわかったかな?」
エヴァンさんが聞いてきたので思ったことを答えてみる。
「カームさんには俺たちのこれからの動きがすべて見えている様でした。マスラーオさんは何かもう鉄で出来た岩山でも殴ってるのかってくらい硬かったので、皆さんの固有の職業だったりスキルだったりするんでしょうか?」
「ん~着眼点はいいんだけど、カームもマスラーオも職業特性もスキルも今は使ってないよ。なんならここにいる6人全員が同じことが出来る。」
「「ほ、ほ、ほんとうですか!スゲー!!」」
「うんうんビックリだよね。でも僕らだけでなく、君たちもこれは出来るんだよ?それを教えてあげよう!」
「「お願いします!!」」
「それはね~『魔力』だよ!」
「「え?魔力?」」
「そう『魔力』。といっても君たちが思い浮かべる魔力ってのは魔法の元だろう?」
「「そうです。」
「うん。それはそれで間違っていない。けどね、魔力ってのは何も魔法を使うためだけのものではないんだよ。魔力は使い方次第で化けるんだよ。実際に見えるようにしてあげよう。カーム!」
「ん?なんかぼやけて見える?カームさんの周りに薄い紫色のモヤみたいなのが見える。」
ピピンの言うようにカームさんが何かぼやけている。
「「それが魔力ですか?」」
「そうだ。今は見えるように可視化している。これが『魔力』だ。魔力を放つのではなく『纏う』そうすると気配察知や敏捷性などが向上する。また、魔力には『色』がある。これを『属性』と言う。魔法の属性と同じだと考えていい。ラゴラゴ!」
「おうよ!待ってました!見ろ!これが俺のパッション迸る『魔力』だぜぇ~!」
するとラゴラゴさんから炎のような魔力の奔流が溢れ出てきた!
「あれが『属性』だ。人にはそれぞれ得意な属性がある。それを伸ばすのが実力向上の近道だ。そして、次に『気』だ。マスラーオ頼む。」
「おう!」
「マスラーオさんから透明な膜みたいなのが見える!」
ピピンの言う通りマスラーオさんの身体には『透明な膜』のような物がついている。
「あとは『聖気』だが、これは使える人が限られている。多分この中でもピピン君だけだ。『聖気』は邪悪なるものを打ち払う特殊な気で『聖女』や『勇者』なんかが扱うことが出来るものだ。」
「へ~『魔力』って凄いんですね!」
「そうだよピピン君。といってもこれは血の滲むような努力が必要なんだ。誰でもできるけど誰でも出来るわけではない。そういう力なんだ。でも君たちは出来るようにならなきゃいけない。かなり大変だけどこれから実践交えて覚えてもらうからね。」
エヴァンさんのその掛け声の後、俺たちは五芒星騎士の皆さんの手によって立ち上がることが出来ないくらい、修行=ボコボコにされるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます