第4章 王の依頼~スラムの王と強欲女帝~

第54話 王からの依頼

~マリアン王女の爆弾発言から数日後~


俺たちはナン=ダッカーノ国王に呼び出され玉座の間にいた。


「オホンッ!レイよ、ピ・ピ・ピピンよ!!まずは褒美の話だ!お主たちにエヴァン騎士団長ならびに五芒星騎士との訓練をすることを認めよう!期間は半年だ!その間はお主たちはの一員として活躍し強くなれ!お主たちの目指しておる南の国だがな、モンスターが増加しておって今は関所を超えるには銀級以上でなければ被害が増えるとして通行に規制がかかっておる!じゃから、最低でも銀級冒険者になり関所を超える力をしめせ!そして南の国の聖女に会いに行くがいい!」


「「ハッ!ありがたき幸せ!強くなれるよう精進します!!」」


「うむ。してな、してな、、、我が娘マリアン王女の褒美の件だ。。。ピ・ピ・ピピンよ、キ・キサ…おおおおお主はマリアンとの結婚を望むか?」

王は怒りなのか何なのかわからないが震えながらピピンに問うた。


「はははははははははいぃぃぃぃぃぃぃぃ!僕なんかでよければマリアン王女様といいいいいいいぃぃぃぃぃぃ一緒になりたいでちゅ!!」

赤面し盛大に嚙みながらピピンは王に答えた。


『グハッ!』と血を噴出し倒れたんじゃないか?という勢いで王が膝をつき動揺している。


「くっ!2人とも両想いであったか。本来であれば絶対に何があっても認めぬが、(むしろ殺してやるところだが)キサマは私のマリアンの命を救った。何よりも『勇者』にクラスチェンジをする可能性がある『勇士』だ。我が国としても王としても1人の娘の父としても未来の『勇者』がマリアンの夫となるのであれば、この上なく良いのは事実。だが、ワシは認めたくない!!だがだが、ワシは王じゃ!それは許されぬ。であれば、ワシを納得させてみろ!!」


小声であったが『むしろ殺してやるところだが』や、いつの間にか『お主』が『キサマ』と、本音をさらけだしながら王は言った。

そして、ナン=ダッカーノ王は条件を出した。


「キサマが2つのクエストを達成した暁には認めよう!

1つ目は『スラムの王 カラー=ジョー』の捕縛。

2つ目は我が国の宝物庫を打ち破り国民たちの税や国所有の財宝を強奪した『強欲女帝ジュエル=ヨコセッシ』率いるアマゾネス軍団を壊滅させジュエルを討ち取り奪われた税金や財宝を取り戻すことだ。

どちらも金級相当の実力がないと達成困難と言われておる。だが、ワシのマリアンの夫になるというのであれば、後々の勇者になるのであれば達成してみせろ!!それくらいの力がなければ今の南の国では生きていけん!」


王はそう口早に言うと「フンッ!」と言って自室に去っていった。


呆然と見送るピピンに対して、エヴァン騎士団長から救いの手が入った。


「あまり悪く思わないでやってくれピピン君。王はマリアン王女が可愛くて仕方ないんだ。だから急なことに動揺してああ言ってるだけだ。」


「ええ!いやいや王様に気を悪くするなんてないですよ!!当然ですよ!僕みたいな平民が急に出てきたら怒るに決まってますから…」


王族と平民の身分の差を気にする発言をしたピピンに対しエヴァン騎士団長は言った。


「ピピン君。我らの王は身分の差など気にしない。それに本心はピピン君を認めているんだよ。だから、一見無理なクエストと感じるかもしれんが、君らが無事に南の国へいけるようにするためだ。それに達成するために我らと訓練することを認めている。だから、しょげる必要はないぞ!」


「はっはい!わかりました!僕頑張ります!レイも一緒に!」


「なっ!なんで俺までお前の結婚のために頑張らなきゃいけないんだ!って言いたいけど親友のためだやってやる!」


「ありがとうレイ!」


そうして半年間に渡る地獄の訓練と2つのクエストが始まるのであった。

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