第50話 王都帰還
~王都城門~
「「「待たれい!」」」
守衛が駆け寄ってくる!
「その隠している紋様の馬車は王家の馬車と見受ける。なぜ冒険者がこの馬車を引いているっ!!」
「あの~それはえっと~」
慌てふためくピピン。それを見て怪しい雰囲気を感じ臨戦態勢をとろうとする守衛たち。
剣呑な雰囲気があたりに立ち込めたその時。
「お待ちなさい!!」
馬車から声が聞こえそしてレイが馬車の幌を少し開けて中を見せた。
そこにはマリアン王女がおり、そうしてこう言った。
「その者たちは悪い者ではない。洗礼式の道中で妾はテイマーが使役するモンスターの大軍に襲われた。そこで侍従も侍従頭でもあるフランソワも戦死した。これは妾を暗殺しようと謀る者の仕業です。そんな状況で妾の命を救ってくれたのが、このお方たちです。妾を暗殺者から護るために馬車も偽装してくださっているんです。感謝をすることはあれど、刃を向けるなどもってのほかです!!」
「ひ、姫様!これは大変ご無礼を!」
「よい。では通してくださいますね?妾は至急このことを父上に伝えねばならない。わかってくれますね?」
「「「はっ!どうぞお通りください!」」」
「くれぐれも他言せぬように頼みましたわよ」
「「「はっ!」」」
そう言って俺たちは王都へ入ったが、その時すでに俺は誰かに見られている気配を感じた。
そうして城下町の裏通りを通っている時も、その視線はずっとついてきているようだった。
そうこうして、裏通りの中で最も開けているであろう、井戸がある広場へ差し掛かったところで、ついに相手は動いた!
広場は井戸を中心として俺たちが通ってきた路地のほかに5本の道に繋がっている。
その5本の道それぞれから、堅気の雰囲気ではない者たちが出てきた。
「俺たちは重罪人でな。もうその命も自由もなく、ただ牢屋で処刑を待つだけの身だった。だのに、あの爺が俺たちにチャンスをくれたんだ!俺たちがお前たち3人。特に馬車の中に乗っているお姫様を殺せば自由にしてくれるってよ!だから俺たちの自由のために死んでくれ!」
1人の男がそう言い終えるやいなや、その者たちは一様に芥子色の液体が入った瓶を取り出し俺たちの前で、それを飲み干すのであった。
「「「「「グアァァァァァァ!!!!!」」」」」
芥子色の液体を飲み干した男たちは変容した!
1人の男は腕が4本に増え筋肉が膨張している。
1人の男は肉がただれたかと思うと骨だけになりスケルトンの様に。
1人の男は体中に口が生え魔術と思しき詠唱を同時に行っている。
1人の男は足が4本に増えケンタウロスという魔物の様に。
1人の男は頭がもう一つ生えるとともに全身に目玉が浮かび上がった。
異形の5体がレイとピピンの前に立ち塞がった!!
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