第45話 イコワ谷の死闘

そうして戦いの幕が切って落とされた。


テイマーはこちらを囲むように100体以上のモンスターを配置してきた。

ジャイアントアント、モスバタフライ、プラントタイガー、ボムボムラビット、ランスリザード数えきれない量だ!


向こうは物量で攻めてくるようだ!


こちらは俺とピピンとフランソワさんの3人だ。

これはかなり劣勢である。


出し惜しみできない状況なので最初から全力で当たる!


まず馬車の前方を守る俺が動いた。

「闇沼」

これは闇魔法と土魔法の混合魔法で、指定する範囲を土魔法『落穴』で土壌をグチャグチャにし闇魔法の『シャドウネット』で更に網を張ることで相手の動きを大幅に阻害する魔法である。

これでかなりの数のモンスターの進撃を遅延させることに成功した。


しかし、モスバタフライ、大きなカギヅメをもつクロウクロウなど飛行型モンスターたちは難なく抜けてくるので、そちらの対処に追われた。


後方ではピピンがギフトを得てから覚えた火魔法『フレイムウォール』を使用し炎熱の壁を作りやはりモンスターの進撃を遅らせ、それを突破してきたモンスターを各個撃破していた。


フランソワさんは俺たち2人が打ち漏らし馬車に近寄ってきたモンスターを倒していた。


30分ほど経ったところであらかた倒し終えた。

これで終わったかと思った矢先、テイマーが次の行動に出た!


「だいぶ消耗しましたね。これで終わりですよ!さぁ行け!タイタンワーム!!」


谷が揺れた!何かが動いているのがわかる!


そうして爆発音とともに30メドルはあろうかという馬鹿デカく長いワームが飛びかかってきた!


「これはマズい!」と思い咄嗟に懐からスモウクラウドのレアドロップである『フンドシ煙』を取り出し拳に纏い渾身の力で殴り飛ばした!


その結果、かすかに軌道がそれ、馬車への直撃は免れた。


「なんだコイツ!」


「ふっはっはっ!これが私の一番のペットだ!お前らなど喰われてしまえ!疲弊したお前らなぞ私のワームの相手ではないわ!」


圧倒的な物量でタイタンワームが攻めてくる。

馬車が潰されては一貫の終わりなので、馬車から距離を取り戦う。


だが、どうしても俺の攻撃力では心もとない。


攻めあぐねていたところ、ピピンが後方より飛び出した!


「レイ!こいつは俺が相手するからレイは後方を頼む!多分こいつは俺の方が相性がいい!」


そういうとピピンは自身ので斬りかかった!


効果は絶大の様で!大きな巨体が斬られた痛みでのたうち回っている。


「な!なんだそれは!私のワームに傷をつけるなどできるはずがないのに!!」


動揺するテイマーを他所にピピンはその光り輝く剣でドンドン斬りつけていく。


「なぜだ!なぜ傷がつく!なぜ回復しない!このワームはなんだぞ!!」


『光ノ太刀』


その言葉と同時に光り輝く刀身が何倍にも伸び、次の瞬間タイタンワームを一刀両断した!!


「こんなこと聞いてないぞ!ふざけるな!!」


そう吐き捨てるように言い放った直後テイマーが最後の抵抗に出るのであった!


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