第44話 準備
「…という感じでイルワ大臣が暗躍している可能性が濃厚ですの。そうするとこのまま引き下がってくれそうにはなさそうですの。そこで、このトナーリ街で怪我をした従者を休ませ最小限の人数で王都へ戻ろうと考えましたの。そこでピピン様、レイ様が同行してくだされば仮に襲撃されても私たちも心強いですの!」
「今、姫様がおっしゃられた通りなんだが、そうすると襲撃がありそうな場所は王都とトナーリ街の中間地点にあるイコワ谷だと思われる。あそこは王都へ向かう際に必ず通らなければならない道なのだが、イコワ谷と言われるだけあって谷になっているので周囲からの視界が悪い。何が起こっても見つかりにくいんだ。」
フランソワさんが地図を見せながらイコワ谷をしめした。
確かに王都へ抜けるにあたって必ず通らなければならないように谷が広がっている。
そして、襲撃があるかもしれないという発言に関しても納得できる。
これは準備をして臨まなければいけない。
ということで、マリアン王女とフランソワさんに準備をするので1日時間をもらうことにした。
そこで俺たちは早速、商人のショウコーンさんの店舗を訪れ相談し色々と購入させてもらった。
ショウコーンさんは「先行投資です。私の商人の直感がそういっている」と言って破格の値段で色々売ってくれた。
そうやって装備を整えた後は、街の外へ出てモンスターを狩り、ピピンとの連携を確かめた。
丁度、夕時まで狩りをしていたのと腹が減ったので、今しがた狩ったバットバット(状態異常の超音波をかけてくる大型の蝙蝠タイプのモンスター)の丸焼きを食べながら作戦会議をした。
「王都までの道のりは一筋縄ではいかなそうだね~」
「そうだなピピン。なんか色々きな臭いな」
「荒れるかなぁ。この前の位のモンスターの群れならなんとかできるとは思うけど、あのテイマーがどれだけの実力があるかだよね~」
「確かにあのテイマーは未知数だな。だけど、もっとイレギュラーもあるかもしれないから、腹いっぱい食べて明日に備えよう。」
「さすがは大食漢のレイだね!」
「おい!ピピン!からかうなよ!」
そうやって夜が更けて、次の日になり、何事もなくイコワ谷までやってきたが、確かに見通しが悪い。
これはなにかありそうだ。
というかすでに殺気が漏れている。
マリアン様を乗せた馬車を停め、警戒したところ、例のテイマーが出てきた。
「これはこれは先日は私の可愛いペットたちを葬ってくれた方々とマリアン王女様ではありませんか。お忍びでどちらまで行かれるのですか?」
「どこだっていいだろ!そこをどけ!」
「いえいえよくありません。あなた方の行先はもう決まっているのですから!さぁ地獄へ起きなさい!」
そうしてイコワ谷での激戦が始まった。
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