第40話 依頼そして遭遇
初めてギルドへ行った翌日からメイさんの『死なない新人冒険者講習』を2日間。
Sランクの睡魔(笑)と闘いながら受け、手始めにDランクの依頼を立て続けに3日間で10件(1日3~4件こなした)受け、スライムゼリーの採取、ゴブリンの腰布、ジャイアントラビット毛皮、穴堀もぐらの爪、スケルトンの骨などいずれも加工や錬金等で使われる材料の採取をおこなった。
お陰で依頼の受け方や素材の奇麗な採取方法や保管方法、納品方法などを学び実際に試すことが出来た。
これはとても良い糧になった!
ちなみにここでわかったことだが、素材の採取等に関してはピピンよりも俺の方が器用にこなせるらしい。
ピピンはちょっと力の加減が難しいようだ。勇士としての
俺がやった方が依頼主に色をつけてもらえる。これがピピンは悔しいらしく今必死に力加減を練習している(笑)
そんなこんなで、次はCランクの依頼を受けることにした。
この依頼は今いる町の近くにある『トナーリの街』まで行商に行く商人の護衛任務である。
と言っても本当に近いので3日あれば行けてしまう距離である。
Cランクの中でも比較的楽な案件だ。
ただ、これを受けたのには理由がある。
俺たちは今いるエリーナ公爵領から『中央都市ダッカーノ』へ行き、ダッカーノ国王に面会し『デスマンティーの呪い』『南の国の聖女』と『勇士』と『大食漢』になったことを報告しなければならないからである。
ということで『中央都市ダッカーノ』に向かうにあたって『トナーリ街』まで行くことは路銀も稼げて且つ前進できるので非常に都合がよいのである。
そうこうして野営をしながら向かうこと2日目の夜。
モンスターに襲われないように見晴らしの良い小高い丘の上に馬車を止め野営の準備をしていると、物凄い爆発音とともに少し先で閃光が起こった。
俺もピピンも師匠の元で修行をしていたので夜目を効かせることができるので、その場所にピントを合わせて見てみたところ、一台の馬車が大量のモンスターに襲われており、そのモンスターの中には目深にフードを被った人物がおり魔法を行使しているようであった!?
「レイ!あれってもしかしてテイマーの盗賊かなにかなんじゃないか?馬車が襲われている!!」
「そうだな。あれは盗賊か何かの類だと思う。しかもテイマーも相当の手練れだと思う。あれだけのモンスターを一度にテイムするなんてかなりの腕だと思う。それにこのまま放っておけば、仮に盗賊だった場合、次に狙われるのは俺たちだと思う!」
俺とピピンの会話を聞いていた商人は気が気ではないらしく、この場から逃げることを提案してきた。
「商人さん。商人さんの護衛が僕らの任務だけど、僕は『勇士』なんだ。こんな状況は放っておけない!」
そう言うとピピンは走り出してしまった。
それに追撃をかけるように俺は言った。
「商人さん。そうしてあげたいけどそれは無理だと思う。あれだけの手練れであればもうこちらには気が付いてると思う。だから、ここで隠れて待っていてくれ。俺とピピンが倒してくる!俺たちを信じてください。」
そうして商人から了解を得た俺はすぐさまピピンを追いかけるのであった。
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