第36話 冒険者ランク

ここはギルド裏手の訓練場。


目の前には『新人潰しのザブー』という異名をもつ冒険者がいる。


受付嬢の猫獣人のメイさんが教えてくれた。


冒険者には若葉、紙、石、木、銅、銀、金、白金、神金(ミスリル)の順番でランク付けがされている。


詳しくはこの通りだ。


若葉ランク

ルーキーもルーキーのド新人で右も左もわからない人がつける。

本当に冒険者をやっていけるかどうかを考える試用期間みたいな人がつけるランク。

通常は依頼を数個達成したり3か月ほどで紙ランクに変わる。


紙ランク

ルーキー。

町の便利屋や薬草採取等がメイン。

まだまだギフトをうまく使えておらず、もっぱら町の中の警護

最弱とされるレッサースライムは倒せるがゴブリンには勝てない。

4人でゴブリンに勝てるくらい。


石ランク

最下級冒険者。

一対一ならゴブリンといい勝負。ホブゴブリンには複数でかからないと負けてしまうレベル。


木ランク

ほとんどの冒険者が木ランクどまり

生活は一般市民より少し良い程度

下級冒険者で1人でホブゴブリンに勝てる。

パーティでいけばアーマーゴブリンというホブゴブリンの上位種まで倒すことができるレベルとされている。


銅級

一般にベテランとされるランクで、通常の冒険者では銅ランクまでいければ上々とされている

パーティを組んでダンジョン攻略に当たれば規模の小さい下級ダンジョン程度であれば攻略できるレベル。

中級冒険者と位置づけされている。

※新人潰しのザブーはここ


銀級

多大な力を持ちAランクの依頼も複数でこなせるとされている。

1人で下級ダンジョンの攻略も可能なレベルであり複数人であれば上級ダンジョンでも活躍できる。

銀級以上を1級冒険者と呼ぶ。

※イーサとルーはココ。


金級

国や大陸によっては英雄扱いされる大戦力。

※ジャスはココ


白金級

白金級1人だけで国家1つを易々と討ち滅ぼせるだけの力があるとされている。

白金級冒険者は大規模な国家でも数人レベルしかいないとされており、特級のイレギュラー、モンスターのスタンピードなどの時に活躍する。

実質現在の冒険者において確認できる範囲で一番上位のランクとされている。


神金(ミスリル)級

世界に多大な影響を及ぼす力を秘めた者がなれるといわれている

現在世界で数人しかいないとされているが、それも噂レベルでもはや伝説扱いされている。


そんな中で中級上位の銅級冒険者のザブーと若葉ランクの俺たちが対峙するべきでないとメイさんが必死に教えてくれた。


ザブーは筋骨隆々なハゲ頭の男で、デカい棍棒を持っていた。

「大丈夫だ訓練だからな。ちょっと事故が起きて腕や足の骨が数本折れるくらいだ。ゲヘヘヘ。なんなら2人まとめてこいよ。受付嬢に守られてるカワイ子ちゃん」


「ザブーさん!そんなこと言わないでください!誰だって最初は新人なんですから!」


毅然と反論したメイにザブーが吠えた!


「うるせぇ!引っ込んでろ!お前も訓練で、その手足へし折ってやろうか!!」


『ブチっ』と俺の中で何かが切れる音がした。


「おい。ハゲ!俺が一人でやってやるから、俺が勝ったらこの子に謝れよ!」


そうして『新人潰しのザブー』との新人研修がはじまるのであった。

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