第34話 なんかひっかかるんだよなぁ~
『大食漢』とんだハズレギフトであるらしい。
とはいえである。正直そんなに気にしてない。
いや、隣に勇者候補の『勇士』のピピンがいるから、気にしてないと言えば嘘になる。
だけど、俺とピピンは
だから、例え変な
だから、気を取り直して言った。
「行くぞピピン!」
「あぁ!今からが俺たちの旅立ちだ!」
王都を目指しつつ、ギルドに登録してダンジョンもこなしていこう!
でも、まずは師匠に報告だ!!
●
師匠が難しい顔をしている。
やはり、大食漢がビミョーなんだろうかと思い聞いてみると、
「いや、世間一般では大食漢はハズレ
と黙り込んでしまった。
「ダメだ!思い出せん!大食漢のこともそうだが、ピピンが『勇士』を授かったのなら教会から一報はいっていると思うが、まずはエリーナ公爵のところへ行け。あそこにはジャスもルーもいるからついでに顔出してこい!」
●
そう師匠に言われて2人でやってきたエリーナ公爵様のお屋敷は途轍もなく広かった!
「「コレお城じゃん!!」」と2人でツッコんでしまうくらい荘厳で壮大なお屋敷であった。
緊張しながら守衛さんにエリーナ公爵に面会に来た旨を伝えると最初は怪しむ素振りをしていたが、俺とピピンの名前、いやピピンの名前を聞いた瞬間にジャンピング土下座をするんじゃないかの勢いで守衛さんひざまずいて迎え入れてくれた。
やはり『勇士』は伝説級にヤバイらしい。。。
屋敷に入り、いざ面会!と思っていたら通された場所は面会部屋ではなく、豪勢な料理が所狭しと置かれている食卓であった。
訳も分からず座らされ待っていると声がかかった。
「やぁよく来てくれたね。うちのお抱えの3人が太鼓判を出す訳だね。『勇士』に『大食漢』とはどちらも伝説級なギフトだ」
そう言って、エリーナ公爵がジャスとルーを従えて入ってきた。
「畏まって話すのも悪くないが、私としても君たちと気楽に話したいと思っていたので、こういう場を用意させてもらったよ。さぁ遠慮なく食べてくれ。」
そうして和やかな会食が始まったのであった。
会食も終盤に差し掛かったころエリーナ公爵が爆弾を落とした。
「実はね、『勇士』が出るってことは少なからず世界の危機が迫っていると考えられるんだよね。」
「「え?どういうことですか?」」
2人はビックリして聞き返した。
「そうだね。そもそも『勇士』ってギフトは平時では出ないものって言われているんだよ。なんで伝説級のギフトなのかというと、『勇士』は『勇者』にクラスチェンジできる唯一のギフトで、『勇者』が現れるときは大概世界は魔物だったりなんだったりで危機に瀕しているんだよ。そこで今回のことを考えると、皆が対峙した邪界虫デスマンティーや邪神樹アンノウンなんてのは、まさに世界に危機を与えかねない特級イレギュラーなんだよね。だからかな。そういった意味ではレイ君の『大食漢』なんて伝説級にダメだって言われてるギフトだけど、何か意味があるのかなって思うよ。」
つまり、エリーナ公爵の話をまるっと信じればピピンは『勇者』になり世界を救う人物になるとのことだった。
俺の親友はどこまで規格外なんだろう。
それに比べて俺って・・・
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