第32話 勇士

師匠との話のあと俺はピピンのところに来ていた。


「俺は旅立つ!冒険者になる。だから、ピピンとはここでサヨナラだ。今まで、ありがとう!」

そう親友に宣言した。


すると親友は逆に言った。

「お前はバカか?レイが冒険者になるなら俺も冒険者になる!今さら何言ってんだ!俺らはコンビだろ?」


転生してからの俺はどうやら周りの人に恵まれていたらしい。


最近、涙腺が弱くて仕方ない。


「そっか。ありがとうな。そしたら、これからもヨロシクな!」

「当たり前だ!モンスターに苦しんでる人達の助けになってやる!」


そうして、旅立ちを決めた俺たちは各々の家族に改めて意思を伝え旅立つのであった。


「「よし!まずは教会で神託ギフトを受けてギルドで冒険者登録だ!」」


イーサ公爵領の中にある神託ギフトを授けてくれる教会へ移動した。


「よし!教会へ着いたぞピピン!

いよいよ俺たちも神託ギフトを受けるときがきたな!」


「どんな職業になるかなぁ。」

「師匠みたいに義賊かな?それとももっとスゴい職業かな?」


「農民とかだったらどうしょう…」


「おっおいっそんな怖いこと言うなよ~

まぁなるようになるだろうし、どんな職業でも俺らには師匠の教えがあるさ!」


「そうだな!いっちょいくか!」


神官「エリーナ公爵様から伺っておる。神託ギフトを受けにきたのだね?それでは神の声を聞くにあたりお布施を」


2人はお布施を渡す。


「それでは、そちらの金髪の少年から」と言いピピンを指差し、祝詞を挙げた。


するとピピンにスポットライトが当たるようにピピンの近くが光はじめた!


周りにいた神官や信者、参拝者や同じく神託ギフトを受けに来ていた者達が騒ぎはじめた。


どうしたのかと思い聞いてみると『レアな職業を授かる者は光に包まれる。もっともレアな職業、勇者などの場合は人だけでなく、眩い光で目が開けられなくなるほど』とのこと。


するとピピンはかなりレアな部類なのか光が溢れだいぶ眩しかった。


光が終息すると、神託ギフトを授けていた神官は泣きながらピピンに膝まずいた。


その様子に焦るピピン。


神官「貴方様に授けられた神託ギフトは勇士!このダッカーノ王国では勇士が授けられたのは初!貴方様の努力次第では勇者にクラスチェンジできる職業!」と言い放ち、神官は歓喜にうち震え、ピピンはあまりのことに動揺に震えるのであった。


そんな様子を見ていた俺はいよいよ農民なんじゃないかと冷や汗がとまらなかった…

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