第30話 仮初めの平穏と旅立ち

デスマンティーとの死闘の後5人は気を失った。




ふと気が付くとレイは何もない空間にいることに気が付き起き上がった。


「ん、いててっ!あれ?皆は?デスマンティーは倒したはずなのに?あれ?もしかして俺死んじゃった!?」

レイが焦って呟くと返答が返ってきた。


「ブッブー!死んでませ~ん☆レイよ死んでいないとは何事ぢゃっ♪」

突然の運命神カーラの降臨である。


「なっ!カーラちゃん!やっぱり俺死んだのか?」

「だ~か~ら~死んでないって言ってるでしょ~!私が呼んだのよワ・タ・シが!!」


「なんでカーラちゃんが俺を呼んだんですか?ってか10年ぶりにくらいにカーラちゃん見たけどやっぱメッチャ可愛い!!」

「ありがと~だからレイって好きよ♪って、ちが~う!私があなたを呼んだのは邪神樹アンノウンについてよ!」

「邪神樹アンノウン!あの最後に声だけでデスマンティーを爆発させてきたやつですか!!」

「そうそうアイツー!実はねアイツはレイ君が前世で死んじゃう時に私が一緒に殺そうとしてた極悪人なの~!あなた前世で聞いたことない?連続殺人鬼の暗濃 吽アンノ ウンってヤツ!」

「暗濃 吽!知ってますよ!極悪殺人鬼じゃないですか!日本人皆知ってるレベルの極悪人じゃないですか!」

「そ~そ~アイツなのよ~!レイくんに試練与えたときに実は一緒にアイツもどさくさに紛れて殺そうとしてたんだ~♪アイツは人を殺しすぎたから~♪」


衝撃の事実である。

カーラちゃんの言うことでは、俺に試練を与えた際に実は暗濃にも同様の事態がすぐ近くで行われていたとのこと。しかもこっちは試練ではなく抹殺するために。

結果として、暗濃はあの時の俺と同様に瀕死も瀕死の状態になった。

だが、ヤツは死なずにこの世界にした。

どうやら邪神に魅入られたようで、俺は転生だったが、ヤツは転移だった。

そして、そこでヤツは死を免れるために邪神の使途となり、長い年月を経て人から邪神樹アンノウンになったとのことであった。


「だから~アンノウンはぁ~この世界から考えると異分子なのよね~そんで~邪神が本当に復活するとそれはそれで本当にメンドーなのよ!まっアタシは負けないけどねぇ~!でも、基本的には神はこの世界に干渉できないのよ。でも邪神はアンノウンの力で強制的にこの世界に顕現しようとしてるの!そうすると確かにこの世界滅んじゃうかも~邪神倒せるだけの子はいないし~!」


またもや衝撃の事実である。

本来この世界に干渉できない神が実体を持って顕現しこの世界滅ぼすって、どんなアニメだよ!ってツッコミたくなるほどである。


「だからね?レイよ!妾の代わりに邪神樹アンノウンを滅しろ。これは神託じゃ。それにじゃオヌシの友人は偶然じゃが本当に良いギフトを授かるであろうから。オヌシの助けになるぞ!」

「いやピピンにはピピンの意思があるから俺にはなんとも・・・それより俺は?」

「まぁそう言ってもオヌシの仲間は良いヤツじゃから安心するがいい。それに運命神である妾にはわかるがオヌシにはこれから様々な出逢いがある。出逢いを大事にするがええ。それとオヌシのギフトじゃが妾もビックリじゃ!珍しいことは珍しいが、こればっかりはオヌシがこれから歩む道次第じゃな!まぁそんな訳だ!」

「えぇ~そんな曖昧な感じですか?もっと具体的に教えてくださいよ~!」

「ええい!しつこいぞレイよ!とりあえずオヌシはギフトを授かり冒険者になって南の国を目指せ!さすればオヌシの父たちの呪いも解けるじゃろうて!」


『それではぁ~今日も元気に逝ってらっしゃ~い♪』

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