第23話 しょうがねぇな~

マンバドラゴンを討ち取り満身創痍の2人はその場にへたり込んだ。


「やったなピピン!俺たち倒したぞ!」

「本当だねレイ!いくら僕と相性がいい相手だからって本当に倒せると思ってなかったよ!盾が壊れた時本当にレイを連れて逃げようと思ったもん!」

「あぁ本当にやったんだな俺たち!」


そう言ってピピンと話していると、凄まじい殺気を感じ2人が同時振り返った!


するとそこには事切れたハズのマンバドラゴンが首だけを持ち上げ最大出力の『アイスブレス』を放とうとしているところであった。


絶体絶命である。

こちらは2人とも先ほどの攻撃で全てを出し切り満身創痍で体力も魔力もスッカラカンである。

とてもではないが、避けきれなさそうであるし、耐えられなさそうである。

本当にヤバい!


そしてマンバドラゴンが『アイスブレス』を今まさに放とうとした時である!


「闇魔法ダークネスニードル」「地魔法タイタンソード」「風魔法癒しのそよ風」


真っ黒い質量の闇がブレスごとマンバドラゴンの口を閉ざすように覆ったかと思うと、その闇が剣山の様になり上下左右からマンバドラゴンの口を滅多刺しにした。

それと同時に中空より巨人が使うかの如く大きい数メートあろう岩で出来ているだろう大剣がマンバドラゴンを串刺しにした。


そして俺とピピンのもとには優しい風が吹き傷が癒え、その場から脱出することができた。


「レイ!ピピン!!バッキャローが!!!こんなトコで何してやがる!死ぬとこだったぞ!!!」

「まぁまぁイーサさん抑えて抑えて。結果私たちが間に合ったんだからいいじゃないですか。」

「ジャス様それ間違い。私たちあと一歩遅ければこの子達死んでた。」

「ルーの言う通りだジャス!それにこいつらは俺の弟子だ!俺が何と言おうと誰にも文句は言わせねぇ!!」


いくら手負いだったからといって、俺たち2人が死に物狂いで戦ったマンバドラゴンを言い争いをしながらアッサリと倒してのけたパーティは、師匠たちであった。


師匠もずっと強いと思ってたけど、この2人も相当だよ。

何この人たち・・・


ポカーンとする俺たちをよそ目に言い争いが終わった3人が俺たちの前に来た。


「あらかたアレか。ミッションに連れて行かないって言われてピピンと2人で先回りしようとしたのかバカ息子!ピピンもピピンだ!お前はレイを止める役割だろうが!」


開口一番怒鳴られた。まぁしょうがないか。嘘ついて出てきたし死にかけてたしな今。


「「ごめんなさい師匠」」


「ほらイーサさん」


「ちっしょうがねぇな~!認めるよ。お前たち2人の実力認めてやる。今から帰れって言ったってお前ら帰らねぇだろ?同行を認めてやる。ただし、絶対に俺たち3人の後ろにいろ!何もするな!!ヤバいと思ったらすぐに逃げろ!わかったな!!」


俺たちは顔を見合わせてニヤけながら言った!


「「はい!わかりました師匠!!」」


そうして俺たちは旅の同行を許されたのであった。


向かうはマルクス=ケーゲラ辺境伯邸。

だが、これから起こる事態にレイとピピンはおろかここにいる5人全員まだ知る由もなかった。。。

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