第20話 認めてもらうための嘘
「今回のヤマはデカすぎる。今回はエリーナ様が用意してくれた手練れとこの任務を遂行する。だから、いくらお前が成長したからと言って、
イーサはエリーナ公爵のところから戻るとレイへ告げた。
「なんでだよ!師匠!!俺は神託なくて今までやってきたじゃないかっ!」
「それでも今回は訳が違う。辺境伯領に入るには、マンバ山脈を越えなくてはならない。レイではマンバドラゴンを倒すことなど到底できない。今回に関してはハッキリ言うが足手まといだ。」
尊敬する父である師匠から『足手まとい』と言われてしまったのがショックすぎて、俺は気が付いたら家から飛び出していた。
街をトボトボと歩いていると声を掛けられた。
「お~いレイ!どうした?なんか元気ないな?なんかあったのか?」
それは親友のピピンであった。
~街外れの森にて~
「へ~マンバ山脈ね。確かにあそこは遠いしマンバドラゴンがいてヤバいし、その他にもマンバウルフとかマンバボアとか色々強いのがいるって言うよね。それにしても師匠に『足手まとい』って言われたのはツラいなぁ」
「そうなんだよ。俺はスゴい頑張ってきたじゃん。なのに『足手まとい』って言われたのがショックすぎて気が付いたら家を飛び出してたよ」
「マンバ山脈ってさ、確か雪山だったよね?確かにレイの得意な影魔法とは相性悪いかもね。」
「そうだな。師匠はそこらへんも含めて言ってたのかもな・・・」
「でもさ~僕の火魔法は相性いいんだよ?知ってた?」
「え?」
「わかってないな~レイ!僕の火魔法は相性いいんだよ。だからさ、2人で行こうよマンバ山脈!僕も1人でなら出来ないと思うけどレイとなら越えられる気がするよマンバ山脈!!」
「ピピン!本当か?本当に言ってるのか?」
「当たり前だよ!親友のレイが困ってるんだ!だったら僕はレイと一緒に行くよ!そしてマンバ山脈を越えてレイと一緒に師匠に認めてもらうんだ!!」
「おう!ありがとなピピン!」
俺は親友の有難い申し出に涙していた。
「泣くなよ~レイ。じゃあ行こうかマンバ山脈」
そんな話がまとまるやいなや、レイは家に戻りイーサに噓をついた。
「師匠がマルクス=ケーゲラ辺境伯領へ行っている間、俺はピピンと迷惑の森の中域で泊りこみで修行をしてきます。そして、もっと強くなって師匠に認めてもらいます!だから、行ってきます!」
そう言って俺は師匠の話も聞かずに家を出た。
そして、ピピンと合流し一旦、迷惑の森の外周に入り、本当に修行に入ったと思わせておいて、外周ををグルっと回り進路をマンバ山脈方面に変え進むのであった。
そしてマンバ山脈手前の町で、これまでに狩ってきたモンスターの魔石を資金に変え、防寒装備を整え、そしてマンバ山脈に入るのであった。
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