第9話 魔法発現!?

「お前たち!中域からはを使え!でなきゃを受けてないお前たちでは太刀打ちできない。ましてや今回の目標はスモーキーガストだ。スモーキーガストから『』を取ってこい。それと倒したらこの瓶にスモーキーガストを詰めてこい。修行を思い出せ。」


そう言われレイとピピンは、ありし日を思い出し青ざめた。

そうそれは2人が友人になりほどなくしたころ、毎日の日課の組手をしているとイーサが唐突に言った。

「おう!お前たちそろそろ魔法も!」

「し、師匠!魔法ですか!魔法を教えてくれるんですか!」

前世の世界に魔法は、なかったので俄然テンションのあがる俺

「魔法かぁ~師匠は『発現』を持っているのですか?」

ピピンが尋ねた『発現』とは、誰しもが体内に持っている魔力に干渉し、魔法を使えるように刺激を与えることであった。

ギルド、教会、魔導師等から『発現』を受け魔法を使えるようにするのである。


そう『』は…


「あ~ん?『発現』だぁ?んなもん俺が持ってる訳がねぇ!漢ならドーンと『発現』なんて女々しいこと言ってんじゃねぇ!」


そう何事においてもがあればがあるのだ。

この場合においての


ハッキリ言って加減されてもチョー痛い。なんなら

現に魔法を覚えたいが、金がなかったり、『発現』持ちが近くにいなかったり、後ろめたいものがあったりする人間が、このを使う。

そして、割とけっこーな人数が命を落とす。だから、『発現』が大事なのである。

しかし、イーサは「」と言った。

これは、2人にとっては死刑宣告にも近い発言だったが、レイは勿論そんな事わかってないので、ノリノリだった。


()


「おぉし!いい返事だレイ!流石さすがは俺の息子だな。覚悟はいいか?」

「はい!師匠!ドーンとお願いします!」

今、あの時に戻れるなら俺は俺を殴りたい。

「よぉし!気合い入ってんな!そうしたら、その気合いに応えてデカめいくぞ!」


闇魔法『ダークホース』


その瞬間、師匠の掌からポニー程度の黒い馬が飛び出てきたかと、思うと俺に向かって突進してきた!


ズガガーン!ナニコレ!チョー痛い!つーか、なんだろ前が見えないし何気に気持ち悪い。


』とは、威力はそこそこだが、状態異常付与が付いていることが多く、使い時を間違わなければ、とても役に立つ魔法であるが、使い手が圧倒的に少ない属性でもある。


そう!今レイは魔法ダメージと状態異常の両方にに襲われ、且つ初めての魔法により体内の魔力が暴走し魔力酔いを起こしていた。

なので、通常では考えられないほどのダメージを受けていた。


ちなみにレイはここから3日3晩高熱と幻覚にうなされたのであった。


実は、レイに体当たりをしたダークホースが軌道を変え何の心構えもしていなかったピピンにも体当たりをしており、ピピンも同様の状態異常にかかり昏倒したのであった。


「あぁ~悪い。気合入りすぎて少しやり過ぎちまったみてぇだ!まぁ聞こえるような状態じゃないかっ!!」

ガハハ!と豪快に笑ったが、昏倒する2人を見て少し反省した。

その後、イーサは2人を抱きかかえ、家に連れて帰り2人が目を覚ますまで看病するのであった。

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