第8話 素材回収とゲテモノ料理
ファントムタランチュラを倒したレイとピピンは現在、解体をしていた。
腹を裂き、そこから親指ほどの魔石を回収するとともに、その横にある糸袋を切り開き、大量の『幻視の糸』を採集した。
魔石というのはモンスター達の核で、ここを潰されると死んでしまう。
心臓のような役割を果たすもので、魔力を大量に溜め込んでいる。
魔石はモンスターの強さに比例して大きくなる。
強さに比例するので、例えば同じゴブリンであっても強化種と呼ばれるゴブリンなどは一般的なゴブリンに比べて魔石が大きい。
通常の冒険者などでは、ここまでの作業で終わるのだが、師匠であり父であるイーサから「ファントムタランチュラを倒したら後ろ足を2本切り取って帰ってこい。そうしたらお前らにご褒美をくれてやる!」と言われていたので、重たい足を2本切り取っていた。
「でも、この足どうすんだろねレイ?」
残った身体を二人で燃やしながら話す。
モンスターは魔石を砕くか、少しの間放置すると灰となって消える。
ただし、ボスモンスターは消えるのに時間がかかり、消える前に他のモンスターに補食されてしまうと強化種を産み出すはめになるので、素材を採集した後は燃やすのが1番なのである。
「ん~討伐の証しとかかなぁ?とりあえず師匠に持ち帰ろう」
スラムに無事に戻り自宅でイーサにピピンと二人で採集した魔石、幻視の糸、足2本を渡す。
「おぉ!本当に倒したか!まぁお前たちならやれるのはわかってたがな」(本当は心配で気付かれない位置から見守ってたとは二人にはいえねぇ)
「よし!褒美だ!いっちょ喰うか!」
「「えぇぇぇぇ!」」
モンスターを食べる。これは意外とこの世界普通である。
といっても、カウンターカウビーフ、オークミートやクレイジーチキン、暴れピッグとかそこら辺である。
ファントムタランチュラを食べるとは聞いたことがなかった。
前世で言うところの、ゲテモノ料理というやつか…
「よし!1本は焼きで1本は茹でて喰うぞ!」
そう言って作られた2品は出来上がってみれば、ちゃんとした料理に見えた。
だが、元が大型のクモだと知っているので俺もピピンも箸がのびない。
そこで師匠がニヤニヤしながらキレた「てめぇらナヨナヨしてねぇでさっさと、喰え殴るぞ!」
嫌な後押しに無理矢理押され目をつぶって2人同時に食べた!
するとどうだろう!弾力のある身はプリプリとしており、味は前世で食べたカニそれも極上なもののように思えた。
ちらりと横を見るとピピンも驚愕の表情を浮かべていた!
気が付いたら2本の、足は跡形もなくなっていた(笑)
また倒したら食べようと心に誓う二人であった。
そんな中、レイは身体に少し異変を感じたが、モンスターを食べたことでビックリしたのかと思ってあまり気にしなかった。
それこそが後にレイの未来に大きく影響を与える兆候であったことに、レイ自身も含めて、その時は誰も気が付かないのであった。。。
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