第7話 迷惑の森 外周ボス
迷惑の森は外周域、中間域、深域と3つの区域にわかれており、そこの区域の奥にはボスモンスターが必ずいる。
なぜかと言うと、この世界にはダンジョンと呼ばれる迷宮が存在する。
そこではモンスターが一定周期で湧き出てくる。
学者曰く『邪気溜まりが長い年月を経てダンジョンが発生し、モンスターはダンジョンの核より、その地域の邪気だったり魔力だったり生命から得た養分だったりを使用して、つくられているのではないか』とのことだが真偽は不明である。
ちなみに、迷惑の森は古来は普通の森であったそうであるが、そこに邪気が溜まり森全体がダンジョンとなってしまったのではないかと考えられている。
そんなダンジョンには階層主や
ボスモンスターは各区域に原則1匹しか出ない。
ただし、森の全方向から同時に探索に入った場合、全方向にボスは出る。
つまり、どういう訳なのかわからないが、迷惑の森は森に侵入したパーティ全てを感知しボスを産み出しているのであった。
ちなみに迷惑の森は、この辺りの駆け出しの冒険者が冒険のイロハを学ぶ場所として有名で、深域のボスであっても、低いランクの冒険者が複数人でパーティを組めば倒せるほどである。
ただ、それは神託を受け職業やスキルを得た冒険者たちの話であって、ただの町人では外周ボスですら勝てない程の隔絶した差があるのであった。
そんな中、レイとピピンの前には外周ボスである『ファントムタランチュラ』がいた。
マッドスパイダーより身体は大きく熊ほどある。
また強靭な足やアゴを有しており、戦力は大きく異なる。
「よし気合いいれていくぞレイ!幻視の糸に気を付けろよ!」
幻視の糸とはファントムタランチュラがファントムと呼ばれる
しかも、その糸は弾力性と耐久性に優れており素人には切れないものだった。
レイは無音走りでファントムタランチュラに迫りピピンは盾を用いて幻視の糸を防ぎ、マッドスパイダーを倒すのと同様にファントムタランチュラに隙を作った。
よし!ここだ!「とりゃぁぁ」キンっ!なんと完全に決まったと思っていたレイの斬擊が弾かれた!
なんと、事前に森の木々に張り巡らされた幻視の糸での防御であった。
獲物が罠にかかり喜んだ表情を見せレイに迫ろうとしている、そんな一見するとレイが危ない場面であったが、レイの背後に潜んでいたピピンが盾を用いて、下方向からシールドアタックをファントムタランチュラの顔面にお見舞いしたので、顔がはねあがった。
すかさず、レイは体勢を深く沈ませ加速し、そのまま飛び上がるとともに逆手に持った二刀の短剣を下から上へ振り切った!
「土竜斬り!」
土竜斬りは見事にファントムタランチュラの顔面を下から上に切り裂きく。
もがき苦しむファントムタランチュラに対し、ピピンは鉄の剣を上段に構え一直線に振り下ろし切り裂いた。
その直後、「土竜斬り」をし跳躍していたレイがファントムタランチュラの腹部に着地すると同時に短剣2刀を突き刺したところで、ファントムタランチュラは息絶えたのであった。
レイとピピンは、ただの町人ながら見事にファントムタランチュラを倒したのであった!
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