嫌い

 僕は心底苦痛な時間がある。それは自分を頭から否定される時。これが苦痛。これまで吐かれたどんな言葉よりも心を刺してくる。


 「恵まれているのに我儘言って。」

「家もあって住む場所も安全で食事も取れるのに幸せじゃないって言うの?図々しいにも程がある。」

「貴方の考え方が悪いから辛いだけでしょ?」

「お前には分からない。」


 あぁ、もう全部、全部うるさい。僕のことを否定するだけして楽しいか?君等にはこの苦しみさえ知らないだろう?ああ、そうだろう。きっとそうだ。君等の物差しで僕を測るな。僕のことを何も知らない貴方達はこれからも僕を殺そうとするだろう。羨む奴等も外面だけで判断して勝手に決めて何様だ。


 君のその眼だって嫌いだ。


 貴方の怒りに満ちた眼だって嫌いだ。


 貴女の薄ら笑う眼だって嫌いだ。


 僕の存在さえ嫌いだ。


全部、全部嫌いだ!

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