「とりあえずここに入れ」

俺は少し前に出会った少女とともに家に帰っていた。

「ここはたくじのおうち?」

「まあな」

小さな少女を家に上げるのは何か勘違いをされそうな気もするが、さっき黒づくめの人たちに銃を撃たれたばかりだ。近くの安心して隠れられる場所がここしかなければ仕方がない。



「なんにもないおへやだね。」

そんなことをミカヅキが言ってくる

「とくに趣味もやることもないしな」

たしかに一般的な家に比べればものはかなり少ない方だろう。

だが、俺はそこまで気にはしていない。

「別に食って寝てたら人は生きていける」

「なんか寂しいね」

「言っとけ」

「そういえば、さっき追ってきたやつらに銃を肩に受けていた気がするが大丈夫か?」

そういうとミカヅキは腕を見せてきた。そこには驚くべき光景があった。

傷口から軽く青い炎のようなものが吹き出し、見ているうちに傷がどんどんふさがっていった。

「なんなんだ、お前の体は?」

すこし考えてからミカヅキは答える

「私はね、人間じゃないんだ」

「人間じゃない?」

「みんなは私のことを不死鳥って呼ぶの。私の体は傷ついてもすぐに再生するだからそう名付けられた。」

「両親もそうだったのか?」

俺は店の中で聞いた両親の話を思い出していた。

「うん、そうだよ。でも何百年も前に死んじゃった」

「お前らは年も取らないのか?」

ミカヅキは首を振る

「そうじゃない、でもとても人間に比べたら長寿なの。」

そうか、だからミカヅキは黒づくめのやつらに追われていたのか

「私が追われている理由分かった?」

「ああ」

「警察に行ったところであの人たちは追ってくる。どこまでも私の体を調べたいみたい。だからたくじも早く私から離れた方がいい。」

いつもならやっかいごとには首を突っ込まないがずっと死んだような時を過ごしてきたんだ、今更だ。


「いや、安全な場所まで連れていくよ。今更、俺の顔も覚えられているだろうしな。」

ミカヅキは驚いた

「ダメだよ!たくじが危険にさらされちゃう」

「いいんだ。それに今お前を見捨てるのもなんだかなって感じだしな」

「なら、くれぐれも無理はしないでね。」

ミカヅキは納得してくれたようだ。

だが、問題はどうやってこの子を安全な場所まで送り届けるかだ。

警察でもだめならどこがある?

「ミカヅキはどこにいきたい?」

「私は森に行きたい。そこなら下手に追っては来れないと思う。

「わかった。でも生きていけるのか?」

「不死鳥に食事は必要ない。だから安全であればそれでいい」

だからハンバーガー屋の飯をたべたことがなかったのか

「なら行こう、長居しても場所がばれるだけだ。」

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