34. 再会 前編
「
「い、いえ、そこまでは……」
聞くも何も当事者なのだからそんなことは知っている。
しかし、
「丁度、今の
「は、はぁ……?」
「当時の僕はここの三年生でね。
「……」
「当時は複雑だったなぁ……。弟と妹が付き合ったみたいでさ」
初めて
「自慢じゃないけど僕って昔から何でもできてさ」
「自慢ですよそれ」
「いいからいいから」
俺が横槍を入れても、兄さんはそのまま話を続けた。
「逆に僕の妹は何にもできない子だった」
「……」
「運動も勉強も全然駄目で手先も不器用。そういうところは、娘の
全部知ってる。
残念ながら
全部、兄のほうに取られちゃったかもとは
「だからそんな
久しぶりにその名前で呼ばれた。
――
前世の俺の名前だ。
「君はそのときの彼と同じ顔しているから」
「え!?」
に、兄さんが突然おかしなことを言ってきたぞ!?
「お、おおお同じ顔!?」
「そう表情が似ているなって」
びっくりしたぁああ!
まさか前世の俺に気付いたのかと思った!
「何か迷っている顔してるよ」
「……」
確かに俺は迷っている。
そして今の自分の状態のこと。
「死んでからじゃ何にもできないからね、後悔がないように。まぁその言葉を一番言いたい男はもうこの世にもういないんだけどね」
「……」
目の奥が熱くなってしまった。
多分この人が語りかけているのは
この人も……きっとオフクロも、俺たちがいない間に色んな思いを抱えて今まで生きてきたのだ。
「分かりました」
「おっ、何か吹っ切れた顔してるね」
「考えるよるも、先に行動してみせろって前に言われたときがあったので」
「えっ?」
今の兄さんの言葉で決心を固めることができた。
本当にそれが起きているかどうかはやっぱり本人に聞いてみるしかないのだ。
「
「ええっ!?」
兄さんの困惑の声が聞こえてきた。
※※※
「
クラスメイトたちと談笑している
「な、何!? すごく表情が怖いんだけど」
「今すぐ屋上に来い!!」
「えぇえええ! 私、ヤキでも入れられるの!?」
「なわけないだろう!」
そう言って
「言いたいことあるならそこでいいじゃない!」
「そこじゃダメなんだよ。俺の勘違いだったらそれでいいから!」
「何わけわからないことを言ってるの!?」
木幡がぎゃいぎゃい騒いではいたが、その手を無理矢理引っ張り屋上に向かうことにした!
※※※
「ここに見覚えは!?」
屋上に到着して、すぐに
「そりゃここの生徒だもんあるわよ」
「ぐっ……!」
思ったような反応は返ってこなかった。
なら次の一手だ!
「体育祭に屋上で告白に聞き覚えは!?」
「えぇええ!? 私これから告白されるの!?」
「ちがーーう!」
く、くそぅ! こいつとはいつも何かが噛み合っていない気がする!
こうなったらど真ん中ストレートで聞くしかない!
「ええい! めんどくさい! お前は“
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