27. RE:娘vs娘の友達
「そんなに私の邪魔をする
「うっ……うっ……、私は
既にノックアウト寸前な
デジャヴだ! 前にもこんな光景を見た気がする!
「正々堂々と勝負だよ、
勝手に俺が景品にされる。
しかしこれは願ってもないチャンスなのでは!?
上手くいけば娘と本気デートを回避できるかもしれない!
「
色んな願いを込めて
「うっ……うっ……ぐすっぐすぅ。おえぇえええ」
ダメだこりゃ。勝ち目なしだ。
「
「や、やるぅ……!」
「ん?」
「
鼻水をすすっているが、
「そもそも勝負って何するつもりなの?」
「ケーキ大食い対決! 今日、
おっ! 凄く女子高生っぽい!
思ったよりも可愛い対決になりそうなので、ほっこりしてしまった。
※※※
「私、この日のために昨日のご飯はあんまり食べなかったんだ~」
「あんまりってことはちゃんと食べたんだね……」
「うんっ!」
三人でケーキ屋さんに向かう途中、
そういえば昔もこんなことあったなぁ――。
●●●
「うぅ……もうお腹いっぱい」
「昨日ご飯抜いたとか言ってたくせにまだ二皿目じゃんか!」
「甘い物って自分で思ったよりも食べられないんだもん」
「おいおい」
「これ全部あなたが食べてよ~。私はお肉が食べたくなってきたよぉ」
「もうちょっと頑張れよ!」
●●●
懐かしいな。
そういえば、アイツともスイーツの食べ放題に行ったときがあった。
ダメだと思っていても、今の
「えへへへ」
「な、なんだよ急に笑って」
「
「顔?」
「凄く優しい顔してたよ」
「そう?」
「えへへへへ」
「左手はもう大丈夫?」
「もう平気だよ。テスト前には包帯取れてたし」
「この左手が私を助けてくれたんだもんね」
「二人ともぉおお! イチャついてるとこ悪いんだけど、絶対に私は負けないんだからね!」
「ふんっだ。私こそ
「そんなに冷たくしないでよぉお……」
メンタル崩壊中の
「ぷっ……!」
思わず笑いがこぼれてしまった。
よく考えると、
「
「いや仲いいんだなぁと思って」
「うん! けどそれとこれとは話が別だからね!」
※※※
一学期の中間テストから引き続く、
今回の勝負はケーキの食べ放題対決!
「……」
勝負は既に決着の様相を
「
「うぅ……。だって甘い物って自分で思ったよりも食べられないんだもん」
つまりケーキ一個と半分しか食べることができていない。前回に引き続き、ゴミのような成績を出していた。
「私もお腹いっぱい~」
これも食べ放題に来るような人の枚数じゃないと思う。
「お前たちと食べ放題にくるともったいないというはよく分かった」
俺もなんとか四皿。お店にとっては良い客だよなぁ俺たち。
「えへへへ~。
「うぐぐぐぐ」
威勢だけの
「あれ? 私が勝ったら
「何も決めてなかったわよ……」
「とりあえずもうデートの邪魔はしないって約束してくれる?」
「う゛ぅ」
ば、馬鹿野郎め……!
少しでもお前に期待した俺が馬鹿だったよ……。
「今度は二人きりで来ようね
「う、うん」
そう言って
「ねぇねぇ、
「そんなすぐ思い浮かばないって!」
「えへへへ。二人でやりたいこと全部できるといいなぁ」
幸せそうな顔をした
(とりあえず今日はこれでいっか)
このままこの関係にはしとくことはできないが、
……一人の犠牲者が出てしまったが。
「うぅ。次は絶対に負けないんだから」
実に小物っぽい台詞を
「はぁ。とりあえずもうお店出ようか」
「うん! 次はどこ行く?」
「うぅううう……」
※※※
「あれ?
お店から出ると、通りすがった一人の男性が俺たちの傍に近寄ってきた。
「あっ、叔父さん」
げげぇーーーー!
あの顔は老けてはいるが、前世の妻の兄貴!
つまり俺の義兄だった人物だ!
ある意味一番会いたくないやつに会ってしまった!
「えっ……?」
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