2店舗目

 次にセレェナとトレトーが追跡する女性はスーパーにたちよった。二人はまた正面のゲームセンターに入った。スーパー横の店に入ったニリィはまた、ここが男性向けファッションの店だと気づいた。サングラスやバッグなどがならんでいる。しかし、ニリィは怖くなかった。なぜなら彼女の”チャーム”は強力である。どんなごつい男も虜にして……。

「エ゛……」 

 レジをみるとそこには、ド派手な虹色のアフロヘア―のおばちゃんがいた。ガムをかんでいるのかくちゃくちゃしていて、サングラスからのぞく鋭利な瞳が店内をギョロギョロ見渡している。

「アタ、アタシ、ちょっとこわいかも~~??」

 めをぐるぐるまわしてへたりこむが、しかし、ふとめをみひらき、こぶしを握ると決意したように立ち上がり、レジへと向かった。

「おばさん!!!」

「ああ?」

「おねえさん!!!」

「おおう、あんだい?」


 リコは丁度そのころ、にこにこした様子で買い物を楽しんでいた。フランクフルトを食べながら、街をみながらあるいていると、ふと目をやった先、ゲームセンターで一人で遊んでいるセレェナをみつけた。

「おや?あれは……“姉御”モードかな?」

 手を振りながら

「おーい、セレェナ……」

 とよびかけようとしたがその勢いが徐々に小さくなっていく。セレェナはすぐゲーム筐体からとおざかり、あそびもせずにあちこちへ移動してまわっている。そして目線はある場所に固定されたままだ。正面の店、スーパーだ。

「はっ!!まさかあ!!」

 リコは思った。

(もしかして、好きな人が出来てストーキングしている!!)

 いや、と頭をふる。セレェナちゃんはそんな事はしない。

(悪魔を追っているのかな?見ていると傍にトレトーがいるように、彼を避けて動いているように見える、それにセレェナが訳もなく人を追うはずがない)

 ふと、胸をなでおろしたリコは、しかし徐々に怒りがわいてきた。

「ちょっとまって……今日は、勉強するからって私とのデートをことわっておいて、それに“トレトーちゃん”を独り占めなんで、ずるぃいいいい!!!」

 変な事で腹をたてながら、リコは、ある店にはいった。そこは、男物のバッグやサングラスなどの小物が売っている店だった。その店員が、何かと話をしているのだが、リコには姿がみえなかった?

「何やってるのかしら?」

 ふと、リコが、店員さんに近づき、生徒手帳を差し出していった。

「あの、私……ルカウス教のエクソシスト養成学校に通っている……」

 といいかけたところで、足元で声がした。

「いたい!何するのよこの女……クソ!!みてろ!!チャーム!!!」 










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