白い彼女
「もしもこの空に私の星座があったなら私は何をしたんだろう」
もう慣れた彼女の言動に真面目に考える。
「イチョウを踏み散らした座」
「なんかちがう」
「チョコおはぎを食べた座」
「お前実は星座というものを分かってないだろ」
「星がそれっぽい形に並んでる」
「ばか」
「でも実際そんな形には見えない」
「星座にはそれぞれ物語がついてるんだぞ、蠍に刺されて死んだとかクマにされたとか」
「血なまぐさい」
「でも実際そんな形に見えないように実際の話は違ったのかもしれないと私は思うのだよ」
僕は、彼女の事をよく知らないのかもしれない。たまにすごく納得させられたり考えさせられたりする。言わないけど。
「君ってたまに結構色々知ってるんだなとほんの一瞬思わなくもない」
「普段は馬鹿だと思ってるわけだな」
「違うよどうやら語弊があったみたいだけど僕の頭が悪いだけだろうから」
「それもそうだ」
「それに君ってちょっと星座って柄じゃないし」
「そういうお前は日本昔話って感じだな」
「なんだろう小学校2年の国語の時間を思い出した」
「私だって何かしらすれば星座になるかも」
「現代じゃもうないと思うよ。それに」
星座と言うには真っ白すぎて。
「星座と言うよりまだ神話だよ。態度の大きさとか」
「うへへへへへへ」
どうやら皮肉の部分は聞こえなかったらしい。
でもあまりにも嬉しそうに笑う彼女にちょっとだけ、心の声が読まれたんじゃないかと思ってしまったのは、内緒。
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