満月の夜に
夢か記憶か
それは、満月の夜だった。
蝶が きらきら 舞っていて
少女は すやすや 眠ってた。
ルーナ・ジェーナは、夢の中。
夢で、楽しく 笑ってた。
―――……
「ほら、似合う」
差し出された
ルーナ・ジェーナの頭に載せて
女神は優しく微笑んだ。
「似合うわ、ルーナ・ジェーナ。よく似合う」
「そんな! わたしより、女神さまのほうが……」
言いかけて止めた。
時が止まったかのように、
ルーナ・ジェーナの動きが止まる。
――え?! 今、わたし、なんて言ったの?
女神……さ、ま?
わたし、女神さまを知っている?
わたし、女神さまに 会ったことが あるの?
夢の中のルーナ・ジェーナが凍る。
目の前で微笑んでいたはずの女神の姿が消えている。
これは、夢……
ほんとうに 夢なのだろうか?
――……
空には 月が、
森には 夜が、
ルーナ・ジェーナの手には花が、
夢の中で摘んだ花が そのまま
静かに 静かに
そこに あった。
それは、満月の夜だった。
蝶が きらきら 舞っていて
少女は すやすや 眠ってた。
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