その障害ゆえに苦しむ人々へ……
華ノ月
私の気持ち
私は今、障がい者福祉の職員として仕事をしています。
こういった施設には発達障害や精神障害、知的障害、身体障碍の方がいるわけですが、今回は軽度知的障害に関することで、その方たちやそういった方を支援している人たちにメッセージとしてお伝えしたく、この事を書くことにしました。
これは私が実際に関わり、感じたことです。
私の職場には軽度知的の障害者の方が何人かいらっしゃるのですが、今回、ある作業でまとまったミスが出てきました。
私はその作業に関してミスが無いようにある工夫をしていたのでミスがまとまって出ることはまずありません。なので、その方に問いました。
「どうして、ミスを出してしまいましたか?」
そしたら、その方は戸惑ったように、困ったように、「分かりません」と言いました。本来、忘れただけであれば「あれ?」となるはずですが、その方は「しまった」というような顔をしたのです。
もしかしたら、その方はミスしたことの理由を問われるとは思っていなかったかもしれませんね。
ここからは私の推測になりますが、もしかしたら、分かっていてミスをしたのかな?と感じました。
これは、そういう方たちと関わって見えてきたことですが、その障害ゆえに周りから「出来ないから」というように言われたかもしれません。そして、そういう人たちは「じゃあ普通の人がどこまでできるのか?」を試したくなるのかもしれませんね。その心理は何となくですが分かる気がします。
普通の人たちができることが出来ないので、普通の人たちが何処までできるのかを試したくなるのかもしれません。
その障害の方たちも心に大きな苦しみを抱えています。「普通なら出来ることが出来ない」という辛さがあると思います。私は過去にもその障害でそういった方たちを見てきました。その障害だからこそ、試したくなるという思いがあるのかもしれないですね。
ですが、それはイコールその方の「苦しいんだ」というメッセージだと思います。過去にも私はその障害でやたら人の事を試したがる人と関わったことがあります。ですが、その時の方もその障害ゆえに苦しんでいました。
でも、この障害は人によってはとても頑張り屋さんだったりします。その障害ゆえに出来ないことは沢山あるかもしれませんが、だからこそ、頑張ろうと言う人も沢山います。
私が今回、こちらの話を書いたのは、そういう方の気持ちを分かって欲しいという想いからです。
人を試すことはよくありません。しかし、それは時によってその人の心の訴えでもあると思います。
そのミスを出した方もその障害ゆえに沢山の苦しみや辛さを抱えていると思います。だから、私はそういう方にも寄り添い、伝えたいと思っています。
「人を試すのではなく、自分のいいところに目を向けてください。人を試すことを続けていると、いい人が周りからどんどんと離れていってしまいます。あなたにはいいところも沢山あります。人を試したりして、自分のいいところが見えなくなってしまうのは私はとても勿体ないと思いますよ」
私はそう思っています。
この思いがそう言った方に届くかどうかは分かりませんが、居てもたってもいられなくなり、この事をメッセージという形で書きました。
その障害でも心が綺麗な方は沢山います。
とても素直な方も沢山います。
なので、そういった方を支援している方には「人を試す」ような場面があっても怒らずに、その方の心に寄り添っていただければと思います。
「大丈夫、あなたは十分素敵だよ!!」
その障害ゆえに苦しむ人々へ…… 華ノ月 @hananotuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます