丹羽HARUKI長秀@清須会議

第25話 新時代の始まり

　清洲会議の締めくくりと共に、新たな時代の息吹が城の周りを静かに包み込んでいた。窓から差し込む柔らかな光が、これまでとは異なる未来への希望を照らしていた。三法師を中心とした新体制の下、僕は宿老としての重要な役割を担うことになった。部屋から外を見つめながら、僕はこれからの自分の道をどう歩むべきか、深く思索していた。

　城の中を歩きながら、僕は各武将たちの表情に変化を感じ取っていた。彼らも新しい役割に就き、戦国の世を安定させるために新たな決意を固めていた。新しい時代への移行は、まるで長い夜明けを迎えるかのように、静かでありながらも確実だった。

　その日の午後、城の庭で再び羊男に出会った。彼は相変わらずの不思議な存在感を放っていた。「新しい時代、君の役割は大きい」と羊男は言い、その声には遠くから吹く風のような深みがあった。

　「でも、僕にはまだ何をすべきか、どう行動すべきか、はっきりとはわからないんだ」と僕は答えた。僕の言葉には、新しい道を探る旅人のような迷いが含まれていた。

　羊男は微笑みながら、「心の声に耳を傾けるんだ。それが君に正しい道を示してくれる」と言った。彼の言葉は、遠くの山から響く鐘の音のように、僕の心に深く響いた。

　「心の声か...」と僕は呟いた。夜空を見上げると、星々が輝いていた。それはまるで、僕のこれからの道を照らす光のようだった。僕は、羊男の言葉を胸に、新しい時代への一歩を踏み出す決意を固めた。

　夜が更に深まるにつれ、僕は静かに城を後にし、星空の下で新たな時代への希望と挑戦に思いを馳せた。これからの道は未知だが、僕はそれを歩む準備ができていた。新しい時代は僕たちの手で築かれるのだ、と心に誓いながら。