第13話 剣術の授業に出ようとしたら王子様がぼろぼろになって倒れ込んでいてピンク頭がその頭を胸に抱いていて切れました

そして、いきなり、選定会というか、フェリシー授業が始まったのだ。


「まずは礼からです。メラニーさん。見本を見せて下さい」

「はい」

メラニーは先生に返事すると私達の前で本当に綺麗な礼をしてくれた。


「凄い!」

私は思わず拍手していた。

残りの三人の白い視線が私に突き刺さるんだけど……


「敵に塩を送るなんて馬鹿じゃないの!」

ピンク頭なんて平然と悪態をついてくるんだけど。


「凄いものを凄いって言って何が悪いのよ」

私が言うと


「はい、そこいつまでも話していない。ではフランソワーズさん、やってみて下さい」

「はい」

私はフェリシー先生に注意されて、慌てて姿勢を正した。


そして、礼をしした。


「フランソワーズさん、もっと顎を引いて、両指を伸ばして、もう一度」

私は注意されてメラニーの姿を思いだして慌ててやり直した。


「まだまだ、もう一度」

「ぎゃはははは、全然出来ていないじゃん。公爵令嬢なのに」

私はピンク頭に言われてプッツン切れたんだど。


「じゃあ、ローズさん。あなたもやってみなさい」

フェリシー先生に注意されて


「ふんっ、見ておきなさいよ」

そう言ってやるピンク頭は私よりも不格好だった。

「全然なっていないではないですか。もっと背筋を伸ばして。フランソワーズさんも笑っておらずにやる」

笑っていた私は思わず姿勢を正してやり直したのだ。



もう、礼儀作法の授業は最悪だった。私とピンク頭は何度もやり直しをさせられた。

グレースもリアーヌも注意されてやり直しさせられていたけれど……


なんでこんなことをやらなければ行けないのだろうと私はつくづく嫌になったんだけど。



「でも、メラニーは本当にきれいね」

休憩時間に私が隣の席のメラニーを褒めた。


「いえ、慣れているだけです。フランソワーズ様こそ、剣術をされるからか、背筋はきちんと伸びていますし、慣れれば完璧になるはずです」

メラニーがかしこまって言ってくれるんだけど。


「私はフランよ。フランって呼んで」

「しかし、公爵令嬢様を愛称で呼ぶのは」

「良いのよ。私達まだ、たったの6才なのよ」

私はなんとか一人でも友達を作りたかった。


「しかし」

「しかしもクソもないわよ。フランって呼んで」

私の言葉にやっとメラニーが呼んでくれた。


「フラン様」

「様も取ってよ」

「それは無理です」

「メラニー。あなたは本当に大人びているわね。20才以上上に見えるんだけど」

一瞬メラニーはぎょっとした顔をしたが、慌てて首を振ると、


「そんな、フラン様が幼いだけです」

「なんかメラニーも言うことは言うんだ」

メラニーに言われて私が言うと

「申し訳ありません」

慌ててメラニーは謝るんだけど。


「もう、良いのよ。別に」

私は笑ってあげたんだけど。まあ、すぐに打ち解けるのは中々難しいみたいだった。



次は剣聖の授業だった。

私達は動きやすい格好に着替えて訓練場に来た。


なんか騎士たちが見学しているんだけど。


「おい、剣聖のデュポア様が剣を指導されるそうだぞ」

「いいなあ、俺も指導を受けたかった」

「でも、お妃様候補に剣術なんて必要あるのか」

「一番弟子のリアーヌ・ギャロワ侯爵令嬢も中におられるからだろう」

「それにルブラン公爵家のフランソワーズ様もいらっしゃるそうだぞ」

「あの『魔の森』から5歳の時に一人で生還されたっていうあれか」

「なんでも『魔の森』の主のフェンリルをペットに従えられたって言う」

「そんな子がいるんだ」

「なんでも、見た目はゴリラそっくりだそうだぞ」

「それは王子殿下も忌避されるはずだよな」

「でも、どこにそのゴリラ女がいるんだ」

「あれ、いないな」

私はそう言う騎士たちの後ろから思いっきり尻を叩いていた。


「痛い!」

「何しやがる」

騎士たちが私を怒ってみるがそんなの知ったことはない。


「誰がゴリラ女だって」

「えっ」

「貴方様は」

「私がフランソワーズ・ルブランよ」

私が叫ぶと


「「ええええ!」」

騎士たちは大声で驚いていた。


「嘘!」

「こんな小さい子が?」

「まさか」

「それにめちゃくちゃ可愛い」

「誰だよ。フランソワーズ様がゴリラ女だなんて言った奴は」

「正反対じゃんか」

騎士たちがなにか言っている。


「なんだったら燃やすわよ」

私が手に火の玉を出すと


「フランソワーズ、早く来い」

私は剣聖に呼ばれた。


「はい」

慌てて中に入る。


そんな私をリアーヌが鋭い視線で見ていたのを私は気づかなかった。


それよりも私は倒れているアドに気付いたのだ。


なんで第一王子のアドがぼろぼろになって倒れているんだ?


そして、そのアドにピンク頭らが抱きついていたんだど……

アドの顔にわざとピンク頭が自分の胸を押し付けているんだけど……


私のこめかみが何故かピキッと切れた瞬間だった。


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