第11話王子様の婚約者選定会が開かれることになりました

いつも私の話読んで頂いてありがとうございます。

『つぎラノ』のノミネート一覧見て、私の書籍が上から5番目にあるのに感動しています……https://tsugirano.jp/nominate2023/

それもこれも応援していただいた皆様のおかげです。

本当に感謝感激雨あられ(古い!)


今日も頑張って更新していきますのでよろしくお願いします!


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「陛下のおなりです」

侍従の声がしたので、私達は立ち上がった。一礼する。


「よく来てくれた」

陛下が私を見ておっしゃった。

陛下は私の真ん前に、シモーヌの前が王妃様でアリスの前がアドだった。


げっ、私の前が陛下なの……アドで良かったのに……位置取りを失敗した。

でも、シモーヌがこうしろって言ったからこうしたのに……

まあ、私はこちら側では一番若いというか子供だけど、一番偉いらしいから仕方がないのだけれど。


「しかし、変わった面々で来たの!」

陛下が私達を見渡して言われた。


「申し訳ありません。本来ですと、公爵夫妻が自ら来なければいけないのですが、領地を離れるわけにも参らず」

「いや、テオドールが来るとまた大変だからの。奴の娘の可愛がり方は常軌を逸しておる」

陛下が言うんだけど、確かに父には甘やかされているが、母は鬼だから均衡は取れているんだと思う……


「何かアドルフが勝手に公爵家に婚約を申し込みに行ったそうだが」

「父上。私は父上と母上の了承を頂きましたよね」

陛下の言葉にムッとしてアドが言うんだけど。


ええええ! もう国王夫妻が了承しているの!

私達は驚いた。


「しかし、そういう事はその後重臣たちに諮ってだな、正式に公爵の所に使者を差し向けねば」

「その前にフランソワーズ嬢の気持ちを確かめたかったのです。申し込んだ後で断られたら、それこそ目も当てられませんから」

アドは私を見て言ってくれた。

「しかし、アドルフ、王家の意向をさすがの公爵も無視しないでしょう」

王妃様が言うが、

「いや、アデライド。テオドールならやりかねん」

陛下まで言うんだけど。

まあ、確かに父の事だからやりかねないけれど……


「フランソワーズ嬢が賛成してくれたら公爵閣下も断れませんから」

アドが言って笑ってくれるんだけど、その笑いが腹黒く見えるのは私の気のせいだろうか?


「という事で、フランソワーズ嬢、是非とも私と婚約してほしい」

「「殿下!」」

そう言ってアドが手を伸ばすのをエリクとアリスで防いでくれたんだけど。

うーん、王子様に手を握られるっていうのも嬉しいかも……私はその時はまだ他人事だった。


「アドルフ、まだ、話は終わっておらんぞ」

「私は納得していませんからね」

なんか国王陛下と二人で言い合っているんだけど。


「お話と言うのは」

思わずシモーヌが聞いてくれていた。


「実はアドルフの婚約者にフランソワーズ嬢をと言う話をラクロワ公爵に話したらの。納得がいかないと公爵が言って来たのだ」

「ふんっ、お茶会の時にラクロワ公爵令嬢が私と話している時にフランソワーズ嬢が私を連れ出してくれたことを根に持っているんでしょう」

「そうじゃ。奴が言うには公平さを損なわれたというのじゃ」

まあ、確かにあの時は自分の姿絵がゴリラ女だと聞いたから、強引にアドを連れ出してアドの部屋でそれを見せてもらったのだ。グレースが話しているのを邪魔したと言われればそのとおりだ。


「ラクロワ公爵令嬢とはもう散々話したと思いますが」

アドがうんざりしたように言ってくれるけれど。


「公爵が言うには、アドルフの婚約者は未来の王妃にふさわしいかどうかで選ぶ必要があると」

陛下が話してくれた。


「陛下。それは我々のフランソワーズ嬢がアドルフ殿下の婚約者としてふさわしくないとおっしゃるのですか?」

気色ばんでシモーヌが言うんだけど。


「いや、我が王家はそうは思わないが、ラクロワ公爵が言うには、誰がふさわしいか、ぜひとも群臣に諮ってほしいと」

陛下が慌てて言い訳した。


「私の婚約者を決めるのに何故群臣に諮らなければならないのですか」

陛下の言葉にアドも食ってかかっていた。


「まあ、そう言うな。一応今回の話はテオドールも了承したのだ」

「えっ、父がですか?」

私は驚いて聞いた。いつ認めたのだ。朝はそんな事は言っていなかった。


「そうだ。先程魔導通信で連絡したら、テオドールもラクロワ公爵がそう言うなら受けて立つと」

「いや、ちょっと待って下さい。私の事なんですけど……」

なんでお父様が受けているのよ! 絶対にライバルのラクロワ公爵が挑発してそれに乗ったのに違いないのだ。


「そうです。父上、私の事でもあるんですけど」


しかし、結局私とアドの抗議は、両親がそれを認めたということで、あっさり却下され、翌週から2週間、第一王子殿下の婚約者決定会が開催されることになったのだ。







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