巨根と薬草

町の外まで出てエメリアちゃんと歩いている最中に今回採集する薬草の詳細を聞いた。


なんでもクパァ草という麻痺毒を解毒するための素材になるらしい。素材というのはそれ単体では口に入れても嚥下しにくいらしくそれを何とかとかいうポーションに混ぜて経口摂取するらしい。

日光が当たりすぎると成長が難しいらしく、森の湖の近くという日光を避けて湿度の高い気候が必要で、他の雑草との見分けも難しいという地理と薬草の知識が必要な一品とのこと。


そういう経緯もありこの薬草採集の依頼は他の薬草採集と比べて報酬が高いらしい。


まったくもってエメリアちゃんには感謝しかない。

こういう知識で助けてくれる女性っていいよな。


森に関しても比較的町から近く町を出て三十分ほど歩くと森の入り口まで到着した。


「ここがその森なんですね。結構小さいんですか?」


かなり背の高い木々に覆われており確かに日光が地面に届きにくい。森自体はそこまで大きくなく木々の並びは左右に見て恐らく百メートルくらい、奥にどれくらい広く続いているのかは分からないがかなりこじんまりしている感じだ。


「そうですね。この森は中心に湖があってそれに沿って木が生い茂ってるんですよ。王都も近いから魔物がここに巣を作ってもすぐに討伐されちゃうみたいでなかなか近寄らなくなっちゃったみたいです。」


なるほど。

本当にこの装備で大丈夫か少し不安があったけどそれなら大丈夫そうだ。


早速といった感じでエメリアちゃんが森の中へ入っていく。

中に入ると虫の鳴き声と木の葉が擦れてざわめくくらいの音しか聞こえない。こんな音の世界に入ったのは小学生のころ、田舎のじいちゃんに連れられて近くの山に登った以来かもしれないな。

久々に感じたこの感覚、当時は何とも思ってなかったけど四十歳という年齢で入ると色々と気づくことや感じることもあってなんだか心が満たされる気持ちになる。


青姦したいなぁ。


大自然の中でセックスとか絶対気持ちいい。


そんなことを考えているとエメリアちゃんが唐突にしゃがみこんで地面を眺めてはじめた。


「これ、このハーブが欲しかったんですよ。」


見るとそこには青い光を放つ草が生えていた。不思議なことに草自体は緑色なのだが光は青い。異世界感が半端ない草だ。


「綺麗なハーブですね。」


「このハーブ、非常に栽培が難しくて湿度と日光、後は綺麗な水の周りにしか生えないんですけど、それ以上に流水じゃないと成長しないんですよね。」


わさびみたいな奴だな。


「だけどその分、とても美味しいんですよ。なんていうか風味が独特なんですよね。好みが分かれるような人を選ぶ味なんですけど私はこれが大好きで。」


「なるほど、それは私も一度試しに飲んでみたいです。」


「ぜひぜひ!私の周りにはこれを好きっていう人があまりいなくてちょっと寂しかったんですよ。」


飲むわ。ごくごく飲むわ。

エメリアちゃんとお茶トークで盛り上がってそのままセックスだわ。


いくつかそのハーブを採集してエメリアちゃんは立ち上がった。


クパァ草の採集は森の中心に進むにつれて増えてきてそれを革袋をパンパンに採集して終わった。


エメリアちゃんの可愛い一面をまた一つ見つけることになったブサメンの初仕事はなんなく終わってしまった。


二人でさっき来た道を歩いて町に戻っているとなにやら街道近辺が騒がしいことに気づいた。


冒険者らしき人たちが街道を中心にきょろきょろうろうろしていらっしゃる。

恐らく何か探しているような雰囲気だ。


鞘から剣を抜いて手に持っていたりするからちょっと怖い。


「何かあったんですかね。」


エメリアちゃんに問いかけるも


「ん~、ちょっとわかんないですね。あの感じだと魔物討伐でみなさん動いているんでしょうけど、この辺りにこんなに大人数で討伐をするようなおそろしい魔物が出るなんて聞いたことないです。」


ざっと周囲を見てみるとおよそ三十人くらいの冒険者さんたちがいらっしゃる。


「スズキさん、私たちは武器とか持ってないですし防具みたいなものは何も身につけてないですから早く王都に戻ったほうがいいかもしれません。」


「そうですね。」


ブサメンとえめりあちゃんは足早に町へ戻ることにした。

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