巨根、レベルアップする
思えば長い道のりだった。
以前の世界に生を受けて四十年、幼稚園の頃、俺と結婚するって言ってくれたサチちゃんは今頃何してるんだろうか。
小学校高学年以降、女子と会話したことなんて連絡、報告のみである。会話でもないな。童貞はそれだけで嬉しくなったりするから質が悪い。思春期の頃なんてその程度のやり時だけでその子の事を好きになったり、「もしかしてあの娘、俺のこと好きなんじゃね?」とか勘違いしていた。
社会人になってからも同期の男が営業部のササキさんとデートしただとか〇〇さんとやったらしいとかの話は聞くものの、自身がその類の話を発信したことなど一度たりともなかった。
どれだけ仕事を頑張っても、どれだけまじめに生きてても女性というのは俺と隔絶された世界に生きる生き物だった。
エメリアちゃん、マジでかわいい。
ちんこが爆発しそうである。
「あ、それじゃあ私ちょっとシャワーを浴びてきてもいいですか?」
キタキタキタ!!!
「あ、はい、どうぞ。」
「ありがとうございます。適当にくつろいでてくださいね。」
「あ、はい、ありがとうございます。」
これはシャワーに突入したほうがいいのか。いやいや、それはデートを何度か重ねてお互いの事を理解したカップルがするプレイだ。童貞にはハードルが高すぎる。
先走る生命を滲み出す愚息が遂に限界を迎えそうである。
落ち着け、もうちょっとお前が初めてその存在意義を証明する機会に恵まれるのだ。スタート地点でフライングで失格になるような真似だけは決してするなよ。
落ち着いて行動だ。
こういう時こそ落ち着いた大人の男性を演じるのだ。
ふと、部屋の中を見渡すとドレッサーがあることに気づいた。
そういえばこっちの世界にやってきて未だに鏡を見る機会が無かったな。さてさて、どういう外見になっていんだろう。ちんこがこれだけ様変わりをしているのだから顔もきっと変わっていることだろう。神様がセックスしやすいステータスにしたって言ってくれたしな。
現実はいつも残酷だった。今回も残酷だった。
鏡に映った顔は旧知の仲である。毎朝顔を洗う時、トイレで手を洗う時、風呂に入っている時に毎回遭遇するブサメンがそこにはいた。
生え際くらい修正してくれてもいいんじゃないの?
鏡に近づいて自分の残念な顔面を見ていると鏡の中の自分の尻が青白く光っていることに気づいた。
振り返って自分の尻を見てみるとポケットの中が光っている。さっき冒険者ギルドで受け取ったカードだ。
ステータスカードが光っている。光っているのだが文字が読めない。何か文字の変更があったのか何なのか。
うんうん唸っているとまたしてもなんかピコンって頭の中に音が鳴る。
それと同時に裏面が文字が浮き出てきた。よくわかんないけどその文字をそれを触ってみる。
するとプシャーって音が頭の中に響いた。
おう、なるほど。
ステータスカードに書かれている文字が読めるようになったじゃん。
そこに書かれていた内容はさっき冒険者ギルドで教えてもらったものと違った。
名前:スズキ
ジョブ:巨根(ユニークジョブ)
Lv.5
HP:105,600/105,600
MP:20/20
攻撃力:22
防御力:30
体力:150,000
魔力:30
魔法防御力:40
かっこよさ:5
運:3
なんかレベルが上がってる。
もしかしたらさっきのレイプ男を倒したからなのか、まぁレベル1だったしレイプ男のレベルがいくつだったのかわからないけどやっぱり格上の人だったんだろうな。
意外なことにHPと体力が一切変化がない。もしかしたらカンストしてるのだろうか。ゲームだと途中に出てくるちょっとの間だけ行動を共にする仲間NPCがレベル上限があったりステータスが変わらなかったりするけど、その類なのかな。だとしたら初期ステータスでカンストしてるとかもあるのか。
裏面を見てみるとそこには
<スキル一覧>
速射Lv.1
読解力Lv.1
習得可能スキル
鑑定(ユニークスキル)
スキルポイント:36
と書かれている。
なるほど、さっき浮かび出た文字は読解力のスキルを指すものだったのか。
さっきはステータスカードを見てて必要になったからピコンってなったのか。
鑑定ってなんだろ。
まぁスキルポイントも貯まってるし習得してみるか。
タップしてプシャー。
<スキル一覧>
速射Lv.1
読解力Lv.1
鑑定(ユニークスキル)Lv.1
習得可能スキル
スキルポイント:26
おう・・・。特段何か変わったことはないな。
何かアイテムを見てみたら表示されるのか。
不可思議なことにドレッサーを見てもテーブルを見ても何もわからない。
なんじゃこりゃ。
他にも何かあるのかと思い、部屋の中を色々と見てみたけど何もわからない。
鑑定の仕方が違うのか、何か特定のものだけを鑑定するのか。鑑定のスキルレベルが低いから何もわからないのか。
分からないことが分からない。
そもそも鑑定がユニークスキルってどういう事だ。
うんうんと唸っているとバスルームのドアが開いた。
エメリアは既に着替えておりラフな部屋着で戻ってきた。ドライヤーの類も無いのだろう濡れた髪の毛がセクシーすぎる。
名前:エメリア
ジョブ:ハーブ店アルバイト
Lv.12(非処女)
HP:47/47
MP:16/16
攻撃力:10
防御力:15
体力:23
魔力:12
魔法防御力:12
美しさ:45
運:62
鑑定ってそういう事か。
って言うか非処女かー。
そりゃそっかー。そうだよなぁ、これだけ可愛いんだもんなぁ。地元で膜を喪失したのだろうか。こっちで一人暮らしになってから華々しく散らしたのか。いずれにしても俺より経験者だな。
「すみません、お待たせいたしました。どうぞ狭いですがお風呂使ってください。」
「あ、何から何までありがとうございます。それではお風呂いただきます。」
落ち込んだものもまだこれだからだ。貫通済みだからなんだというのだ。彼女は俺にとって初めてのまんこだ。さっき見たまんこは未だ瞼に焼き付いている。穴が子宮まで貫通しているかどうかなんて挿入してもどうせ分からないだろ。お前は贅沢言える立場か。何より今から美少女が入ったお風呂に突入することが出来るんだぞ。バスタブいっぱい飲み干してやる。口からだけじゃなく鼻からも飲み込んで風味を百二十パーセント堪能してやる。
バスルームに入り服を脱ぐ。おっさんにもらった服なんて今となってはズボンとパンツだけだ。ビジネスホテルと同様にこの部屋のバスルームはトイレと風呂が一緒になったユニットバスだ。トイレと風呂はカーテンで遮られている。
パンツとズボンを洗面台の上のラックに置いて女の子のお風呂に突入である。
カーテン!オープン!!!
おっふ・・・・。
お湯抜かれてるじゃん・・・。
そう言えばさっきずっとーシャワーの音が聞こえてたな。シャワーを浴びてただけなのか。
くそ、こうなったら落ちてる髪の毛食べるか。
髪の毛どころか、陰毛の気配すら無い・・・・。
シャワー浴びた後掃除したのか。
エメリアちゃん、そりゃないぜ。
排水溝も考えたがそれだけは超えちゃいけない一線だと思い踏みとどまった。
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