第83話 合流・・・悲惨な状態

 例の方法成層圏まで上昇、目標のインディアナ大陸目指し自由落下する。


 適当な高度からピーターの導き、全速力でインディアナ大陸北部巨大な魔素溜まりポイントを目指した。


「見えました」

 ピーターの指差す方向に、イリスとツミヒが手を振っている姿が見えた。


 降り立った所は野戦病院の様に、瀕死のインディアンが所狭しと寝かされて居た。


 ※ネイティブ・アメリカンと、白人の思いよがりで決めて居るが、アメリカ大陸原住民はこの呼称を歓迎して居ない。

「アメリカ・インディアン」も「ネイティブ・アメリカン」も、両方とも、様々なインディアンの民族の違いをぼかすので使用を避け、各部族名を使うべきである。

 との意見がアメリカ大陸原住民から起こって居る。


 アメリカ大陸名が存在しない世界、作者は、あえてコロンブスが、発見した大陸をインドと勘違いしてインド人(インディアン)と呼んだ、インディアンを呼称します。



「イノマ様、最初にこの少年ショタを助けてやって!」

 ※『ショタ』はスー族の言葉で『煙』を意味する、決して正太郎少年の事では有りません、と言っても「ショタ」の語源を知らない人が多くなった今、この注訳は意味が無いかも。


 少年は右腕を肩から食い千切られて、傷口を圧迫止血しているが出血が止まらず危険な状態だ。

「ピーター!」


 ピーターは少年に触れ、回復治療を始めた。

 ショタ少年腕は瞬時に生えた。

 怪我人の介護をしていた、スー族の男女が見て驚いて居た。


「飲む事が出来る者には、この治療薬を渡してくれ!」

 収納からピーター特製回復薬を出して、スー族介護人達に渡した。


 瀕死状態の者はピーターが治療して回った。


「これは酷い!」

 顔が潰れ下半身が食い切られ、殆ど死体の様な若い女性が居た。

「ウイン!オフィティカ・ウイン!!」

 母親か?老婆がすがり付いて娘の名前を叫んでる。


 ※因に『オフィティカ・ウイン』はスー族女性の名で(勇気ある女)と言う意味が有る。

 ウザイかも知れませんが、苦労して調べたのでチョッと語らせて下さい。

 インディアン各種族共通で、強い動物、自然現象、勇猛な本人の特徴にまつわる事を名前にしていた。


 ピーターが触れて、再生治療を行うと死体の様なオフィティカ・ウインが完全回復した。


 赤く上気した様な皮膚の美しい少女だった。


 回復治療が間に合わず、十数人の埋葬を行っている。

 祈祷が終わり種族長タタンカ・イヨタケ(西部開拓史に残る英語名シッティング・ブル勇猛果敢に戦う大酋長である)が感謝の意を表した。


「異世界の主神様に、命を救われた我らは以後イノマ女神様を崇め祭る事を近います!!」


 崇められついで、ショタとウインに超人養成ギブスを装着、二人に電磁ソートを授けた。

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