第2話 ハンエイ孤児院【1】

 私は街道をなぜか裸で歩いている処を、商隊に保護されハンエイ町の孤児院に預けられました。

「イノマちゃん私はマリナ、院長だけどお母さんと呼んでね」

「マリナ母さん?」


 マリナ母さんが言うには私は7歳らしい、孤児院では下働きが出来る年齢12歳までの5年置いてくれるって、マリナ母さんが掃除の遣り方や洗濯の遣り方を教えてくれて、早速掃除に洗濯始めました。


 院内の子供達は私と同じくらいかもっと小さい子供が7人居ます、でも私はマリナ母さんとしか話が出来ません。

 だって、他のガキども隙を見せると私のご飯を取って食べようとしたり、掃除や洗濯の仕事をサボって私に押し付け様とするの。


 ガキどもは甘ったれだよ!12歳で孤児院を出て自活しないといけない決まり、住む場所も食べる物も与えられてる、今の内に何でも出来る様になる為、頑張るのが当然なのに。




「今朝もやってる!私も棒切れ持って真似をしよう!!」

 毎朝私が洗濯物干して居ると、隣の兵舎の若い兵士が二人剣を振ってる



「嬢ちゃん、剣術教えてやろうか?」

 ある朝剣を振ってるお兄さんが、私に声を掛けて来ました。

「お願いします!12歳になったら冒険者登録するので、剣が使えたら有利なの!」

「そうか、偉いな!ゴブリン程度倒せる様に仕込んでやる!頑張って覚えろ」



 そんな感じで、親切なモノさんに3年剣術を指導してもらいました。

「頑張ったご褒美!嬢ちゃんにこのナイフやる!」

「わっ!ありがとうございます!」

 ごつい実用的な40㎝のナイフをもらいました。



 私は武器が手に入ったので、マリナ母さんには内緒でたきぎ拾いに森に行く事にします、薪拾いは口実で、薬草採取のためです。


 堂々と門を出ようとしたが、やっぱ門番さんに呼び止められました。

「嬢ちゃん?モノさんと毎朝剣の稽古してる子だな?」

「はい!孤児院の薪倹約の為、薪拾いに森に行きます」

「薪拾いか・・・迷いの森の奥には入るなよ!」

「はい!危険な事はしません」



「おい、あんな子供一人で行かせて大丈夫か?」

「モノさんと剣術訓練してるの見たか?あんな小さな女の子だが、結構強いぞ」



 門番さん二人が何か話て居ますが、私には関係無い事でしょう、気にせず迷いの森に向け走りました。




「薬草・・・見付けられない、もっと奥に入らないと無いみたい」

 薪は直ぐに持てないくらいイッパイ拾えました。


「・・・これ薬草だ!」

 ついに薬草の群生地見付けました。

 10本の束5つ出来て袋に仕舞っていると、やっと出てきた!


「ゴブリン!覚悟しろ!!」

 モノさんに教えて貰った、背の低い私はナイフで素早くゴブリンの脚を切り裂き、倒れた所で首を切り裂く!


「ゴブリン魔石ぃ♪銅貨5枚♪」


 調子に乗ってゴブリン3匹倒して仕舞いました。

「銀貨1枚銅貨5枚だけど、冒険者ギルドで買い取ってくれる?ダメ元で行くだけ行ってみる!」




「遅いから心配してた!」

 門番さんに言われました。

 「ゴブリンに襲われて、倒して居たらこんな時間になってました」

「ゴブリンを倒したのか!嬢ちゃんは強いな」

「3匹だから問題無く倒せたよ」

「・・・」「嬢ちゃん10歳くらいだろ?凄過ぎるぞ!」



 ダメ元、ギルドの受付お姉さんに聞きました。

「私、冒険者登録して無いですが、薬草採取してたらゴブリン3匹に襲われ倒して、魔石持って来ました、薬草と魔石安くて良いので買い取って貰えます?」


 受付のヨミは困った、受付主任に相談しようと思ったが、さっきまで居た主任何処にも見えない。


 女の子を連れて、ギルドマスターに相談しました。


「儂はギルドマスターのギュンタだ、嬢ちゃんは何歳だ?」

「孤児院のイノマ10歳です」


 私の年を聞いて、ギルドマスターは眉間にしわを寄せて考え込みました。



「初級見習いのギルドカード発行してやる!そのカードで買い取りして貰え」


 ギュンタさんの好意、私だけの特別処置の初級見習いカードは、4本線のウッドカードでした。

 薬草10本が銀貨1枚、50本で銀貨5枚にゴブリン魔石3個が銀貨1枚銅貨5枚、たった1日で銀貨6枚銅貨5枚に成りました。

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