第63話 人形峠の大蜘蛛

 宮内庁役人の弁解がウザイ、私達は人形峠のウラン鉱石の消滅を口実に京都御所を抜け出した。

「イノマ大女王様!私もお供させて下さい!」

「佳子・・・良いだろう!この自在車に乗れ、ゴン子運転は任せた!」


 私にピーターは、イリス達と飛ぶ事にした。


 私の自力初飛行、ふわふわ飛ぶのかと思えば凄い速度の自在車より早く飛べた。

 ピーターと二人先行、イリス達も速いが私とピーターはけた違いに速く飛んでる。

 万能妖精のピーターは、人形峠の情報を持って居た。




 後続のイリスやツミヒ達に自在車も全く見えなくなった。


 高速飛行でも呼吸は苦しく無い「本当私って完全に人外、化け物だね」

「イノマ様が本気に成れば、地球の神より能力は上です、勿論カンゲイ神より遥かに高能力ですよ・・・!あそこにウラン鉱石の鉱脈が有ります!」


「道も無い山の中だね、あそこの空き地に降りるぞ!」

「イノマ様、了解・・・注意して下さい!魔物が居る気配がします!!」



 私が降下すると、見上げる様な巨大な蜘蛛が現れ、手足を広げべたっと地に伏せ服従を表現している素振り。


「済まん大蜘蛛、私は妖怪を統べるイノマ大女王だ!お前の住まい周辺のウラン鉱石を消滅させる為、やって来た」

「イノマ大女王サマ、ワシハウラン?ヲ食ッテ居ル、食ベ物ヲ消サレテハ困ルゾ」


「ウラン鉱石は毒だぞ?食って大丈夫か?」



 大蜘蛛はモゾモゾ動いて、茶色っぽい石をガリガリ食って居る。

「イノマ様、この大蜘蛛、食ったウラン鉱石を魔素に変えてます」

「ん?・・・成る程・・・核物質をこうやれば魔素に変換出来るのか!!蜘蛛君、大手柄だ!!」

「イノマ大女王サマ、ワシハメスナノジャガ・・・」

「女か?ではウランちゃん、大手柄だ!!ウラン鉱石をガリガリ食わんでも、食べ易い魔素を造ってやる!」


「ウランチャン?嬉シイ!名前初メテ着ケテ貰エタ!!」

 ウランちゃんを私の命名で契約した結果になり、上半身が女性下半身が蜘蛛に変形した。


「イノマ大女王様、契約成立!ウランを配下にして下され!」

「ウラン鉱石を変質させる実演の功績で、ウランを配下に認める!が、小さくはなれんのか?巨大なままでは着いて来るの不便だぞ」


「・・・これ位で良いか?」

 ウランは170㎝まで小さくなったが、自在車には入れそうに無い。


「ウラン鉱石を魔素に変えてから考える」


 ウランが鉱石を魔素に変えたのを再現してみた。

 辺り一面が目を開けて居られ無いくらい発光し、発光がおさまってピーターに確認させた。

「イノマ様、魔力溜まりがダンジョン化してます!どの様なダンジョンにするか、方向付けして下さい!」


「一階はスライムでアイテムは塩、二階はコボルトでアイテムは砂糖、三階はゴブリンでアイテムはハチミツ、四階はホーンラビでアイテムはコショウ、五階はワーウルフでアイテムはカレールウ・・・」

「ダンジョンは5階層まで、その構想で定着しました!!イノマ様はついにダンジョンを創造されました!!」


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