第61話 悪事千里を走るが良事は遅延する

 ドイツ空軍爆撃機搭乗員全員の、正気で無くなった原因は大量殺戮の重圧からと判断し、口封じのため全員拘留し秘かに処刑する事に決まった。

 イギリス空軍爆撃機搭乗員にも同じ様な症状が現れて、誤爆の責任を取らせ全員処刑された。


 ドイツ核爆弾開発研究者達は、誤爆は残念だったが、核爆弾の威力に歓喜した。

 殖民地都市の一つ程度の壊滅は問題にはならない、代わりになる都市は多数有る、イギリスも同じ様な受け取り方だった。

 ドイツ本国では、誤爆しない様に人が運び爆撃するのでは無く、大陸間弾道たいりくかんだんどう自走爆弾の開発を急いだ。

 自走爆弾が完成すれば、日本ジパンは手に入る!イギリス、ドイツは、自国の不人気に気付いて居ない事が大きな誤算だった。



 イギリスにドイツは自国の恥じ、誤爆被害をひた隠しにして居たが、殖民地にはヨーロッパ諸国の諜報員が多数常駐し諜報活動を頻繁に行って居た、二大都市の消滅と言う大事件の情報は、何処からでも漏れるもの、瞬く間にヨーロッパ諸国の知る事となった。

 三大殖民地主義国家イギリス、フランス、ドイツが、ヨーロッパ連合を支配している現状をこころよく思って居なかった諸国が、元々あまり意味の無かったヨーロッパ連合から脱退の声が上がり出し、瞬く間にヨーロッパ連合は瓦解がかいした。


 ヨーロッパ連合の瓦解がかい後イギリス、フランス、ドイツは3国同盟を結び、殖民地支配を強化した。


 妖怪王国日本の防衛力に迎撃力は世界髄一と予想され、トルコが一番に声を挙げた。

「我がトルコ国は、異世界の大女王イノマ様と同盟を結ぶべく、使節団を日本に送る決意を表明する」


 ※過去の経緯いきさつから、トルコは日本に親近感を持ってる国だ、トルコ神話では、フン族の支配からゲルマン民族の大移動、東に移動した者が日本に、西に移動した者がトルコに、元々トルコと日本は一族だったと信じられて居たそうだ。


 イタリア、オランダ、ギリシャ、ポーランド、ベルギーもイノマ大女王と同盟を結ぶべく次々表明した。



 現在日本は鎖国中で国交が無い、ジェップ・エルド大統領は日本が全世界に向けて放映した逆を考え、トルコ国営放映を世界に向けて発信した。


「妖怪王国日本の、大女王イノマ様!私はトルコ国大統領、ジェップ・エルドで有ります!異世界の大女王イノマ様と同盟を結びたく会見を希望します!お返事頂けるまで放映を続けます!」


 ※疑問に思う方の為、補足説明します。

 この異世界では、過去バベルの塔は建設されず、神は言葉の乱れ操作を行って居ない設定です。




「イノマ様トルコ国の大統領が、会見したいと呼び掛けて居ります」

 役人が報告して来た。

「イリス、トルコと言う国はどんな国だ?」

「ここと違う日本で、トルコは日本に親近感を持ってくれてる国だった」


「返事をする、放映送信準備はいつ出来る?」


 ここで問題発生、宮内庁が『妖怪王国日本を代表するお方は、藤宮神皇様で、返答放映送信は宮様が行うべき事!』とのクレームが入った。

 宮様は辞退してるのに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る