第60話 日本へ爆撃のはずが

 テレビカメラが一斉にこちらを向いた。


「え?佳子さん?超人化して貰えなかった?」

「お父様、無事超人仲間にして頂きました!」


 京都御所の広場に出て成果確認、私の本気走行に佳子は付いて来た。

 仕上げに5m浮かび上がり。

「全力で飛び上がれ!」

 佳子は平気で私を上回るジャンプを見せた。


 見物して居た、藤宮神皇ふじのみやしんのうや宮内衛兵達が拍手してた。




 ◈◈◈



 イギリス殖民地チャイナ首都ペキンに、ヨーロッパ連合イギリス領統治責任者とフランス領統治責任者、ドイツ領統治責任者の3者が集まり緊急会議が行われた。


「信じられん事だが、20艘の艦隊が一瞬で消滅した!」

「黄色い半妖どもが、まさかこれ程手強いとは、いささか侮って居った!」

「本国からの連絡で、ヨーロッパ諸国に放映され、我々を揶揄やゆする声が上がって居るそうだ」


「我がドイツ本土から、新型爆弾が2発届いた!核融合反応を利用した恐ろしい威力の爆弾だ!爆撃機に搭載し黄色い半妖の首都に落としてやれと指示を貰った」


「1発我がイギリス空軍に譲って貰えるか?京都第1首都に落として威力確認させてくれ」

「では我がドイツ空軍は東都とうと第2首都に落として威力確認する」



 2日後イギリス空軍爆撃機は、チャイナ半島(朝鮮半島)から飛び立つ事になった。

 同じく2日後ドイツ空軍爆撃機は、ウラジオストクから飛び立つ事になった。



 イギリス空軍の大型爆撃機は、チャイナ半島を飛び立ち京都第1首都に向かった。


 同時刻ドイツ空軍爆撃機はウラジオストクを飛び立ち、東都第2首都に向かった。



「こちらイエローシャットダウンワン、日本ジパン上空に入った」


「こちらイエローシャットダウンツウ、間も無く日本ジパン上空だ」



 ◈◈◈



 京都御所にぬらりひょんが、ヌラリひょんとやって来た。

「イノマ大女王様!領空侵犯の大型飛行機が飛来して居りますじゃ」


「大型飛行機・・・嫌な予感がして居ったが、そいつらの事だったか」


「京都第1首都に向かって居るのと、東都とうと第2首都に向かって居る飛行機にカラス天狗を向かわせもうした」

「カラス天狗?」

「儂と同じで、カラス天狗も認識障害を与えますじゃ」




 ◈◈◈



 京都第1首都に向かうイギリス空軍爆撃機にカラス天狗3羽が取り付いた。

「私達は、こんな所を飛んで居る場合では無い!進路変更せねば!」



 同時刻、東都第2首都に向かうドイツ空軍爆撃機にカラス天狗が3羽取り付いた。

「私達は、こんな所を飛んで居る場合では無い!進路変更せねば」


 認識障害を起こしたイギリス空軍爆撃機搭乗員はペキンを目指した。


 認識障害を起こしたドイツ空軍爆撃機搭乗員は、モスクワを目指した。




「「核爆弾投下!!」」

 ペキンとモスクワ同時にキノコ雲が涌き立ち、二つの都市が炎上し消滅した。

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