第44話 山本五郎左衛門を配下に
地下に降りるとマリンの情報通り三目入道が行く手を塞いだ。
「我はイノマ!妖怪の大女王なり!!妖怪魔王の封印を解く為に参った!押し通る!!」
私は最大威圧を込めて三目入道に言った。
私の威圧に負け姿が変わった、三目入道も正体はタヌキだった。
後ろでマリンが米の俵と言うのか?藁で作った大きな包みを貰ってる。
あの包みが米60㎏か、あれだけで河原の全員に腹一杯カレェゾ食わせてやれる。
気が緩んだ?『ポンポコドコドン』と聞こえた様な、聞こえた方向に最大威圧を送ると、音は聞こえなくなった。
威圧は疲れるが、耳栓してるよりダンジョン内を進み易い。
三目入道も邪魔をしなくなり、私達は階段を降りた。
(いよいよ、サンモトゴロウザエモンとご対面か)
三目小僧より小さい小僧が現れた。
「お前が高坊主か?」
高坊主は無言で、巨大になり踏み潰そうとして来た。
※
私は再び最大威圧を込めて。
「我はイノマ!妖怪の大女王なり!!妖怪魔王の封印を解く為に参った!邪魔は不要!押し通る!!」
高坊主も私の威圧で、タヌキに姿が変わった。
邪魔が無くなり、私達は奥に進んだ。
ダンジョン最奥突き当たりの壁に、青白く光る大玉が埋って居た。
「さて、どう声掛けするか?」
『そこな現れし、人外の気を放出せし一行、妖怪の大女王イノマ殿、我は百鬼夜行の総大将、妖怪魔王成り!!我の封印を解く成れば、我は妖怪大女王イノマ殿の配下に成るも
よし!遣るぞ!!
「我が名は妖怪大女王、イノマ・コウシン成り!サンモトゴロウザエモン!真名契約を結ばん!!」
『妖怪大女王イノマ・コウシン、侮って居った!我が真名を知って居ったとは!!我の封印を解きしイノマ・コウシン様!我を配下の一員に受け入れたまえ!!』
封印玉が弾け跳び、
「サンモトゴロウザエモン、配下として以後魔王と呼ぶ」
「配下の許し有り難き幸せ!許されるなら、我はエモンと呼ばれたし!」
「エモンと呼ぶ」
私がエモンと呼ぶと、オドロオドロした容姿のサンモトゴロウザエモンは、おかっぱの童『座敷わらし』に姿を変えた。
「イノマ様、大女王一行に相応しい姿と我は思うが、如何に?」
「あぁ可愛くなって私の一行に参加しても違和感の無い姿になった」
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