第47話 妖怪の伝承

「ほっほイノマ大女王様」

「呼ばずに現れるのは珍しいな、キジ族長」

「イノマ大女王様が言われるダンジョンに付いて旧い伝承が有るのを忘れて居った、思い出したので知らせに来た。

 無数に有るダンジョンの何処かに、古代神、今のカンゲイ神の前に世界を管理して居った神が、異世界の妖怪の総大将をダンジョンマスターとして、封印したとの伝承だ」


「異世界妖怪?総大将って?」

「異世界で、妖怪を支配して居った狂暴な妖怪魔王で、古代神も滅ぼす事が出来ず封印したそうだ。妖怪魔王の真名は、サンモトとしか伝わって居らん、サンモトの後に長く続く名が有るそうだが、真名?本名でダンジョンマスターの封印が解けるそうだ!なので伝えなんだようだ」


「ピーター、どう思う?」

「ダンジョンマスターもダンジョン妖精の様な者と思います、妖怪魔王との事で真名契約以外では契約出来ず、襲い掛かると予想出来ます」

「サンモトでは契約出来ん?面白そうだね!明日はダンジョンマスターが居そうな、高難易度ダンジョン探しするよ」




 北ダンジョン群から、仲間8人で手分けして高難易度ダンジョンを探した。

 北山脈の点在するダンジョンは20有ったが、ハズレで全て『置いてけ』ダンジョンだった。

 アイテムは肉が多く、燻製肉に美味しい干し肉、多種多様の生肉も多かった。

馬鹿うましかが呼吸忘れで死ぬのを待つより、ダンジョンアイテムで充分食をおぎなえるな」

「顔無しからカレールウも大量に仕入れたよ」

「カレェゾ作りたいけど、お米がイノマ大陸で見付かって居ない」


「次の南ダンジョン群のアイテムで豆や穀物だったら良いね」


 全員転移の腕を装備してる、次は南山脈のダンジョン群探索に向かった。


「適当な一つのダンジョンに、全員で入って傾向を調べる」


 見付けたダンジョンは、欲しかった精米された白米がアイテムだった。

「この小袋(200g入り)中は米だ!」

 カンゲイ神様が運を極限まで上げてくれてるから、私、幸運だけは自信が有るよ。

「ピーター、さっき倒した妖怪は何て名だ?」

「ムジナです」

「ムジナはお米を落とす!」


 地下二階も同じ様な弱い妖怪が、米の中袋(2㎏入り)を落とした。

「ピーター、この妖怪は?」

「化けタヌキです」


「ムジナと化けタヌキ区別がつかないよ」


 ※実際ムジナを見てタヌキと区別出来る人は少ないだろう、穴熊ムジナはタヌキより顔が長く、穴堀に適した長い爪が生えた手を持って居る。



 辺りに「ポンポコドコドン」軽快な音が響た。

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