第38話 ハナコとは何だ?

 オボノヤスや一つ目入道、メドツ達に急かされダンジョン探索に向かった。

 今回もフルメンバー『置いてけダンジョン』の近くに有る裂け目のダンジョンに挑んだ。


 裂け目に入ると床が木造の、長い通路その両脇に所々扉が有る怪しい作りになって居る。


「怪しい扉など無視!」

「イノマ、『置いてけダンジョン』みたいに宝石が有るかも」


 私とゴン子の会話に反応したのか。

「私花子、扉が開かないの助けて!」

 何か可愛い女の子の声がする。


 声の聞こえた扉をノックした。

「ここか?」

「そうよ、開けて助けて!」


 扉を開けると、三つ首の大トカゲが襲い掛かって来た。


 ※トイレの花子さんの変わり種、山形県の一部で伝わる花子さんは、可愛い声でおびせて人を喰らう三つ首3mの大トカゲだそうだ。


 油断してない私は、電磁ソードで三つ首の根元を切り取った。

 大トカゲは暫く首無しで暴れて居たが、ダンジョンが吸収し又々壷が残った。

 蓋を開けると、中には赤いネバネバが入って居た。

「イノマ様、それはケチャです、その調味料はイリスがマヨネーズと共に作り出して居ります、ケチャップと言ってました」


「そうか、珍しい調味料じゃ無いのか」

「珍しいですよ!イリスが復活させるまで、全く知られて居ない調味料でした」


「イリスと言えばカレー、私も似た料理カレェゾを開発したっけ・・・ウコンやコリャカライ出すダンジョン有れば良いな・・・」


 大トカゲ花子さん結構現れ、ケチャとマヨを落とした。



 階段を降りても木造の床が一直線に奥に霞む、両脇に扉か有る通路と代わり映えしないダンジョンだ。


 ここは最初から扉を開けて行く。

 一番異常なし、二番異常なし、三番目の扉を開けると。

「三番目の花子さん」の声と共に大きな白い腕が襲って来た。


 電磁ソードで切り飛ばすと、壷を残して消えた。


 ※トイレの花子さん変わり種、白い腕だけの花子さんは、岩手県和賀郡 黒沢尻町の伝承です。


 壷の中にはショイとは違う黒い液体が入ってる。

「ピーター、これは何だ?」

 ピーターは液を指に付けて舐めた。

「これ、ソースだよ、焼き肉とかに掛ける調味料」

「ショイに似てるけど、匂いが全く違うな」


 使用が難しそうな調味料だな。



 次の白い腕は、同じ様だがドロリとしたソースを残して消えた。

「こんな調味料使い途有るかな?ケチャやマヨほど有り難く無いな」


 通路の終点に階段が有る、迷いようの無いダンジョン、階段を降りた。


「また箱?て事は、ここも置いてけダンジョン?」

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