第30話 人間(サル)達は・・・

 私はピーターと、ゴン子とマリン、アキナとコズミ、スミレとニコが4台の自在車に乗り西山脈に向かった。


 私の自在車だけ、山中に着陸しオトロシに声掛けした。

「オトロシ情報ありがとう!出て来る必要は無いが、私は全種族を束ねるイノマ大女王で有る!一言礼が言いたかっただけだ!西部サルの対処は速やかに行うので安心してすこやかに暮らせ!」



「イノマ・・・大女王様・・・お願いします」

 前髪に隠れているが、美女っぽい顔が伺える、長い髪に覆われた影の薄い妖怪が数人土下座してか細い声を出してる。


「オボノヤスにキムナイムも、メドツの河原に入り浸って、旨い物を食ってる、オトロシも良かったら食いに来い」


「・・・難しい・・・が、頑張ってみる。私オトロシ、これはオドロオドロに毛イッパイ」


 ※おどろおどろも毛いっぱいも、おとろしの呼び違いで同じ妖怪です。

 『画図百鬼夜行』では「おとろし」『化物づくし』で「おどろおどろ」『百鬼夜行絵巻』では「毛一杯」と紹介されていただけですが、拙作ではオトロシ一族の個体名に使いました。


「皆で来い、歓迎するぞ!一つ目入道とは話が出来るなら、大丈夫だ皆あれ以上恐い奴は居ない」

「・・・一つ目良い奴」

「そうか?なら皆良い奴だ。じゃ人間サルの確認に行く!」


 おどおどしたオトロシと、話をしてるとイライラして来る。

 オトロシとはよく言ったものだ、ある意味恐ろしい!大急ぎその場を去った。



 飛び立ち、山脈を越え西の海岸を目指した。


「あれ?蛮族かと思って来たが、あれは軍隊だ。タウを押し全員に『不可視発動!』」


 私は軍隊指揮官と思われる男の近くに着陸した。

「イリス大王様が言われた通り、とてつも無い大大陸の様だ」


 なんだ、イリス様の軍隊か・・・なら話せば分かる?もう少し情報集めて、ファーストコンタクトは慎重に。


「データ妖精様は、この大陸には龍神時代から滅びず生き残った、人外の化け物しか居ないと仰られた」


 これは聞き捨て成らん、我ら人外かも知れんが化け物では無いぞ!!個性的だが、人間の様に醜く争う性格の者は居らんぞ!!


「イリス大王様は、広大な大陸の制覇を希望された、何としてもご希望を叶えたい」

「ショカツ宰相様、あの山脈を如何にして越しますか?」


「この広い海岸一帯を拠点にし、船で海岸沿いを移動し陸地を制覇して進む」

「この巨大大陸の海岸沿いに進むには、膨大な食料に飲み水を準備する必要が有りますぞ」

「その為のサンセット第三中隊だ」

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