4章 人間(サル)との抗争

第36話 一つ目入道の報告

「イノマ大女王様、収納の腕輪を下賜かし願えませんか?」

 と悪鬼オーガの王一つ目入道が言うので、ピーターが量産出来る物、気楽に与えました。


 その後、馬鹿うましかの呼吸忘れの死骸が、全て私の所へ運ばれ出しました。

 今まで全ての種族が、生肉を食らっていて調理された、肉の旨さの虜になった全種族が、食材を私の所へ持って来るようになりました。


 オボノヤス女王もキムナイム王も、私の所へ入り浸って、配下に命じ食材を収集させて居るようです。

 オボノヤスの願いで大多鬼丸に、キムナイムの願いでヤンブシに、それぞれ収納の腕輪を下賜かししました。



 又々訳の分からない妖怪名ですね(笑)

 ※ヤンブシは九州地方では、大きな人形の影と言われ奄美諸島では、髪を振り乱した妖怪女と言い伝えられて居る、何れも山で人を襲い拐って行く妖怪です。

 ハゲのキムナイムに対し、髪を振り乱した妖怪女の方が、影より作者は使い易く感じ、拙作では奄美諸島のヤンブシに設定しました。




 私の住まいは、ベルタ型オリジナル妖精、ピーターに又々無茶振り!!

「ピタエモ~ン!住みやすい家を作って!」

 で建ててくれた、魔道具ハウス。

 メドツの女王になった私は、メドツの領域メドツ大河の砂浜の外れ森の近くに住む事にしました。


『出物妖怪所構わず』って言うくらい、オボノヤスもキムナイムも住居には無頓着、砂浜にごろ寝して過ごして居ます。



 オボノヤス女王の配下の鬼達に、キムナイム王の配下のヤンブシ達が集めて来た食材、それに悪鬼達が頻繁に届けて来る馬鹿、大多鬼丸達鬼も料理がそこそこ出来る様になり、大所帯の食卓も元ゴブリンのゴン子、超人養成ギブス装着のアキナにコズミそれに人魚のマリン達の負担は減って来ました。


 扶養家族?にも慣れた、そんなある日久し振りに一つ目入道がやって来て「イノマ大女王様!大変です、西山脈の恥ずかしがりオトロシが『西部サルが領土拡張、こちらに攻めて来る』と言って居りました」



 ※オトロシは恐ろしの上方訛りで『画図百鬼夜行』に髪に覆われた女性?が描かれているが、どの様な妖怪か紹介が全く無く不明である為、拙作では恥ずかしがりで妖怪との交流が無い引きこもり妖怪と設定しました。




「西部サルとはなんだ」

「西の海岸沿いに住む狂暴な人間サルです、この大陸とは違う所から流れ着いた者と思われます」


「ピーター、ゴン子偵察に向かってくれ、いや私も行く!ニコ自在車2台出してくれ」


 ニコは4台出し、全員で行く事になりました。

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