第25話 マリンを超人にする

「アクア、人の子供にはなれんのか?」

「イノマ様、人の形体は子作りのため以外不要で不便な変身です、未熟な子供になる意味が御座いません」

「意味があれば子供になれるのか?」

「アイヌソッキの年齢そのままの人形体ひとけいたいの方が、無理無く維持できますが意味があるのですか?」


「意味は直ぐに分かる、子供になってくれ!」


 アクアがグズグズしてる間に、一人のアイヌソッキが子供に変身し言った。

「私はマリン、何か面白そう!試すなら私で試して!」

 都合良く全裸のマリン、透けるような白さと言うより病的な真っ白な身体の愛くるしい、ひ弱に見え庇護欲を掻き立てられる少女だ。


 ピーターは可能とみたようで、超人養成ギブスをマリンの背中に押し付けた。

 マリンを透明な皮膜が覆った。

「はて?イノマ様?」

「仕上がりは3分待つのだ」


「イノマ様!そんな簡単で危険が無いなら、私もお願いします!!」

「アクア、幸運の女神は前髪しか無い!通り過ぎたなら幸運を掴む事は出来ん!またの機会を待つしか無い!有ればだがな」

「アクアさんは、冒険者仲間に向いて無い」

 悔しそうな顔のアクアにゴン子が言った。


 慎重なのは良いが、思慮深いのと臆病は違う、私もアクアは冒険者仲間にするのは考えものと思った。


 話してる内に5分程経った。

「マリンの思考とギブスが連動した、これで超人の動きが出来るよ着いて来て!」

 私はマリンを連れて海岸を走った。

 徐々に全力を出したが、マリンは苦もなく着いて来て、最後に高く飛び上がった私より高く飛び上がっていた。


「良い感じに融合したね」

「こ、これは…凄いです!自分じゃないみたい!身体が軽いです!」


 私の着替えの服をマリンに着せて、収納の腕輪を装着させた。

 短パンに丸首シャツ古着なんだけど、薄幸に見える美少女は何を着ても可愛い。

「その腕輪は仲間の印、生き物以外何でも収納出来るよ」


「いつでも旅立てるよう、私物を腕輪に収納して置いて!」


 マリンは大粒の真珠に砂金を大量に持ってきた。

「これは人にとっての宝らしいです、イノマ様に預けます自由に使って下さい」


「主様、砂金のままより銅貨の銅を混ぜ金貨にした方が価値があります」

「ピーター?金貨作れるの?」

「僕は一番優秀なベルタ型オリジナル妖精ですよ!出来て当然の事金貨は純金に銅を2割り混ぜて作ります!有から有です容易い事!」


 と言ってる間に、ピーターは金貨2000枚程作っていた。

「ピーターって万能だね!」

「アルフ型オリジナル妖精は、無から金貨を作りますが、僕はそこまでは出来ません、万能では無いです」


「マリン、アイヌソッキの村は、なぜ子供だけで暮らして居る?大人はどうした」

「この沖合いにアイヌソッキの王国が有り、大人はそこに住んでいます、子供の内にしか人と子を作る事が出来ないので、私達はアイヌソッキ村に住んでいます、大人になれば王国に帰ります」


「主様、アイヌソッキは龍神と同じ位古い種族です」

「へ~え、そうなの?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る