第24話 アイヌソッキの漁村

不可視を解いて話することにした。


「アイヌソッキ?初めて聞きます」

「イノマ、お魚」

「ゴン子?この女性が魚?」


「見抜かれたように、アイヌソッキの村長アクアです、イノマ様が一行の族長とお見受けします、人に完璧に化けたお二人の従者に人外4人引き連れ、何を為さるお積もりですか?」


コズミ達下車し自在車を収納し、私を守る陣形になった。


「物凄い気を放たれる、イノマ様に害をなす積もりは全く御座いません!我らは見抜かれた通りのか弱き人魚です」

ゴン子が言ったお魚とは、ここの住民が人魚と言う事か!


「アクア村長の歓迎の意味が分からんが、私がリーダーのイノマ、スライムだ、ゴン子はゴブリン、この3人はダンジョン妖精、二人の従者人間に見えんか?」


「はい、完璧に化けておいでですが、人外の気を放出されて居ます。歓迎の意味は私をお仲間に加え人の世を見聞させて欲しく、勿論お礼は致します」



招かれるまま宴に参加したが、生の魚介類にイノマの記憶が拒否反応してる。

コズミとアキナが調理道具を出して、魚の塩焼きに貝の素焼き、海草のスープを作った。

アクア達人魚が興味深げに見ている。


「人の世を見聞するなら、人の食べ物を覚えるべき!人は生物食べない」

ゴン子、良い事言う!

「納得致しました!完璧に化けただけで無く、人の習慣も身に付けていらっしゃる!人外として見倣みならわさせて頂きます!」


「アクア、村長が居なくなって、アイヌソッキ村は問題無いのか?こう見えて私は人の爵位、子爵を賜わって居る、領地の運営をおろそかにする領主は感心せんぞ」


「村長と申したのは対外的に便宜上名乗っただけでして、私が旅立てば他の誰かが村長を名乗ります、私が何かまつりごとを行っている訳では御座いません、男をめとる順位の筆頭が私で放棄すれば喜ばれるくらいです」

ん?男をめとる順位とは何だ?

「主様、アイヌソッキは女性しか居ません、子をなす為に人の男性を必要とします、その優先順位の筆頭がアクアと言う事です」

「おう!ピーターの説明でよく分かった」

「イノマ様はアイヌソッキの事ご存知でなかったのですか?説明不足謝罪致します」


「お礼は兎も角、酷な言い方だがアクアが仲間になって私達に何か得になること有るのか?」

「得になるかは分かりませんが、アイヌソッキは種族的に男を惑わし操る事が出来ます!力は弱いですが…」


「ピーター、あれは使えるか?」

「成熟しているので、無理です」

「大人がダメなのですか?言われてみると全員子供に化けて居ますね!私も人魚に戻れば12歳です、戻りましたがどうですか?」


人魚形体になったアクアは、子供だった。

「ピーター?人魚形体にあれ使える?」

「分かりません、使った事が無いので」

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