第11話 貴族になってしまった

 オロとモノはソリを器用に使い、ハンエイ町の北にあるボツラ町にやって来ました。


「ギルド依頼でダンジョン調査に来た!通るぞ」

「待て!今ハンエイ公爵様が視察中だ!下践げせんな冒険者など視察が済むまで、其処そこいらで野営でもして居れ!」


「おい!!貴族章を着けて居らんお前は、一般騎士で有ろう!こいつはオロ▪ボツラ、私はモノ▪ハッサ名前で分かるな?ハンエイ公爵様とは私は面識がある!どうする?平騎士!!」




「そこの騎士!貴様はいつもそんな態度で門番して居るのか!」

 門の後ろで大声を出して居られるお方、見覚えが有るぞ!


「ハンエイ公爵様!モノ▪ハッサで有ります」

「ハッサ男爵家は残念な事であった…ん?冒険者?息子の護衛兵だったはず?」


 オロとモノは子爵様に解雇された経緯いきさつを公爵様に話してる。

「バカ息子が迷惑掛けて済まん!!大王様も『子爵の命令無しで勝手な行動出来んのは分かって居ながら、護衛の二人には辛く当たって済まん事をした』と仰って居られた」



 公爵様ダンジョンに同行したいと言って来ました。

 貴族の交渉は私には無理モノに任せたのに、報酬に全員騎士爵と欲張って、交渉は上手く行かず同行断った様になりました。

 フォローしなくちゃ!

 

「公爵様、私達の働きを見て頂く為に、同行して下さい!その後、働きにみ合った報酬をお考え下さい」

「イノマさん、同行許可ありがとう!!同行騎士に準備させる!しば猶予ゆうよを下され!」


 貴族様の都合で結局ダンジョンに入るのは明日になりました。


 暇潰しに、騎士宿舎厨房を借りてご飯を炊いて、塩握りを作りました。

「炊きたての熱々の塩にぎり、旨い!!」

「家畜の餌とは思えん、旨い!!」

「私はゲンカイ村で、これのお粥が毎日のご飯でした」

「メイは旨い物食って居たんだな」

「お粥は不味かったです、こんなに美味しく無かったです」


「儂にも1つ貰えんか?」

「公爵様が食べるような物では御座いません!下践な食べ物です!」

「騎士団長、大王様が広めて居る米が下践か!!」

 騎士達全員、青ざめて居ました。


「お前達は成って居らん!騎士の鎧を返納せよ!!全員平兵士に格下げする!」

 全ての軍を統括する公爵自ら下した処罰、言い訳は通用しない、無条件で従うのみ!嫌なら自主退職するしか無い。


「公爵様、邪魔な騎士が同行しないなら、これからダンジョンに入りませんか?公爵様お一人なら完全にお守り出来ます、お供は不要」

「そうか?そうじゃな!腹が立って寝られそうに無い!ダンジョンに入るのも良いか」

「私達も早くギルド依頼を終らせたい事情が有りまして」

「依頼達成報酬は、上級冒険者に昇級で有ったな!イノマパーティーのお手並み拝見させて貰うとするか」



 ボツラダンジョンは10年前、ボツラ町の西に突然発生大量に溢れ出した魔物が、ボツラ町を壊滅させボツラ男爵家を没落させた。


 現在ダンジョンは、町と隔離されぐるり厳重な防壁で取り囲み、魔物異常繁殖に対応との名目で完全封鎖されて居る。


 本来ならば、騎士達が何かと理由付けして、ダンジョン入りをこばむのであろうが、公爵自ら鍵を開け入るのをこばめる者は居ない。



 防壁の強固な扉を開けると、500㍍程先に岩がある。

「あの亀裂がボツラダンジョン入り口だ」

 公爵はダンジョンに入っては居ないが、現状確認はしっかりされてるようだ。

「先頭はオロとモノそれにシノブ、後ろに私と公爵様、後衛はメイにコノハ」


 ダンジョンに入ると通路が奧に続いている。

「止まって!二歩先に落とし穴!」

「入り口から直ぐに罠かよ?よく気付いたな!」

 コノハが早速ダンジョンマップにばつ印を入れ、記入してる。


 シノブが罠を避けて進む、全員シノブが歩いた所を着いて行く。

「ホーンラビ3、来ます!」

 後衛のメイが遥か前方のホーンラビを見付けてる。

 メイは全体を見て、異常を発見しているようだ、モノが好みで買ったメイドと思って居たが只者じゃない。



 そんな感じでゴブリンやオークを蹴散らし、4階層最深部はウッドゴーレムとストーンゴーレムの混合全て粉砕し、完全踏破ダンジョンマップも完成しました。


 ダンジョン産出香辛料を使った料理を作るって、無茶振り公爵様に応え産出香辛料を全てぶち込み作った『カレェゾ』が受けて、公爵様に気に入られ、私とオロとモノ3人が准男爵にメイとシノブにコノハが騎士爵になり、ギルドでは全員4階位昇進で、私にモノとオロが上級1等に、メイが上級2等、シノブとコノハが上級3等になりました。


優秀なメンバーを加え、楽しく冒険者活動やって居たのに、人目を避けて逃亡してます。

原因は魔道具妖精のピーター、契約した時思い出したくない私の過去を思い出さされ、何もかも捨てて逃げ出す羽目になった訳です。

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