第12話 密かな旅立ち

 私の名前はイノマ、冒険者ランク、特級冒険者が4人に上級冒険者が9人の凄いクランの統率者とうそつしゃが私、まだ上級冒険者の時、指名依頼で高難易度ダンジョンの調査をしました。


 そこは魔道具のダンジョンで、とんでもない魔道具を産み出すダンジョンマスターの居る特殊ダンジョンでした。

 私が適当に神話に出てくる名前を言うと、偶然真名まなだったようで真の契約者になり使役したのが、ベルタ型オリジナル妖精のピーターでした。


 13歳の若さで、なぜ私が化け物揃いの特級冒険者なのか。

 盗賊の捕虜だった私を助けてくれたのが、神の加護を持ってる人でした。

 20日程行動を共にする内にささやかな能力を授かったようで、努力の成果が現れ易く、魔物を倒すと理力経験値を余分に取得する、努力し討伐を頑張るほか方法の無い冒険者の私は見る間に超人になってた訳です。


 もう一人の仲間ゴブリンの突然変異種ゴン子は、ゴブリン襲撃のおとりになって私を刺そうとした所を取り押さえ、奴隷の首輪で使役したのが最初、妖精ピーターに容姿を少女に変えてもらって、今のゴン子になりました。


 なぜ逃げ隠れしているか、魔道具は便利ですが、それが国を焼き滅ぼす大量破壊魔道具だったら?死人で無ければ病気でも、身体が殆ど無くなった人でも回復させる魔道具だったら?

 それがピーターなのです!


 それだけでは有りません、ダンジョン妖精と契約時、互いの存在を半分ずつ交換したのですが、トンでも無い事を思い出してしまいました。

 私は突然変異体特殊スライムの時の記憶が蘇ってしまったのです。

 孤児だと思い込んで居たのに、親が居ないはずです私人間じゃ無かった、不定形生物の私は人間の子供に擬態していただけの存在でした。



 幸か不幸か…不幸ですね!有力クランのリーダーの私は、公爵様に気に入られ准男爵位を授かってしまい、クランハウス用豪邸まで頂いてしまいました、その時は無邪気に喜んで居たんだよね私。


 考えた末クランメンバーのモノさんに、手紙を残しピーターとゴン子を連れて逃げ出した訳です。


 逃げ出す寸前まで平常を装った私に気付いた者は居なかったでしょう、30日と決めた休日の間に誰にも見付からない所に逃げるつもりです。


 あては有ります、東列島王国、ダンジョン妖精の美咲姫が居た所で、今は忘れられた王国だけど国としては健在で、隠れ住むには理想的東の果てを更に海を渡った島々の王国です。

 名前が列島王国風で無いのが気になりますが、ゴン子もピーターも名前で契約しているため呼び名を変える事は出来ません。

 私も契約主として、名前を変える事は出来ません。


 私は授かった能力で人外の力が出せますが、ピーターもゴン子も元々人ではない、力は人外です。

 とは言っても私達3人は子供に見え、強そうには見えません。

 身成みなりの良い子供が3人で旅をする、平穏な旅に成らないのは想像出来ますよね。

 早速良からぬ人達がちょっかいを掛けて来ました、心配なのは相手の方、無事では済まないよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る