第12号 「生活」



眼前を降りかかる線なかゆびに弾く ラジオのおわらない声



ゆすがれるうなじに耳にとめどなく、そういう海がときおり欲しい



巻貝にあかるい部屋のあることを前髪のない露のまひるま



うすぐものひかりのなかで泳ぎつく商店街の鳩おとなしい



生肉の脂のぬるい白さなどをひたいに刻み夜は更けゆく

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『西瓜』ともに 石村まい @mainbun

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