第6話 (戦争と老人Ⅱ)


老人は静かに話し出す…


「私はね…戦争経験者なんだよ。あの時は…食べ物も無くて…いつも腹空かして…空襲警報に怯えていたなぁ…

あ、こんな話…今更聞きたくないよね?」


私は答えた


「フフ。独り言なのだから、何でも好きなことを言ったらいいんですよ笑」



老人は笑いながら答えた


「ハハハ。確かにその通りだねぇ。


…あの時俺は思ったものだよ…戦争なんて今すぐ止めてしまえばいいのにってね…そうすると周りの大人達が言うんだよ…シ!静かに!そんな事、口が裂けても言うんじゃない!私達は日本が勝つことを願うだけだ!戦争に勝つことだけ考えればいいんだってね…」


この老人の独り言に


私はこの時はまだ


ふーん。そうなんだ位にしか思っていなかった…

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