Deicide
凪川 隼朱
第0話 日常
いつも通りの帰り道。部活の練習が終わると空はすっかり暗くなっていた。
「白夜〜一緒に帰ろ〜」
「良いよー」
ごく普通の学校に通うごく普通の高校生。それが俺、安倍白夜17歳。成績は中の上で運動神経は上の下。クラスの中心にいるわけでもないけど俗に言う陰キャって訳でもない。普通に過ごせば将来はサラリーマンか、公務員か...。そんなぱっとしないありふれた俺に話しかけてくれるのはいつもクラスの中心にいる春樹。顔だけ見ればタレント級のイケメンなのになぜか俺を気に入っているもの好き。なんでこいつに彼女ができないのかがわからない。女子って意外と見る目ないのだろうか。
「俺の顔に何かついてる?」
どうやら、コイツの顔をずっと見つめていたらしい。
「や、何でもないよ」
「変なの...ま、いいや。早く帰ろ」
「おっけー」
「そう言えば今日は『学校』あるの?」
「あ〜ないよ。今日は休み」
「じゃあどっか寄り道する?新しくできたカフェとか行かない?」
「女子か」
「えー行こうよー。甘いもん食べたいじゃん。」
そう。こいつ結構甘いもの好きなのだ。
「まぁいいよ...その代わりおごりな。」
「え?それはないわ〜」
なんて馬鹿な会話をしながらカフェに向かうこと30分...
いや遠いな!なんて思ったけど...このときにはまさかこの平穏な日常が簡単に終わりを告げるなんて思っても見なかった。
Deicide 凪川 隼朱 @hidoridaisuke
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