第三話みっつめ、しるすこと 「銭金の工面に悩む内、行事催事多き夏を企てるに就いて記す事」其の二 祥之助の夏のデエトの企てに就いて記す事

第三話みっつめ、しるすこと

「銭金の工面に悩む内、行事催事多き夏を企てるに就いて記す事」

 「其の二 祥之助の夏のデエトの企てに就いて記す事」


 日之許国塔京――杜佐藩邸。

 七月も半ばに差し掛かろうとしている日々の気温は高くなっていき、夏らしく強い日差しが朝から照り付けていた。

 本格的な夏である八月には塔京やその近辺の地方で幾つもの夏祭りを初め、藩対抗の各種武道の交流大会が開催される。それらに向けての準備がどの藩でも今の時期から行なわれていた。

 高縄の町にある杜佐藩邸でも例外ではなく、藩に関わりの深い町や村の夏祭りへの支援や、武道大会への参加者への訓練等があり、今日も朝から慌ただしく屋敷勤めの者達が行き交っていた。

 祥之助はそんな藩邸の慌ただしい雰囲気を一応は感じながらも、のんびりと朝食を終えると膳を下げに別棟の玄関口へとやって来た。

 幾らかは合理主義の面のある杜佐藩の気質により、どんなに身分が高かろうと別棟の住人の食事は一括して玄関の決まった場所へと運び込まれ、そこから銘々が自分の膳を持って行くという仕組みになっていた。

 祥之助は空になった自分の膳を所定の場所へと戻すと、自分用の郵便受けに差し込まれていた「証宮新報(あかしのみやしんぽう)」の最新号を手に取り部屋へと戻っていった。

 武市祥之助――現杜佐藩藩主・曽我部徳知嘉(そがべ とくちか)の四男で、現在は杜佐の相撲に関する事を司る武市家の養子となっていた。杜佐藩のお抱え力士としての身分を得て、塔京杜佐藩邸で相撲の鍛錬に励みながら――励まない日もよくあるが――日々を過ごしていた。

 杜佐藩邸の敷地の西側には杜佐藩における身分の高い者達の住む別棟があり、祥之助は別棟の中に自室を与えられていた。杜佐藩相撲部門総監督の朝渦浅右衛門爺やもこの別棟の中に自室があったが、祥之助の部屋からはかなり離れていた。

 長い廊下を渡り、建物の端にある自室の障子を開けて中に入ると祥之助は早速「証宮新報」を広げて読み始めた。

 「証宮新報」とは帝の直属の新聞社が発行している一般国民向けの新聞で、頒明解化によって神仏や精霊達から人間へともたらされた様々な知識を広める役割を担っていた。

 高度な科学的専門的知識に始まり、行楽に適した景勝地や、身近な農作物から作る美味しいお菓子の解説に至るまで、広く様々な分野を網羅しており多くの国民に関心を持たれる新聞となっていた。

 祥之助の読み始めた今週号は、夏祭り特集第一弾と銘打たれていた。来週には月刊の方の「証宮新報」の発行予定があり、そちらの方については「保存版、塔京の夏祭り大特集号」と予告が掲載されていた。

 ――冠西行幸御一団、無事御出発。

 帝の直属の部署の新聞であるので、当然と言えば当然ではあったが、帝に関する記事が第一面に掲載されており、大きな字体で書かれた見出しが祥之助の目に入った。

 七月下旬に冠西の京で行なわれる祭礼を執り行う為に、帝が塔京を先日出発した事について第一面には書かれていた。

 冠東に遷都したとは言っても元の都が置かれていた冠西の諸施設はそのまま残されており、諸藩の藩主達の協力を得て冠西地域の政治や神々への祭祀に関する仕事を引き続き司っていた。

 冠西に限らず日之許各地域の政治の確認や国民への顔見せ、土地神初め諸々の神々に対しての祭祀行事――実際にその土地土地へ帝が出向いて行なわなければならない仕事は多くあった。

 各省庁の大臣達や職員達、諸藩藩主達の補佐があるとはいえ、そもそも帝と言うものはとても忙しい存在であった――筈だが。帝は一体どうやって証宮離宮殿(あかしのみやりきゅうでん)の図書館に入り浸る時間を捻り出しているのか。

 帝の仕事の詳細についてもしも結三郎が知る事になれば、まず何よりもそれについて疑問に首を傾げ続けるに違いなかった。

「科ヶ輪港の花火大会に、須見田川の花火大会か……。」

 日之許の政治に大した関心を持っていない祥之助は、そのままページを捲って帝の記事を読み飛ばし、目当ての夏祭りに関する記事を読み始めた。

 塔京各地の町の夏祭りや花火大会の予定について書かれており、一部の大きな寺社主催の夏祭りについては来週発売の月刊誌の記事に先駆けて紹介記事が書かれていた。

 他にも柔道や剣道、合気道、相撲と言った武術に関する藩対抗の大小の交流大会もこの時期には多く開かれており、一般入場可能な分については塔京市民の楽しみの一つとなっていた。

 相撲に関しては自分も参加する側ではあったが、それを完全に逆毛頭の片隅に追い遣って祥之助は出掛け易そうな地域の夏祭りの予定を見繕っていた。

 先月の覚証寺の夏祭り(時期的に言えば初夏祭りとでも言うべきだったかも知れない)に結三郎と出掛けた事を思い返しながら、本格的な規模の夏祭りに結三郎と是非出掛けたいと祥之助は考えていた。

 ――精介については、まあ、別に三人で出掛ける日程を作って出掛けてもいいか。

 結三郎の事を考える時には、良くも悪くも結三郎の近くをちょろちょろしている精介の姿も一緒に思い出す様になってしまっていた。

 結三郎に憧れて尻尾を振る様子は気に入らなかったが、祥之助の事も憧れていると顔を赤らめていた様子はなかなか悪くはなかった。祥之助は、精介のそう言ったところは素直に可愛らしいと思っていた。

 結三郎に精介、と、両手に花のデエトというのもなかなかに趣深いかも知れない――そんな妄想をして顔をにやけさせながら、祥之助は新聞記事を読み進めていった。

 そうして何ページか捲ると、広告を兼ねたページに活動写真――精介の世界で言う映画に関する紹介をしている記事が祥之助の目に飛び込んできた。

 白黒の線画ではあったが、目元の涼やかな青年剣士が剣を構えて大見得を切り、その周囲を三体の野菜の精霊が飛び跳ねている様な図柄の広告で、「お野菜剣士武芸帳」と筆文字で活動写真の題名が書かれていた。

 証宮離宮殿図書館五階大会議室にて上映中――と、こちらも大き目の筆文字で書かれていた。

 先月開始した無料招待券の何度かの頒布抽選会も終了し、入場券の一般発売が始まったと記事にはあった。

 「お野菜剣士武芸帳」とは、旅の青年剣士・小松波之助(こまつ なみのすけ)がお供の大根、茄子、菊芋の三体の精霊と共に人々を困らせる悪人を成敗していく――という子供向け絵本が原作の活動写真だった。野菜の精霊がお腹を空かした人々に我が身をちぎって味噌汁の具として食べさせるというのが、慈悲の精神を表していると寺院関係者からは評価が高かった。

 ちなみに肉体を分け与えた後、精霊達は温泉療養宜しく畑の土に暫く浸かると復活するという仕様だった。

 本物の精霊が出演しているとあって、子供向けとはいえその点からも寺院や神社関係者からの関心が高かった。

 そして同時上映はどちらかと言うと啓蒙的な色合いの強い「図書館に行こう・初級編」というものだった。こちらはこちらで日之許の現世に受肉した「知識の神」が出演し、麻久佐のとある長屋の子供達に図書館の使い方を教えるという内容だった。

「あー……。券、買いに行かなきゃなあ。」

 祥之助は軽く肩を落として息を吐いた。無料招待券が当たるかも知れないというキャンペーンへの葉書を出したり、町の買い物の福引に挑戦したものの、祥之助には一枚も当たる事が無かった。

 結三郎と活動写真の観覧デエトをしよう――それが祥之助のこの夏の目標の一つだった。

「……で、入場券て何処で売ってるんだ?」

 そんな独り言を言いながら祥之助が記事を読み進めると、入場券は各地の番所(精介の世界で言うところの交番の様な場所)で取り扱っているとあり、当然ながら上映場所の麻久佐の証宮離宮殿図書館窓口でも販売しており、祥之助にとっては意外な事に佐津摩藩高縄屋敷博物苑でも販売していると書かれていた。

 広告の絵をよく見ると、隅の方に協賛・制作協力・佐津摩藩高縄屋敷博物苑とあった。博物苑の主である島津茂日出公が学問研究で帝と交流が深いのは広く知られており、協賛者に名前を連ねているのは当たり前と言えば当たり前であった。

 高縄屋敷ならば杜佐藩邸の隣なので、一番近い販売場所だった。

 祥之助は、近いという事もあり早速高縄屋敷に出掛ける事にした。

 一先ずは精介の事は置いておき、結三郎と二人だけのデエトを行なおうと、入場券を二枚買い求める事とした。

 いつもの様に手形でのツケ払いで済ませようかと一瞬考え掛けたものの――購入場所が今回は高縄屋敷なので、どんな流れで結三郎の耳に入るかも判らなかったので、ツケ払いの様な恰好悪い支払い方は自粛する事にした。

 日之許の価値観では、その場できっちりと現金で過不足無く支払う事が商人達からは好まれ、恰好いい支払い方だとされていた。

 きちんと現金払いを行なうべく祥之助は箪笥の小引き出しから財布を取り出したが――。

「……。」

 財布の中には小銭が数枚しか入っておらず、祥之助は残念そうに眉を顰めた。

 仕方が無い――藩邸の会計係の所に金を貰いに行くか。

 言葉だけ聞くと藩の放蕩息子の若君が金を無心しにいく様にも聞こえないではなかったが。

 一応は祥之助の身分は杜佐藩お抱え力士と言う事で、これは精介の世界に例えると企業のスポーツ実業団に所属している社員兼スポーツ競技の選手とでも言う様な身分の位置付けだった。

 競技に出る事も仕事であるとでも言えばいいだろうか。

 祥之助にも一応、力士としての働きに対して給料らしいものが杜佐藩から毎月支給されていたのだった。

 日之許の世界でも古い時代には俸禄と言う、米等を給料として藩で働いている侍達に支給する制度があった。今も日之許には俸禄を貰う、禄を貰うという言い方が残ってはいるが、既に殆どの場合は金銭の支給に置き換わっていた。



「――そういや先週は給料日だっただろ。まだ確認してなかったと思い出してな。」

 無邪気に笑いながら藩邸母屋の東隣にある庶務棟――会計係の窓口で祥之助は係の者に自分の金を引き出したい旨を告げた。

 藩邸に勤める多くの独身者は金銭管理が面倒だという者も多く、必要最低限の現金以外は会計係に預けっ放しと言う者が多かった。祥之助の様なツケ払いの手間を会計係に押し付けている者もまた多く居て、精介の世界で言う銀行業務や、支払い代行業務と言ったものも会計係の大きな仕事となっていた。

「――本日付けの残高でございます。」

 会計係の制服である藍色の小袖の着物に同じく藍色の袴を身に着けた年嵩の男性が、厳めしい表情のまま祥之助へと残高を書き付けた紙片を手渡した。

「え? こんだけ? 何で?」

 思わず声を上げた祥之助を会計係の男はじろりと厳しい眼差しで見た後、そっと祥之助の分の現金出納帳の写しを見せた。

 外出先での度重なる酒代、食事代、茶代、菓子代、饅頭代、後は「証宮新報」購読料や先月の覚証寺の初夏祭りの際の春乃渦部屋への食事の支援に関する支出――と、意外と多くの支出があったのだった。

「へえ~、結構使ってたんだなあ……。そんなに金を使った様な覚えは無かったんだが。」

「祥之助様はもっと金の使い方に気を配るべきです。我々の金は杜佐藩領民の血税でございますぞ。」

 呑気にそう言う祥之助を会計係の男は厳しい表情で諫めた。相手が杜佐藩主の四男であっても金の遣り取りに無神経な者は許さない――そんな気概のある厳しい視線だった。

「祥之助様におかれましては、初歩の初歩、「塵も積もれば山となる」という諺を金使いの場面において強く意識なされませ。一件一件は少額の支払いばかりですが、数多く積もっていきこの様な結果になっておられます。」

 出納帳の下段の合計金額を指し示され、目の前にはっきりとした数字で表されると流石の祥之助も納得せざるを得なかった。

「そ、そうか……。節約を心がけねばなあ……。」

 当てが外れた祥之助は大きく溜息をつくと自室へと戻る事にした。

 仕方が無い。酒代や菓子代は節約を心がけるとしても、今回の結三郎とのデエトだけはやめる訳にはいかなかった。

 今回の入場券代だけはいつもの手形と一筆で乗り切ろうと決心し、祥之助は高縄屋敷に出掛けるべく自室で着替える事にした。

 いつもの半紙に自分の手形を押し、名前を書き入れたものを作ると懐に仕舞い込み、祥之助は隣の高縄屋敷へとやって来た。

 高縄の町には日之許の各藩の塔京での出先機関である藩邸が多く構えられていた。

 杜佐藩邸の隣には佐津摩藩の別邸である高縄屋敷があり、佐津摩藩の前藩主・島津茂日出が隠居後の住まいとして使用していた。

 隣同士とはいえどちらの敷地も仮にも藩邸や藩の別邸である為に広大な面積を持っており、それぞれの住人は隣同士であるという感覚は殆ど持ってはいなかった。

「頼もうう。」

 屋敷の通用門へとやって来ると、そこに立つ門番に向けて祥之助は取次を頼んだ。

「御氏名を。」

 大柄で厳めしい顔付の二人の門番の内の一人が誰何し、祥之助が答えると、門番の一人がああ、と軽く頷いた。

 結三郎と親しく付き合い始めてからは祥之助の高縄屋敷を訪れる頻度も増え、少しずつではあったが門番に顔を覚えられ始めていた様だった。

 門番に通され屋敷の中へと祥之助は足を踏み入れ、案内板に従って高縄屋敷の庶務棟へと進んでいった。「証宮新報」の記事によると、高縄屋敷での活動写真の入場券は庶務棟の会計係窓口で取り扱われていた。

 何処の藩邸も基本的な建物の配置は似た様な感じらしく、高縄屋敷の庶務棟も母屋の東隣に建てられていた。

 夏と言う事もあり建物の玄関は開け放たれており、中に入ると広い土間と商家の窓口を思わせる受付台が幾つか設置されていた。

 何処の藩の会計係の様子も似た様なものなのだなと祥之助が思いつつ、似ていないのは土間のあちこちに商店よろしく様々な品物――書籍や錦絵、土産物屋で売っている様な小さな動物の置物等が台の上に陳列され、訪問者が気安く買う事が出来る様になっていたところだった。

 よく見ると壁に貼られている錦絵の見本等も、日之許ではまだ一般に出回っていない精緻な写真印刷のものもあり、色鮮やかな佐津摩の海や火山の風景写真等、慣れていない者からすると今正に窓からそれらの風景を覗いているかの様な錯覚さえ感じる事が出来た。

 藩の別邸と言う事で敷居が高く感じられるのか、訪問者の数は少なかったものの、何人かの外部の商人らしき者達が感心しながら並べられた品物を眺めているのが祥之助の目にも入っていた。

「あ。」

 祥之助にとっては有難い事に、窓口の一つに広告で見た「お野菜剣士武芸帳・上映中!!」の白黒絵をパネル風に仕立てたものがあり、「入場券販売中」との表示があった。

 入場券も仕入れるのかどうかはよく判らなかったが、商店の主と奉公人らしき組み合わせの落ち着いた色合いの羽織を纏った男達が三組程、祥之助の前に並んでいた。

 大昔であれば、藩主の息子であれば一声掛ければ順番待ち等する必要も無く皆が畏まって番を譲られるというものだったが。

 頒明解化以前――当代証宮の帝が即位する前の代の帝の時代――百数十年前の時代から、神々からのお告げと言う体裁を取りつつ男女差別や身分差別を幾らかでも和らげようとした帝達の努力により、普段の町の日常生活の場で身分を笠に着た不当な振舞いは取り締まられる様になっていた。

 元々の性格もあり祥之助はそうした事等全く気にせず、呑気に順番待ちをしながら近くの壁に貼られた活動写真のポスターや小松波之助と野菜の精霊達の等身大パネル等を興味深そうに眺めていた。

 こうした掲示物は素っ気無い文字だけとか、白黒の小さな線画が挿絵として付けられているだけというのが杜佐藩初め多くの藩邸で当たり前の事だったので、色鮮やかな絵の大きく描かれた印刷物と言うのはそれだけで心躍るものだった。

 よく見ると活動写真に関する物だけではなく、他にも佐津摩藩お抱え力士達と思われるマワシ姿の男達の絵姿の販売や、精介の世界で言う小さなパンフレット程度の冊子だったが博物苑の動植物を紹介した物等、様々な物が販売されていた。

 そうしたものを眺めている内に祥之助の番が回ってきた。

 流石に余所の藩邸でツケでの買い物をした事が無かったので気後れするところはあったものの、祥之助はツケ払いが出来るかどうかを尋ねようと意を決して顔を上げた。

「――ん? 祥之助殿ではないか。」

「!!!!」

 そこに、不意に背後から結三郎に声を掛けられ、祥之助は思わず飛び上がり掛けた。

 予想もしない結三郎の出現に、祥之助は焦りながら慌てて振り向いた。

「え? 結三郎? 何でっ??」

 嬉しくはあったが驚きに目を見開き、祥之助は背後に紙箱を抱えて立っている結三郎を見つめた。

「いや――何でと言われてもな……。自分の住んでる屋敷で何でと言われても。」

 普通の民家の中で出くわしたのならば祥之助もここまで驚きはしなかっただろうが、広大な敷地を持つ藩の別邸で出会ってしまうというのは――特にツケ払いをしようとしていた今回は、祥之助にとってはバツが悪く、運が悪い事だった。

「それはまあ、そうだけどよ……。」

 結三郎の言う事の方が尤もな事ではあったので、祥之助はそれ以上言い返す事も出来ず口を噤んだ。

 取り敢えず祥之助の事は後回しにして、結三郎は会計係の窓口の受付台の上へ持って来た大き目の紙箱を置いた。

 係の若者が箱を開けると、中には力士の絵姿や動植物の写真を掲載した小冊子、そして活動写真の入場券の束が入っていた。

「はい、佐津摩本国力士達の絵姿シリィズ物五組、佐久螺太郎関の絵姿十五枚、祈界王七郎関の絵姿二十枚――。「博物苑の夏の動植物案内図録」八冊、「お野菜剣士」入場券が六十枚……と。確かに。」

 係の若者は印刷物の目録を片手に中身を確認していき、受取証に署名をすると結三郎へと手渡した。

「こんなに沢山綺麗な印刷物、何処で用意したんだ? すげぇなあ……。」

 横から眺めていた祥之助がしみじみと感心した様に言葉を漏らした。

 まだ日之許では写真印刷の技術も一般には充分には行き渡っておらず、本物そっくりの写真印刷の絵姿や冊子は大変な貴重品の様に祥之助には見えていた。

「ああ、奥苑の印刷機械で印刷してきたんだ。義父上はもっと印刷機械も広めたいらしいんだが、機械を作ったり手入れしたりする職人の技術がまだ追い着かなくてな……。」

 結三郎の言葉に確かにと頷きながら、祥之助は窓口に追加で並べられた活動写真の入場券へと目を向けた。

「入場券も売れ行きいいみたいだな。」

 祥之助の問いに会計係の若者も結三郎も満足気に頷いていた。

「御蔭様でな。出入りの商人とかがここから仕入れて売ってくれたり――後、近所の比後(ひご)藩の人達が一昨日沢山購入してくれたんだ。活動写真に出てくる菊芋が比後の特産と言う事らしくてな。自分の所の特産物の精霊が登場したと言う事でとても喜んでいてな……。」

 藩邸の者達を初め関係者にも観覧を勧めるべく沢山の枚数を購入していったとの事だった。

「へえ……。」

 確かに、杜佐所縁の農産物等の精霊が取り上げられていたり、杜佐藩出身者等が出演したりしていれば、祥之助達杜佐藩の者達も喜んで入場券を買い求めるだろうというのは想像に難くなかった。

「祥之助殿も活動写真に興味が?」

 用の済んだ空の紙箱を折り畳みながら結三郎が何となく尋ねると、祥之助は多少口籠りながら頷いた。

「あ、まあ、そんなトコだ。」

「そうか、ならば丁度良かった。」

 祥之助の答えに結三郎は笑みを浮かべ、並べたばかりの入場券の束を手に取った。

「力士長屋の子供達にでも入場券をどうだろうかとさっき義父上と話をしていたところだったんだ。――子供達に、その親御さん達に……ああ、春乃渦部屋の人達や照応寺の和尚さんとか……まあ三十枚位あれば一先ずは足りるか?」

 十枚ずつ束にしていたものを三つ手に取り、結三郎は祥之助へと手渡した。

「足りなかったら遠慮せず言ってくれ。――とは言っても長屋の人達からは佐津摩の殿様相手には物が言いにくいだろうから、祥之助殿が気を配ってくれると有難いな。」

「あ、ああ……。」

 結三郎の言葉に頷きながら祥之助は手渡された入場券の束へと目を向けた。

 「証宮新報」に載っていた広告の線画ではなく、実際の俳優が剣を片手に精霊達と見得を切っているカラー写真が印刷されており、この券だけでも俳優の絵姿として手元に置いておきたいと思わせる作りになっていた。

「力士長屋にはよく出掛けると言ってただろう? 何かのついでに届けて欲しいんだ。」

「それはいいけどよ。」

 結三郎に頼られて祥之助に拒否の返事は無かった。

「しかし随分と気前がいいな、島津公……。」

 券の束と結三郎とを交互に見ながら感心している祥之助の様子に、結三郎は軽く笑いながら事情を説明した。

「活動写真の企画自体が宣伝みたいなもので、帝も博物苑も儲けを出そうとは考えていないんだ。国民への啓蒙が第一で、語弊があるが「お野菜剣士」は客寄せの餌みたいなものなんだ。帝の目的としては図書館の利用の仕方を国民に教えて、図書の利用の普及を図りたいと御考えなんだ。」

 塔京以外にも冠西の京や、各藩の藩主の住む城下町等、日之許各地に少しずつではあったが図書館や活動写真の上映場の建設が進められていた。娯楽と教育を兼ねられる活動写真と言う手段は帝達為政者にとって都合が良いものだった。

 ――当然、メディアの悪用による民衆の洗脳と言った知識や技術も神降ろしによって神々から既に教えられていたが、知識や技術の悪用・濫用の先に何があるのかを身に染みて、身を以って体験させられている為政者達が余計な欲を出す事は無かった。

「へえ~……。」

 帝や茂日出公の御考えは御考えとして、取り敢えず祥之助は長屋の子供達が活動写真を楽しんでくれればいいと思った。

「秋にはまた違う企画で武芸物とか恋愛物の活動写真を作ると仰っていたな。それの同時上映で公衆衛生の周知とか、詐欺防止、犯罪防止の呼び掛けとか……。公衆衛生の方はその内成人向けの企画で性病予防とか望まない妊娠の予防や望んだ妊娠であっても出産までの養生や産後の注意事項とかも……あ、いやまあ、それはいいか。」

 話が横道に逸れてしまい結三郎は慌てて咳払いをして口を閉じた。

 様々な身分の人々への教育が充分に行なわれてこなかった時代が長く続いていた為、大人であっても迷信や思い込みに凝り固まった者も多く、そうした人々への啓蒙もまた必要とされる事柄だった。

「そ、そうだな……。」

 少し顔を赤くして黙り込んだ結三郎に釣られてしまったのか、祥之助も思わず顔を赤くして俯いた。

 そんな二人の様子を面白がって眺めていた会計係の若者が、にやにやと笑いながら声を掛けてきた。

「佐津摩の男色の男性用の公衆衛生――と言うか性教育用の活動写真は既にありますよ。」

「!!」

「なっ!! 安本!」

 会計係の若者――安本の言葉に結三郎と祥之助が驚きに思わず顔を上げた。

 結三郎の咎め立てる様な言葉にも安本は意に介した様子も無く、無邪気に笑いながら祥之助へと説明した。

「そっ、そうなのか?」

 男色の男性用の性教育――その言葉は祥之助の興味を大いに惹き付けるものだった。

「――男同士だと妊娠の心配が無いものですから、場合によっては大昔は乱暴な強姦紛いの行為が罷り通っていたり、或いは悪意が無くても知識不足で「下半身」の怪我や病気を患う事もよくあったので、茂日出様が主導して御制作なされたのですよ。」

「ふむふむ。」

 奥手で顔を赤くしている結三郎を余所に、祥之助は安本の解説に聞き入ってしまっていた。

「べ、勉強の為に一度見てみたいものだな……。」

 顔を赤くしながらも好奇心が隠し切れない様子で祥之助は思わず呟いていた。

「まあその内機会があればな。――ほら、もう用は済んだだろう、早く行け。」

 結三郎が恥ずかしがる様子をからかい面白がっている安本を睨み付け、結三郎は誤魔化す様に祥之助の背中を叩いて急き立てた。

 半ば追い出される様にして会計係の窓口を出た祥之助は、ならばもう少し結三郎と他愛の無いお喋りに興じたいと思ったが、

「まだ奥苑の仕事の途中なんだ。色々と忙しいんだよこれでも。」

 結三郎は照れ隠しもあってか赤い顔のまま素っ気無くそう言い放つと、さっさと奥苑の方へと去ってしまったのだった。

「あ……!」

 活動写真の観覧に結三郎を誘おうとしていた事を思い出し、祥之助は既に立ち去ってしまった結三郎の後ろ姿を追ったものの――結三郎の姿は既に博物苑の方へと消えてしまっていた。

 結三郎へのお誘いはまた明日にでも出直そうと思い直すと、祥之助は貰った券の束を着流しの袂の中へと仕舞い込んだ。

 丁度良かったと言うべきなのか、三十枚もあれば結三郎と自分の二人分――いや、精介の分を入れて三枚貰っても、力士長屋の者達には充分に行き渡ると思われた。

 気を取り直して今日は力士長屋に入場券を届けに行く事にしよう。

 そう思い立つと祥之助は高縄屋敷を後にした。



 科ヶ輪へ向かう途中の手前の地域で、祥之助は行きつけの饅頭屋で力士長屋の子供達への土産を買う事にした。

 さっきの高縄屋敷で使わなかった手形を使って支払いを済ませると、饅頭を軽く温め直している間に隣にある雑貨屋で「証宮新報」も購入した。

 雑貨屋の老婆は慣れたもので、予め手形を押す為の半紙と墨と筆を用意して待っていた。

「珍しいですね。今日は「証宮新報」を買って行かれるんですね。」

 老婆は押された手形の半紙を軽く仰いで乾かしながら祥之助へと声を掛けた。

「んー、まあな……。」

 雑貨屋では普段は祥之助は子供達用の土産に飴を買って行く事が多かった。

 「証宮新報」は自分の読み終わったものをお下がりとして持って行くのが常だったが、今週号はまだ結三郎との夏祭りデエトを思案する為に取って置きたかったので、子供達の為に新たに買い求める事にしたのだった。

 ――杜佐藩邸の会計係が見たら、そういうところがよろしくない、と小言を言うに違いなかった。小まめに貯める努力ではなく、小まめに使うという反対方向の努力をしているではないか、と。

 今日の日付の入ったツケの手形が藩邸に回ってくる後日には、祥之助は軽い小言を食らう事になるが、今日の祥之助にはまだ与り知らぬ事だった。

 取り敢えず新聞と饅頭を買い終わり、祥之助は科ヶ輪へと再び歩き始めた。

 歩きながら自分用に買った肉饅頭を頬張りながら、祥之助は力士長屋の木戸口へと差し掛かった。

 精介がこの世界に転移して来た時に自転車で突き破ってしまった扉も、修繕されてひと月程が過ぎて新しい木材も少しずつ落ち着いた色合いになってきていた。

「こんちわー。」

 肉饅頭を食べ終わり、祥之助は声を掛けながら長屋の敷地へと足を踏み入れた。

「あら、武市様。」

 井戸端で食器を洗っていたおかみさん達が祥之助の姿に気が付いて顔を上げた。

 たまに赤ん坊の泣き声とそれをあやす母親の話し声が聞こえる程度で、今日の長屋は随分と物静かな雰囲気だった。

「えらい今日は静かだな。」

 明春は多分照応寺に出掛けて相撲の稽古をしていると思われたが、子供達の姿が見えない事に祥之助は軽く首をかしげた。

 祥之助のその様子に、おかみさんの一人――背の低い小柄な中年女性――安子が明るく笑いながら説明してきた。

「子供達、今日は学校の日なのよ。昼御飯も学校で食べさせてくれるから楽が出来ていいわ。」

「あー。そうだったのか。」

 安子の話に祥之助は納得して頷いた。頒明解化による学校制度の整備が少しずつ進められていく中で、七歳からの子供達に二年間の勉学の機会が義務付けられていた。

 ただ、そもそもが身分の上下問わず人々に広く、兎に角最低限のしっかりとした読み書き計算の能力を身に着けさせなければならないとして、子供達への義務は義務として、整備された学校以外にも急ごしらえの集会所や寺社の御堂等を利用して年齢問わず勉学の場が設けられ、少しずつ仕事の合間を縫ってではあったが大人達も通う様になってきていた。

 力士長屋でも不定期ではあったが、大家の室戸宗兵衛の幼馴染である照応寺の照安和尚が長屋にやって来て長屋の大人達に読み書き計算を教える様になっていた。

「――おー。武市様じゃねえの。」

 祥之助がおかみさん達と話をしている間にも、学校が終わった子供達が木戸口から入ってきた。

 目聡く祥之助の手にしている大きな紙袋に気付くと、子供達は嬉しそうに祥之助へと群がった。

「今日の土産は饅頭だな?」

 男の子の一人が紙袋を覗き込んだ。

「あ、今日は新聞もあるのね!」

 年上のおかっぱの少女が祥之助の手にしている「証宮新報」に気が付いて目を輝かせた。

「あのね、お姉ちゃんと今日は学校で新聞の記事の書き取りの練習したの。」

 少女の妹が嬉しそうに祥之助へと話し掛けてきた。

「そうかー。皆、勉強頑張ってるな。」

 口々に楽しそうに話し掛けてくる子供達の頭を撫でていきながら、祥之助は取り敢えず安子へと土産の饅頭の紙袋と「証宮新報」を預けた。

「でね、でね、今日はアカシノミヤからイドウトショカンが来てね、御本みんなで借りたの!!」

 幼い何人かの女の子達が見せびらかす様に色とりどりの絵本を祥之助へと掲げてきた。

 花や鳥等の生き物を扱ったものや、昔話の御姫様の物語等、色鮮やかなカラー印刷の絵本は彼女等の興味を惹き付けていた。

「へえ~。移動図書館か。」

 読み書きの勉強の成果を書物を読む楽しみに結び付けようと、各地の学校への出張と言う形で麻久佐の証宮離宮殿図書館から馬や驢馬、牛等の動物に図書を積んだ荷車を牽かせて出掛けていく移動図書館と言う取り組みも行なわれていた。

 ――余所の世界やと、夏休みはショウガクセイ、チュウガクセイの子供等の読書の季節らしいやんか。夏休みの読書キャンペェンやな。

 神降ろしで何処の世界の知識を得たのか、帝からの御声掛かりで今年は各地の学校を夏に入ってからは毎週の様に図書を積んだ荷車が巡回する様になっていたのだった。

「俺は「お魚忍者」!」

「俺は「餅餅力士」!と「お野菜剣士」!」

 皆が一斉に借りてきた絵本を自慢げに見せてきて、祥之助は苦笑しながら順番に眺めていった。

「あ。」

 子供達の楽し気な勢いに押されて忘れかけていたが、「お野菜剣士」の絵本で今日の用事の本題を祥之助は思い出した。

「そうだそうだ、まだ土産があったんだった。」

 祥之助はそう言いながら着流しの袂から入場券の束を取り出した。

「「お野菜剣士」の活動写真の入場券だ。今朝、結三郎――あ、いや、島津の若様から皆にって預かってきたんだ。」

「おおー!!」

「まあまあまあ!!」

 小松波之助とお供の精霊達が見得を切っているカラー写真印刷の入場券に、子供達だけでなくおかみさん達も驚き声を上げて覗き込んできた。

「あらまあ、島津様の若様から! 有難いこったねえ。これでタダで活動写真が見れるのかい? 大したもんだねえ。」

「まあ~! 本物そっくりの絵だねええ。恰好いい男じゃないか。」

 安子初めおかみさん達も興味深そうに入場券に印刷された小松波之助の姿に見入っていた。

 明春達春乃渦部屋の者達に祥之助と共に相撲の稽古を付けてくれて、精介と共に子供達が自転車に乗るのを手伝ってくれた島津結三郎の事は、力士長屋の者達の記憶にはまだ新しかった。

「そういや、精介若様の方も元気かねえ。ちゃんと御屋敷で暮らしてるのかねえ。」

 結三郎の事もだったが、ある日の夜中に自転車で長屋の木戸口に突っ込んできたシャツにズボンを身に着けた何処か遠い遠い藩の若様――精介の事も、長屋の皆には忘れ難く思い出深かった。

 精介が元の暮らし――元の世界へと帰っていってからまだ一か月程しか経っていなかった。

 電話がある訳でもなく、郵便制度もまだ整備途中で一回の手紙の遣り取りに三週間位は掛かるのがまだ当たり前の感覚だったので、まだ無沙汰を咎められる程には日数が経っているという訳ではなかったものの。

 しかしそうは言っても長屋の皆は懐かしく精介の事を思い返していた。

「タダで見られるんなら、麻久佐もそうとんでもなく遠い町でもないし、皆で休みを合わせて出掛けてみようかねえ。」

「いいわねえ、どうせウチの亭主は仕事で出られないだろうし、女連中で楽しくやりましょ。」

「賛成賛成!」

 おかみさん達が口々に楽しそうに喋り始めたのを聞いて、子供達も大喜びで歓声を上げていた。

 頒明解化の遥か以前の大昔から、日之許国民の気風として生活が貧しいなりにも、それはそれとして日々の娯楽を見出し楽しもうというものがあった。貧しい者が多くとも、近年は餓死者や病没者も減少し始めていた塔京の町では、人々の娯楽への関心は更に高まっていた。

「――そうしたら、照応寺の連中の分は取り分けて……。」

 明春は力士長屋の住人ではあったが春乃渦部屋の力士の方の勘定に入れ、力士達五人、広保親方、照安和尚の七枚――そしてちゃっかり祥之助と結三郎、精介の分の三枚、合計十枚を取り分けて、残りの二十枚の入場券をおかみさんへと手渡した。

「多分足りるだろうけど、足りなかったら遠慮無く言ってくれ。コクミンへのケイモウとやらで幾らでも融通するって帝が言ってた――って結三郎が言ってた。」

「へえええ、島津の若様と帝様が! 流石頒明解化だねえ。」

 祥之助の中途半端な伝聞ではあったが、結三郎からの厚意は皆に伝わり、おかみさん達は嬉しそうに礼を言った。

「ここまで出て来たし、ついでに照応寺の方に券を持って行ってくる。」

 明春もまだ照応寺の方で相撲の稽古中の様で、まだ帰宅してはいなかった。

 祥之助は長屋の皆にそう言って、遠出の散歩ついでに照応寺の方にも足を延ばす事にした。

 

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メモ書き


 何とか完全に熱も下がり、多少の鼻声感とか眩暈感は残りつつも体調の回復が始まりほっとしております。しかし臭覚がやられてしまい(音に例えると特定のヘルツ数部分だけ判らなくなった感じ?)、それについても早く回復して欲しいと思いながら、ヲカマのオッサン、明日からお仕事です。

 あと、キレ易い中高年の愚痴ですが、この一つ前の話の、第三話其の一、「なろう」以外にもカクなんとかとか、アルなんとかとかにも並行して投稿しているのですけども。アルなんとかのサイト(笑)、投稿不能エラーが出まして。何かと思ったら「新型コロナウイルス」に関する言葉は投稿できません、みたいな表示があったのでした。いやほら、コロナ感染して寝込んでいた云々をメモ書き部分として書いていたのが引っ掛かったらしいのですが。

 ハァァ!?と、脊髄反射で不愉快反応でございますよ。他の二つの小説サイトは引っ掛からなかったというのに。

 というか、アタシが一番嫌う、特定の文字列を機械的に抽出して弾くヤツだこれ!! (噂ではピクなんとかで成人向けな単語が弾かれて、成人向けと承知の上での作品制作の筈がおかしくないですか?みたいな話も聞いた事があります)

 昨今は人間の方がクソで、所謂ヘイトスピーチとか陰謀論とか差別表現への注意をしなければならないという意見もまあ判りますけども、しかし、やはりこういう機械的な禁止は思考停止のまま安易な言論や思想の統制、表現の自由の制限に繋がりやすいので、アタシ自身の考えとしては大ッ嫌いだし愚かなやり方だと考えています。

 どうか、ヒトが自由に物を言い、表現する自由が守られるよう祈っております。

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