第二話ふたつめ、しるすこと 「相撲部員 山尻精介の日之許国への迷い込みに就いて記す事」其の十一 相撲大会二日前までの皆に就いて記す事

第二話ふたつめ、しるすこと

「相撲部員 山尻精介の日之許国への迷い込みに就いて記す事」

 「其の十一 相撲大会二日前までの皆に就いて記す事」


  春乃渦部屋の者達の毎日の稽古については順調で、少しずつではあったが皆の力が付いて来ていると親方も認める様になっていた。

 結三郎と祥之助が照応寺に稽古の手伝いに通い始めて二日経ち、三日経ち――だが、結三郎が精介に元の世界への帰還についての詳しい話を行なう機会は中々訪れなかった。

「毎度~。親方ー、和尚~!居るかい?」

 四日目――夏祭りの三日前の昼前、照応寺の門から力士長屋の八百屋の一郎が荷車一杯に野菜を積んで今日もやって来た。

 春乃渦部屋への差し入れの野菜については、祥之助が居酒屋で酔い潰れて力士長屋に泊まったあの日以降、杜佐藩邸から運ぶ手間を省く為に一郎に注文する事にしたのだった。

 味噌や醤油等の調味料や、肉についても照応寺に近い店に頼む様にしていた。

「いつもすまんのう。」

 一郎を出迎えた和尚も最近はしっかり食べる様になっていたので、大分血色が良くなっていた。

 春乃渦部屋の者達へ気遣って彼等に食べ物を多く回していた為に、元々少食ではあったがやはり今までが足りなさ過ぎていた。

「あ~、手伝いますよ。」

「俺も手伝います。」

 土俵の近くに座り込んで小休止をしていた明春が、一郎の荷車に気付き立ち上がった。

 精介もお古の着物を融通してもらったり、世話になっている長屋の同じ店子という事で明春の後に続いて一郎の所へと歩いていった。

「あ! 私も。」

 彼等の様子に好機だと結三郎は思い立ち、慌てて二人の後を追った。

「俺も何か手伝おうか?」

 結三郎の近くに座っていた祥之助が尋ねたが、結三郎は軽く振り向き、

「あー、そこまで人数は要らんだろう。ゆっくり休んでいてくれ。」

 そう言って誤魔化し精介の横へと急いで近付いていった。

「・・・山尻殿・・・。」

 そっと小声で結三郎は精介へと囁き掛けた。

「結三郎さん?」

 横に並んで歩く結三郎に、精介は少し驚いた様に顔を上げた。

「中々きちんと話が出来ずにすまない・・・。兎に角、必ずきちんと元の世界へと送り返す。だから心配しなくても大丈夫だ。」

「あー・・・はい・・・。」

 精介が元の世界へと帰れるかどうかと心配してはいなかったか――、むしろ気を揉んでいたのは結三郎の方だけだとも思える様な、随分と手応えの薄い精介の返事だった。

 気を張っているのか取り繕っているのかは判らなかったが、何処か困ったかの様に少し眉を寄せ、それ程大して嬉しくもなさそうな精介の表情だった。

「――すまんな三人共。それでは台所の方へと箱ごと運んでくれぬか。」

 和尚が結三郎達に声を掛けて来たので、それ以上帰還についての話をする事は出来なかった。

「お! 若様。今日も頑張ってるねえ! もう明春より強えんじゃないか?」

「有難うございます! いやあ俺なんかまだまだッスよー。」

 一郎からの冗談に精介は楽しそうに笑いながら頭を掻いた。力士長屋の者ともすっかり打ち解けていた様だった。

 むしろ帰還の話よりも精介の表情は生き生きとしている様で、それを見ていた結三郎は何となく釈然としないものがあったが、まあ外から見ただけではその人の内面の思いは判らないものだから――と、結三郎は大して深く考えずに荷物運びの手伝いを行なう事にした。

 結局この日もそれ以上の話をする事も出来ずに終わってしまったのだった。



 翌日。

 とうとう四つの寺社合同の夏祭りは明後日となってしまった。

 親方と和尚は今日は午後から祭――相撲大会もだが――の会場となっている覚証寺(カクショウジ)に打ち合わせや設営等の手伝いに出掛ける事になっていた。

 力仕事については春乃渦部屋の者達も手伝った方が良かったのだが、ぎりぎりまで稽古をしておれと親方は言い、午後の稽古の指導は祥之助と結三郎に任せる事になっていた。

 小さな相撲大会であっても油断せず必ず優勝をする為に、明春達春乃渦部屋の力士達は今日も稽古に集中していた。

「――よし、少し休むか。」

「おっす!」

 少し皆が集中し過ぎて力み始めていた事に気が付き、親方は休憩を取る事にした。

 やはり大会の日が目の前に迫ると、皆にどうしても焦りや落ち着かなさが出てしまう様だった。

「そういや~今日はまだ祥之助様達来てないなあ・・・。」

 土俵から下り手の甲で汗を拭いながら、明春は土俵の向こうにある寺の門の方へと目を向けた。

「そうッスね・・・。結三郎さん達、何かあったんスかねえ・・・。」

 明春や利春達に手拭いを渡しながら精介も門の方を見た。

 ――見ながらも、やはりつい、精介は明春や利春のがっしりとした筋肉の付いた体へと目を向けてしまっていた。しかも今は稽古直後の汗まみれで肌も赤く上気した、大変に汗臭く男臭い素晴らしい眺めになっていた。

「――お? やっぱ気になるか?」

 精介の視線に気付いた利春がにやにやと笑いながら精介の赤くなっていた顔を覗き込んだ。

「あ、あ、その、すんません・・・。」

 利春から慌てて顔を逸らし、精介は頭を下げた。

「いいっていいって。そんだけオレが男前だってコトだろー?」

 わざとらしく胸を逸らして何かしら格好を付け、利春は明るく笑い飛ばした。

 利春自身は男色ではなかったが、十五歳の成人前までは明春同様杜佐で過ごしてきたので男色の者はやはり身近に居り、特には偏った物の見方をする事は無かった。

「ははは・・・。その・・・すんません。」

 精介は謝りながらも、利春の全く男色を気にしていない様子に今更ながら安堵し、ほっと息を吐いた。

「――ああ、先程高縄屋敷から使いの者が見えて、二人共用があって少し遅くなるとの事じゃ。午後からワシと和尚が出掛けるのと交代になるかのう。」

 精介達のふざけ合いを微笑ましく見ながら、親方は先刻寺にやって来た鳥飼部の者からの知らせを皆に伝えた。

「そうなんですか~。」

「残念だなー。精介。憧れのお二人に稽古付けてもらおうと思ってたのになー。」

「そ、そそ、そんな事! あ、いや普通に稽古は付けてもらいたいッスけど!」

 賑やかに軽口を言い合いながら皆は汗を拭きながら長椅子の所へとやって来ると、桶から水を飲んだり頭から軽く浴びたりした後、思い思いに腰を下ろした。

「そうかー。精介は俺みたいなのは好みじゃないのかー。残念だのう。」

 肥えた腹を揺らして笑いながら庄衛門が精介をからかった。

「まあ、俺も精介みたいな痩せた奴よりは、もっとでっぷりと肥えた如何にも昔ながらの相撲取りという感じの男が最高だからなあ。」

 庄衛門の笑いながらの言葉に、そう言えば庄衛門も男色だと言っていたと精介は思い出した。

「そうだよな~。男色と言ってもそれぞれ好みというもんがあるよなあ。精介には毎晩期待させていたみたいで悪かったけど、俺も好みは自分よりも年上のオジサンというかそんな感じの男性なんだよなあ。」

 相変わらずのんびりと笑いながら発せられた明春の言葉に、精介はここ二、三日の内で一番の衝撃を受けた。

「な! 期待だなんて、そんな! ――ていうか、えええ!? オッサン好きなんスか!?」

 力士長屋の同じ部屋で寝泊まりしている為、好みのタイプでもある明春をつい性の熱のある目で見てしまう事も少なくはなく――明春の事を思い出しながら、夜中に長屋の者達が使っていないのを見計らって便所で精介はその熱を排泄する事も多かった。

 色々と旺盛な思春期男子の欲の勢いもあり、初日は辛かった便所の臭気も今は随分と気にならなくなっていた。

 一つか二つ位しか違わない同じ様な年頃で、同じ部屋に住む同じ男色の者という事で、精介の夜中の一人相撲はやはり明春には察せられていた様だった。

「そうなんだよ~。男はやっぱり三十を超えてからかなあ。」

「そ・・・そうッスか・・・。」

 勿論、本気の恋愛という訳では全くなかったが、それでもハナから明春の好みの対象に入っていなかったと言う事に精介は何となくがっかりとしてしまっていた。

 いつもはそろそろ稽古を再開しろと親方は叱るところだったが、力んで必要以上に緊張しかけていた皆の様子を考え、親方はもう少しお喋りを楽しんでもらおうと微笑みながら皆の様子を見守っていた。

「でっぷり肥満に、三十路のオッサンか――。そうだよな・・・。俺達も他の友達とかと女の人を見て美人がどうとか体付きがどうとか色々言うし、お互い様だよなあ・・・。」

 手拭いを肩に掛けて長椅子に腰を下ろしていた利春が、明春達の好みの男性の談義を傍らで聞きながら溜息をついた。

「そうそうお互い様だよ。俺も大分前に他の相撲部屋の奴等と飯食ったり酒飲んだりした時にそんな話したけど、中には女の人の事、すげえ下品に品定めする奴も居るんだよなー。調子乗って・・・まあ、色々言いまくるのに、自分達が男色の奴から逆に品定めされる事があるだなんて夢にも思ってねえ様な感じでさー。」

 この中では一番年下の初心そうな精介に気を使ったのか、春太郎は下品な品定めの内容は濁したが、酒の席での女色の――異性愛者の者達の様子を思い出し、大きな溜息をついた。

 春太郎も男色ではなかったが、女性の事を物か何かの様に扱ったり、誰かの所有物の様に品定めして笑い合う様な感性は持ち合わせてはいなかった。

「――そんで、何かの拍子に男色の話を聞いたりすると、ぞっとするとか、おぞましいとか言い出すんだぜ・・・。」

 そして――。ケツはしっかり守れよ門番殿。ハイッ、後門(肛門)の守りは万全であります。等々――酒に酔って笑いながら冗談のネタにして消費するだけという、彼等にとって男色の者というのはそれだけのものでしかなかった。

「ほんとになあ~。あれはひどかったなあ~。」

 その席には明春も居て、その時の事を少し思い出し、顔を曇らせた。

「その点、杜佐とか佐津摩とかの侍の方がわきまえてるよなあ・・・。」

 明春の曇った表情を見ながら庄衛門は、まだ垂れてくる顔の汗を手拭いで拭いた。

 杜佐や佐津摩は男色が身近な分、自分自身が他の男性から性愛の対象にされるかもしれないという意識があり、春太郎達が酒の席で聞いた様な考え無しに男色の者を馬鹿にすると言う事はまず無かった。

「佐津摩の侍か~・・・。いいよなあ~。憧れるよなあ~」

 明春はほんのり頬を染め、遠い目をして呟いた。

「うんうん。佐津摩のイモ侍とかイモ相撲取りとかと手合わせしてみたいなー。」

 庄衛門もまた何度も頷きながら明春の言葉に同意していた。

 一応は結三郎も佐津摩の侍で相撲取りではあったが、肥満好きの庄衛門の頬を染める憧れの対象には入っていなかった。

 元の世界でいうところのアイドルとか芸能人とかに憧れる感じなのだろうかと思いながら、精介は明春や庄衛門の様子を眺めていた。

「ふふ。――五十年から百年位の昔は佐津摩の侍もひどかったらしいぞ。杜佐よりものう・・・。」

 背後で皆のお喋りを楽しそうに見守っていた親方も、話に割り込んできた。

「そうなんですか?」

 春太郎が親方を見上げながら尋ねた。

「杜佐も武芸に励めという気風じゃったが、昔の佐津摩は武芸というか・・・血に飢えた武力・・・いや暴力至上主義というところまでいっておったという諸国の噂じゃった。それを先代の藩主が教育し直したという話じゃ。」

「ええ・・・。」

「噂に尾鰭が付き過ぎじゃないですか・・・?」

 親方の話に、利春や春太郎の顔が青褪めた。

 親方も青褪めた弟子たちの表情に興が乗ったのか、楽しそうに笑いながら続きを口にした。

「佐津摩藩の前の藩主、島津茂日出公――鬼神も恐れて道を譲るとまで言われたそのお人が、荒武者――とすら言えないただ獰猛なだけの狂戦士、暴力集団だった佐津摩の侍の在り方を変えたいと願ったのじゃ。茂日出公自身も武芸に秀でてはいたが、彼自身は学問を愛し帝とも高度な学問の遣り取りを行なう程のお方じゃった。武力を鍛えるにしてもきちんとした正しい知識に基づいた鍛錬の仕方があると提案もしたが、それまでの考え方や遣り方にこだわる者達に阻まれ、なかなか上手くはいかんかった・・・。」

 親方の語る話に明春達もつい聞き入っていた。

「ついに業を煮やした茂日出公は、三十・・・いや四十年前か、佐津摩の武力至上主義を逆手に取る事にした。自分が佐津摩の武力の頂点に立つ。一番強い者に従う古来からの佐津摩の慣習に己らがこだわるならば、我に従え――と、茂日出の考えに反対する者達およそ千人と武術による対決を行ない、最後には前々藩主である茂日出公の父君と戦い、これに勝利した。」

 佐津摩藩の前藩主って――結三郎さんの義父だとか言っていたが、そんな凄い――凄まじい人なのか。

 まだ見た事も無い茂日出公を、物凄い鬼か怪物――元の世界の格闘ゲームのラスボスか、モンスターの様に精介は想像してしまい、結三郎と茂日出に血の繋がりが無くて良かったと、何故かほっとしていた。

 親方の話に皆は呆気に取られたまま言葉も出なかった。

「見事、茂日出公は藩主の座を勝ち取り、自分の考える通りの政策を行ない――現在の頒明解化の世に連なる新しい佐津摩の国を作ったのじゃ。」

「いやいやいや、親方、流石にそれは噂話に尾鰭が付き過ぎでしょうよ。」

 利春が笑いながら大きく手を振った。

「そうさのう。ワシも実際に見た訳ではないからのう。杜佐の国に噂話が流れてきただけじゃし。」

 否定も肯定もせず親方も笑った。

 しかし佐津摩の侍というものに何かしら憧れや幻想を抱いているらしい明春と庄衛門は、薄く頬を染めて溜息をついた。

「昔の事は兎も角、今は佐津摩の侍は真の文武両道、男色でなくとも女人に徒に心を惑わせる事も無く、凛々しく男らしく驕らず謙虚でありながら、いざという時には命懸けで戦い抜く――そうした男らしい男揃いと言うし・・・。そうした侍達に教育して下さった茂日出様には感謝しか無いな・・・。」

 どんだけ佐津摩の侍に夢を抱いているんだと横で聞いていた精介はつっこみかけたが――。

 穏やかで真面目で優しそうな佇まいや、それに似合わず激しい相撲を取るのはやはり佐津摩の国の風土に育まれたせいなのか。凛々しく男らしく、驕り高ぶる事も無く謙虚な物腰で――結三郎の事を考え胸を温かくしている精介も、明春と庄衛門の事はとやかく言えないかも知れなかった。

「――・・・・・・。」

 無意識の内に精介は、明春や利春、春太郎、庄衛門――そして親方達の楽しそうに話をしている様子を眺めながら、しみじみとした思いに目を細め微笑んでいた。

 こうした他愛の無いお喋り――精介が元の世界であれ程までに悩んでいた男色の話題すら他愛の無いものとして扱われていた――をしている中に混じっていると、何ともほっとする様な、変な緊張感も無く自然体で居られる自分に気が付いた。

 春乃渦部屋の者達の持つ空気は、精介の心を随分と解し安心感を与えていた。

 春乃渦部屋で相撲を取れる事が嬉しく楽しい――やっと一週間が経とうかという短い日数の内に、精介は部屋の皆に離れ難い親しみを感じる様になっていた。

「よーし、そろそろ稽古を再開するか。」

「おーっす!」

 親方の声に皆は威勢良く返事をして立ち上がった。

「――そうじゃ。精介、またワシと一回立ち合え。上達の程度の確認じゃ。」

 親方も浴衣を脱いであらかじめ締めていたマワシ姿になると、先に土俵へと上がっていった。

「は、はい!」

 親方の言葉に精介は急いで土俵へと上がった。

 仕切り線の前に屈み込み顔を上げると、親方の厳しくも優しく見守る様な顔があった。

「言うまでも無い事じゃが、本気で来るのじゃぞ。」

「はい!」

 精介はしっかりと返事をした。

「あ~、じゃあ俺が審判やるよ~。」

 審判として明春が二人の間に立ち、掛け声を発した。

「――はっけよい!」

 低く屈んで地面を強く蹴り、精介は親方の懐へと真っ直ぐに向かった。

 当然ながら親方にしっかりと受け止められたが、意外と強い力で押してくる精介の様子に少し驚いた様だった。

 何とか親方のマワシを取ろうと責める精介の手を何度か払い、親方は張り手を二、三度繰り出し精介を土俵の外へと押しやった。

「ふむ。」

 土俵の内へと戻って来た精介を眺めながら、親方は嬉しそうに頷いた。

「たった二、三日でかなり力も増してきたのう。それに何より、のびのびと相撲を取れる様になっておる。それが何より良かった良かった・・・。」

 僅かな時間の取り組みの内に親方は精介の今の状態を見抜き、優しく微笑んだ。

「あ、有難うございます!」

 親方の言葉に改めて自分の心の強張りが取れている事を知り、精介は嬉しそうに礼を言った。

 親方と精介が土俵を下りると、明春達が土俵に上がりぶつかり稽古を始めた。

「ほれ、お前も参加せんか。」

 手拭いで汗を拭いていた精介の背中を親方は軽く叩いた。

「は、はい!」

 親方の言葉に慌てて手拭いを置いて精介も土俵へと再び上がった。

 やはり佐津摩と杜佐のお抱え力士である結三郎と祥之助に手伝ってもらったお蔭で、明春達の実力も少しずつではあったが確実に上がっていると親方は皆の稽古の様子を見て判った。

「――本当に、父上にも伯父上にも心配を掛けてしもうたのう・・・。いや・・・部屋の皆にもな・・・。」 

 親方は今更ながら申し訳無さそうに呟いた。

 父も伯父の浅右衛門も、何事にも自分一人だけの力で頑張ろうとする頑固な性格であり、広保親方もその気質は受け継いでしまっていた。

 幼馴染の樟脳問屋の浜田屋が無くなった後、新しい支援者探しや部屋の運営を全て自分一人で何とかしようと気負い頑張ってはみたものの、十人程居た弟子達を養う事は到底出来ず半分以上が去ってしまった。

 残った明春達四人にも随分と辛く不安な思いをさせてしまい――。

「やはり・・・親方失格かも知れんのう・・・。」

「――いいんじゃねえか? 人に心配掛けちまったと自覚して反省出来たんならよー。」

 不意に背後から声を掛けられ、親方は思わず肩を震わせて驚き振り返った。

「祥之助様・・・! 脅かさんで下され。」

 親方が振り向くと、また風呂敷荷物を背負っていた祥之助が居り、その隣には結三郎も立っていた。

「お恥ずかしい。聞かれてしまいましたか。」

 苦笑しながら親方は白髪頭を掻いた。

「少しだけな。皆に心配掛けたとかどうとかな。――まあ、朝渦家の連中は皆揃いも揃って意地っ張りの頑固者だって爺やが言ってたし。人の助けを受け入れられただけでも上出来なんじゃねえか?」

 祥之助は明るく笑い、背負っていた風呂敷包みを親方の近くに下ろした。

「そういうものですかのう・・・。」

 親方は少し顔を曇らせながら祥之助を見た。

「そうそう。」

 明るい笑みを崩さず祥之助は親方に答えた。

「・・・何となくお前が言うな、という気持ちになるのは何なのだろうな・・・。」

 二人の遣り取りを横で見ていた結三郎が、釈然としない表情で呟いた。

「――あ、今日は遅れて申し訳ありません。私の方は、麻久佐の方に寄っていたので遅くなってしまいました。」

 結三郎は親方に謝り、肩掛け鞄から二冊の書物を取り出した。

「証宮離宮殿の図書館付属の書店にあった物です。皆様の鍛錬に役立てて欲しいと思いまして。」

 二冊とも四十ページ程のさして厚い本ではなかった。

 だが、光沢のあるやや厚めの表紙に写真印刷で力士が四股を踏む姿がデザインされ、「相撲鍛錬読本・壱、弐」と題名が筆文字のフォントで書かれていた。

 精介の世界ではよくあるスポーツのトレーニング方法を写真付きで解説している様な本だったが、日之許の世界では印刷機械等も充分には普及していなかった為に、まだ一般には余り流通はしていなかった。

「博物苑から証宮の図書館に問い合わせてもらっていたのですが、中々適切な物が見つからなかったらしくて。ぎりぎりの日程になって申し訳ありません。」

「いやいや島津殿、謝らなくとも結構ですぞ。この様な大変に貴重な物をお持ちいただき、感謝に堪えません。」

 親方は結三郎から受け取った本をさっとめくり、中に目を通した。

 今まで見た事も無い様な精緻な絵で初心者にも判り易く鍛錬の方法や注意点等を解説している内容は、長年相撲の指導をしてきた親方から見ても為になるものだった。

「私から・・・というか、実は義父から部屋の皆様への差入でもあるのですが、下手に佐津摩や島津茂日出の名前を出すと要らぬ面倒を呼ぶかも知れぬからと、あくまで私個人の贈り物として渡す様にと言いつかって参りました。」

 当初はこの本を図書館から春乃渦部屋への貸し出しという手続きを取ろうと結三郎は考えていたが、茂日出から図書館付属書店で購入して贈り物にすればいいと提案されたのだった。

 証宮離宮殿の図書館施設には、一般市民向けに自由に出入りできる棟も構えられていたが、人々の識字率もまだまだ充分ではなく、生活費を稼ぐ為に日々の仕事に精一杯の者が多いので、図書館の利用率はまだまだ低かった。

 今回の場合も貸し出した本を誰かが返しに来る事によって図書館に縁を持たせようという意図が図書館側にもあった様だったが、今回は返却の手間によって力士達の鍛錬の時間を削らなくともよかろうという茂日出の気遣いもあった。

「真に色々とお気遣い有難うございます。明後日の大会だけが相撲ではござらぬ。部屋の皆は、これから先も相撲を取っていきます。もっと大きな大会に出たり、多くの大会に出たり・・・。皆の相撲は、この先もまだまだ続いていきます。ワシがいずれ親方を引退した後も・・・。その後も、この書物も参考の一つにして稽古をしていけば、より上達もしていきましょう。」

 親方は結三郎へと深々と頭を下げた。

「――・・・・・・!」

 皆の相撲はこの先もまだまだ続いていく・・・。親方の言葉に、相撲の事に限らず、結三郎は何かしらはっと気付かされる思いがあった。

「しかし何ともはや、これは実に有難い御本ではありませんか。証宮離宮殿の図書館の本とは。そこの本は全て帝が神々から賜った有難い知識を書き記した物と伺っております。実に有難い・・・。」

 親方はそう言って受け取った本を押し頂いた。

 相撲は神事としての側面も持ち、神々や精霊との関わりも深いものだった。

 呪詛という形ではあっても杜佐の相撲取りは土地神との結び付きを強く持っていた為、親方もまた、力士としての現役を退いてはいたものの――相撲取りの端くれとして、神々が相撲の鍛錬についての知識を与えてくれた事に感謝の念を抱いていた様だった。

「なあ、その本、俺も後で見せてもらってもいいか?」

 親方と結三郎の遣り取りを見ていた祥之助が、親方の近くに下ろしていた風呂敷包みを解きながら結三郎を見上げた。

 祥之助の場合は神々からの有難い知識がどうとかいうよりは、単純に写真図解の書物が物珍しいという好奇心からの様だった。

「あ、ああ・・・。そうだな・・・。」

 既に親方に差し上げてしまった物なので結三郎は親方に問い掛ける様に顔を向けたが、親方は快く頷いた。

「勿論。祥之助様もよく読んで、伯父上に褒められる様に鍛錬にお励み下され。」

「はいはい。判りましたー。」

 親方の言葉に祥之助はわざとらしく口を尖らせた。

 それから風呂敷包みを解いてから立ち上がると、ほっと息を吐きながら肩を揉んだ。

「俺の方は、朝から爺やに捕まっちまってなー。人に指導する為の稽古をさせられたぜ・・・。何か、稽古中の人の動きの見方とか、順番に皆を見ていけとかなー・・・。」

 ――まだまだ人に指導したり稽古を付けられる様な境地ではございませんぞ。教え下手な者は却って害悪ですぞ祥之助様!

 という様な浅右衛門の有難い小言付きの指導や稽古が朝から行なわれ、いつもの自分一人や他の力士達との稽古とはまた勝手の違う内容で体よりも頭の疲れの方がひどかった。

「それはそれは・・・。」

 親方は祥之助や伯父の浅右衛門の気遣いにも胸が一杯になり、頭の下がる思いだった。

「――で、大会の直前と言う事で、更にきちんと美味い物食って力を付けてくれという爺やからの差入だ。いい店の肉やら魚やら、後何か朝渦家の連中が好きだとかいう菓子屋のカステラとか・・・。」

 祥之助は中の荷物を指し示して説明し、再び風呂敷を包み背負い直した。

「取り敢えず台所に置いてくる。」

「真に有難うございます。大会が終わりましたら、必ずご挨拶に伺うと伯父上によろしくお伝え下され。」

 台所の方へと向かう祥之助に親方はそう言って頭を深く下げた。

「では私は先に着替えて皆の稽古を見ましょう。」

「有難うございます。」

 結三郎は親方にそう言って明春や精介達が稽古をしている土俵の方へと向かった。

 親方は結三郎に礼を言って見送った後、何度か本をめくり、また有難そうに押し頂くという事を繰り返していた。

 その様子を少し振り返って見ながら、結三郎は何となく――何故だか親方に対して申し訳無い様な気持ちにもなりながら今朝の事を思い出していた。

 その本を受け取りに行った時に、図書館書庫で蓑虫の様に布団にくるまって、その周囲に散乱する書物の山を築き読書に耽っていたこの国の最高責任者の姿や、その御方と義父との書物を巡っての子供の喧嘩染みた遣り取りを見せられて呆れたというのもあり・・・、真摯に図書館の本に感謝を捧げている親方に何とも申し訳無い思いが湧いてしまっていた。



 結三郎は今朝方、証宮離宮殿図書館で希望していた書物が見つかったと茂日出から知らされた。

 高縄屋敷に届けてもらう事も出来たが、しかし届くのは図書館側の人手の都合もあり明後日と言う事だったので相撲大会には間に合わなかった。

 その為仕方無しに結三郎は図書館へと受け取りに出向く事にした。

「――証宮離宮殿に行くのか? 丁度良い。たまには親子で外出するのも良かろう。」

 結三郎が出掛けようとすると、奥苑での作務衣姿のままの茂日出も証宮離宮殿に用があるとの事で、珍しく親子で連れ立って出掛ける事になった。

 勿論、麻久佐まで徒歩とはいえ前藩主が外出する為、形ばかりではあったが護衛が二人程、鳥飼部の作務衣姿に変装して同行する事にはなっていたが。

「人間の社会の建前は面倒臭いですよね。殿に付ける護衛の費用、毎回勿体無いと思うのですけど。」

「そう言うな。一応は練習とか実践訓練とかしておかぬと、他の者の護衛業務に就いた時に困るであろうが。ワシならば護衛の者が多少失敗しても取り返しがつくからのう。」

 前藩主も既に自分が守られるつもりの無い発言をしてしまっていた。

 自身への反対派の者達約千人を武術大会を開いて相手取り、見事に勝ち抜いて藩主の座を手に入れた人間の何処に護衛の必要性があるのか――、ダチョウや奥苑の鳥飼部達は人間社会の常識や建前というものに溜息をついていた。

 照応寺への遅刻の連絡は祥之助に伝えてもらおうと思い、結三郎は途中、一応は高縄屋敷のお隣である杜佐藩邸正門へと茂日出や護衛達と共に立ち寄った。

 正門の門番二人の内一人は新人だった様で、いきなりの佐津摩藩前藩主親子の訪問に目を剥いて驚き立ち尽くしていたが。

 取り敢えず門番に祥之助へと取り次いでもらうと、祥之助もまた二、三時間、朝渦指南役から相撲の指導を受けてから照応寺に向かうとの返事を門番が結三郎達へと伝えた。

 その為、今日は二人共遅刻という事になってしまった。

 仕方無く、高縄屋敷で手の空いている者に照応寺に使いに行くようにと言い付ける為に、結三郎達は一旦屋敷へと戻った。

 護衛の一人にでも伝言に走らせても良かったのだったが、その者が戻るまでの間、他藩の藩邸の門前で佐津摩藩前藩主親子が待機するというのも色々と対外的な問題になりかねなかったので、流石の茂日出もそれは自粛した様だった。

「――やはり一般市民が皆等しく手軽な通信機器を利用出来る様に、何とか頒明解化を頑張らねばのう・・・。些細な連絡事に一々手間暇が掛かって仕方が無いのう。」

 やっと麻久佐へと出発する事が出来、途中茂日出は溜息をつきながら呟いた。

 博物苑・奥苑の中で使われている通信装置の便利さに慣れてしまい、日之許国の一般的な生活水準の中に戻ると不便な様に感じてしまっていた。

「そうですね――、それに、こうして麻久佐に向かうにしても、道を整備して山尻殿が乗っていた様な優れた自転車を運転すれば、短時間で移動も出来ますね。」

 茂日出の言葉に結三郎も、進んだ技術が実際の日常生活の中に反映された精介の世界の自転車を思い浮かべた。

 そうして彼等らしい親子の会話をしながら麻久佐への道を歩いていった。

 その道中は、勿論何事もある訳は無く――あったとしても恐らく茂日出には何の危険も無いだろう――護衛達にとってはとてつもなく難易度の低い訓練になっていた。

 ――証宮離宮殿がある麻久佐の町は、古くからある多くの寺社やその門前市等で栄えていた。

 そうした町に十年前に突然建立された白亜の巨大な塔とその周囲の施設は、町民達にとっては賛否両論、好悪の評価の両極端に揺れるものだった。

 神々からの知識を賜るのは有難いが、同時に地震も起きるのはいただけない――とんだ迷惑施設だ、という意見を持つ町民も少なくはなかった。

 一応は頒明解化により、帝が許すという形で幾らかは人々の思想や言論の自由が保証される様にはなっていた。

 町の路地裏の板塀等にはひっそりと、離宮殿は迷惑だ、地震を起こすな、と言った様な言葉が書かれた紙が貼られていた。

 帝の側近達の中には不敬だ、けしからん、取り締まれと息巻く者達も居たが、帝は他の町民に迷惑を掛けた場合には注意を行なう等といった目安を作り、頒明解化による新しい国作りの上では段階的にではあったが思想や言論の自由を保障し、決して無闇には取り締まってはならぬと厳命していたのだった。

 麻久佐の町の通りを結三郎達が歩いていると、時々、茂日出の大柄で筋骨隆々の姿に驚きの目を一瞬向ける者達もいた。

 観光客らしき土産物の詰まった手提げ袋を手にした一団ともすれ違い、彼等も一瞬は驚きの目を向けていたが、近くにある寺の五重の塔よりも遥かに高く聳える証宮離宮殿の白い塔の方がより驚きが強い様で、すぐにそちらへと目を奪われ見上げていた。

 そうした観光客や、慣れてきてはいてもやはり圧倒的な質量と存在感とに時々は見上げてしまう町民達の間を縫って結三郎達は証宮離宮殿へと向かった。

 離宮の正門は流石に一般人は立ち入り禁止で閉じられており――佐津摩藩前藩主親子という身分は一般人ではなかったものの、今日の用事はそこではなかったので――、結三郎達はそこからもう少し歩いた場所にある五階建てのやはり白いレンガ作りの建物である証宮離宮殿図書館へと入っていった。

 建物の外観は簡素な白いレンガの壁だったが、中に入ると廊下や壁等には多くの木材が使われ、杉や檜の爽やかな木の香りが漂っていた。

 障子の木枠に紙の代わりにガラスを張り付けた引き戸を開いて結三郎達が図書閲覧室へと入ると、爽やかな木の香りと書物のインクや墨の香り、新旧の紙の香りが混じり合い独特の空気が流れてきた。

 入口を入ってすぐ右手に受付窓口があり、男女共に神社の神職の装束を連想させる様な白衣に茶褐色の袴を着用しており、それが図書館職員の制服の様だった。

「――頼んでいた書物が見つかったと伺ったのですが・・・。」

「はい。島津結三郎様でございますね。今お持ち致します。」

 初老の男性職員が手元の帳面をめくって確認し、背後の扉から奥の事務所へと引っ込んだ。

 暫くの後に職員が二冊の本を手に受付窓口まで戻って来ると、台の上に置いて結三郎へと示した。

「御注文の本で御間違えは無いでしょうか。」

「はい。」

 結三郎が頷くと、職員は貸出手続きを行なおうと手元の金属板に触れ、本を翳そうとした。

 証宮離宮殿図書館では既に蔵書の管理が機械化されており、本に仕込まれた微細な金属片の読み取りで貸し出しの記録も行なわれていた。

「――あ、待たれよ。――今回は購入していかぬか?」

 不意に茂日出が手を上げて職員の手続きを止め、結三郎へと声を掛けた。

「え? よろしいのですか義父上?」

 結三郎が尋ねると、茂日出は頷き微笑んだ。

「よいよい。誰かしらに図書の返却にここへと足を運ばせて、すこしでも図書館と縁を持たせるのも大事じゃが、今回は皆の稽古の時間を余り削りたくはないからのう・・・。それに、ワシも春乃渦部屋の者達に何かしてやりたくなったしのう・・・。」

 茂日出の言葉に結三郎は嬉しそうに礼を言った。

「有難うございます義父上!」

 図書館のすぐ隣の棟に双子の様に同じ構造の五階建ての建物があり、そちらが図書館付属の書店になっていた。

 図書館に置いてある一般向けの本については販売もそちらの棟で行なわれていた。しかしこれは未来の時代に向けての準備の様なもので、実際には本自体が高価でもある事や識字率、生活費を稼ぐ事に追われている庶民の生活状況等の為に、図書館の本が売れる事は殆ど無かった。

「――では、購入の手続きでよろしゅうございますか?」

「うむ。請求書は佐津摩藩高縄屋敷まで回してくれ。」

 職員の問い掛けに茂日出は頷き、作務衣の懐から図書館のカードを取り出した。

 何処かに読み取り機があったのか、それだけの動作で職員の手元の金属板が反応し、すぐに購入手続きが終わった。

「――あー、眠い。疲れた。しかし実に充実した疲れやな。」

 結三郎達が本を受け取り帰ろうとしたところに入口のガラス障子の引き戸が開き、よれよれの白い直衣を着た男が山程の書物を積んだ小さな荷車を牽きながら図書室へと入って来た。

 白髪交じりの頭髪ではあったが手入れの行き届いた艶があり、頭の両端でみずらに結っていた。色白の肌には艶がありつつも薄くあちこちに皺が刻まれ目の隈もひどく――初老の様な、それなりに若い中年の様な、一目では判りにくい不思議な印象の男性だった。

「検閲という名の読書、終わったで。一般人向けでも構わんヤツや。」

「かしこまりました。それはそれとしてさっさと帝居にお戻りになるか、この離宮の執務室にお戻りになるかお選びになられませ。書類がたまっていると大臣方からうるさいのですが。」

 気安い間柄なのか、受付職員は高貴らしい身分の直衣の男性へとさばけた口調で物を言っていた。

「判った判ったぁあ。執務室に行きますわ~。行~かせてもらいますうう。」

 冠西の古い言葉遣いのアクセントで彼は職員に向かって大袈裟に頭を振り、わざとらしく溜息をついてみせた。

 彼が頭を上げたところで結三郎達と目が合い――笑い掛けて来た。

「お! 何や、シゲやん来とったんか。こっちはシゲやんの息子か。――あ、弥富喜一郎(やとみ きいちろう)はんの息子やったか。ほんま大きゅうなったのう~。今幾つや? あ、飴ちゃん・・・は今無いさかい、そうや、本要るか? 本! 好きな本やるでえ?」

 祥之助とはまた違った方向での人懐っこい笑顔と立て続けの話し掛けに、結三郎は一瞬呆気に取られ硬直してしまっていた。

 そして何より――結三郎の実父の事を知っている事に結三郎はひどく驚いてしまっていた。


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メモ書き


 早くも2024年も1月が終わろうとしていますね。歳を取ると時間の流れが実に速い・・・。

 あー、どっかからお金と若さと体力気力集中力が降って来ないかなー・・・。


 そして今回は春乃渦部屋の男色相撲取り二人、デブ専、オッサン専が発覚するの段でござる。当初は明春を精介とくっ付けようかとも考えていたのですが、没になりました。

 あ、男色と言えば、なろうとかピクナントカとか、その他、今時は広告がページの下端に表示されたりしますが、大抵がゲームとかマンガで美少女がナントカカントカ・・・みたいな広告ばっかりなんですよね。ブラウザでの表示が美少女が「遊んであげる(はぁと)」みたいな広告バナー出ていても、主たる表示がイモカワイイガッシリガチムチ男子があられもない事になっている絵だったりしていて何と言うか物凄いミスマッチというか、広告ターゲットの狙いから大外れ過ぎて申し訳ないと言うか何と言うか。

 まあ、ブラウザの設定とかの細かい所が判らないので広告を非表示に出来ないものも多くてウザいんですけど、取り敢えず「遊んであげる(はあと)」→「遊んでもらわなくていいです」。「あなたの助けが必要なの(何かのオッパイもろだしゲーム?)」→「助けない。むしろお前は必要じゃない。男を出せ男を」とかブツブツ気持ち悪い独り言を言いながらインターネットをしております。

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