第二話ふたつめ、しるすこと 「相撲部員 山尻精介の日之許国への迷い込みに就いて記す事」其の九 結三郎の春乃渦部屋への助っ人に就いて記す事

第二話ふたつめ、しるすこと

「相撲部員 山尻精介の日之許国への迷い込みに就いて記す事」

 「其の九 結三郎の春乃渦部屋への助っ人に就いて記す事」


 高縄屋敷の博物苑・奥苑に結三郎が帰還した頃には夜もすっかり更けていた。

 奥苑の屋敷の廊下の天井の照明は落とされ、足元を照らす常夜灯の橙色の淡い光が等間隔に連なっていた。

 いつもの大広間へと結三郎は戻り、引き戸の扉を開けようと手を掛けたところで大柄な男の影が常夜灯の明かりを遮った。

「あ、義父上・・・。今戻りました。」

「うむ。ご苦労であった・・・。ん? 珍しいのう。酒でも飲んで来たのか。」

 結三郎が茂日出を見上げると、茂日出は眠そうな表情で欠伸交じりに結三郎へと尋ねた。

「あ、ええ、まあ・・・。ちょっと色々ありまして。」

 そう結三郎は答え、引き戸を開きながら二人が中に入ると、中央の円卓で書類仕事をしていた老鳥飼部達が顔を上げた。

「お疲れ様です。殿、結三郎様。」

「うむ。」

 また二、三度欠伸をしながら、茂日出は円卓のいつもの自分の席へと腰を下ろした。

「義父上も随分御疲れの様ですね。」

「うむ・・・。」

 結三郎の何気ない問い掛けに、老鳥飼部達やダチョウからの咎める様な視線が一斉に集まり、茂日出は少しばつが悪そうに目を逸らした。

「・・・それはそれは御疲れでございましょうとも。御帰還の予定時刻を大幅に御過ごしになられる程、証宮の図書館で皆様と御楽しみの様でしたし。」

 ひょろりと長い首を伸ばし、ダチョウが呆れた表情で茂日出を見下ろした。

「図書館?」

 首を傾げつつ、結三郎も円卓の茂日出の近くの席に腰を下ろした。

 ダチョウはふううっと長い溜息をつき、結三郎へと説明を始めた。

「異世界と時空の穴を繋げる作業等で大変忙しいこの時に、前藩主サマは証宮の図書館で見つけたとかいう古代の火山の資料を帝サマや大臣サマ達と読み耽っておられてたのですよ・・・。」

「帝!? 大臣!?」

 一瞬、日之許の国政は大丈夫なのかと結三郎は心配してしまったが、国の最上位の者達が学問に没頭出来るというのは平和な事ではあるのだろう・・・と、無理矢理好意的に考える事にした。

「殿・・・。ずるいですぞ。私達がやりたくもない書類仕事をしている間に、そんな御楽しみに浸っておられたとは・・・!」

 元々が学究に励む事を喜びとしている鳥飼部の者達からも羨望と、憎しみすら混じりかねない前藩主に対して不敬な視線に射貫かれ、茂日出は渋々頭を下げた。

「うむ。申し訳無い。上に立つ者として不徳の至りである。――明日にでも資料の複写を奥苑に送信してもらう様に取り計らうので許せ。」

「――ならいいです。」

 先刻迄の憎しみすら感じかけた表情が嘘の様に消え去り、老鳥飼部達はあっさりと手の平を返し茂日出へとにこやかに問い掛けた。

「今回は何を発見したのですか?」

「ああ、この星で起きた破局噴火の資料の中に、日之許国の噴火の資料も入っていたのだが、何と、四十万年の間に日之許には二回、国土を吹き飛ばす程の規模の噴火があったと。そこから再度この島国が神々によって一度再建され、自然現象で一度再建され・・・という、その辺りの資料が実に興味深くてのう・・・。」

 老鳥飼部達の問いに、茂日出は楽しげに答えた。

 四十万年前という人間の尺度を遥かに超えたものではあったが、自分達の住んでいる国の事ではあったので、茂日出だけでなく帝や大臣達も興味をそそられ、読み進める内にこんな遅い時刻になってしまったのだった。

 日之許で政治の様々な仕事を担当する大臣達も、その半数は帝の学友であり、やはり学問研究を好む性質の者達で――誰一人、茂日出に仕事に戻れと注意する人間は居なかった。

「全く相変わらずの人達ですね・・・。」

 ダチョウがまた溜息をついた。

「いやいやいや、外国出身のそなたには判らぬかも知れぬが、自分の国の大地が大昔とはいえ消し飛んだのだ。しかも、二回目の二十八万年前は何と、我が佐津摩の南海にある祈界島がだな・・・。」

「ええっ!? あの島の火山がですか!?」

 茂日出の言い訳染みた話に結三郎も食い付いてしまった。

「ちょ・・・ちょっとその資料、面白そう・・・。」

「――全くこの親子は・・・。」

 義理ではあったが何ともそっくりな親子の様子にダチョウは呆れ続けた。

「――兎も角。破局噴火の話は後で心ゆくまでしたらよいと思いますが、一先ずは殿と結三郎様の今日の報告と、明日からどう動くかの話だけして解散しましょう。」

 ダチョウの言葉に地質学には余り興味の無い老鳥飼部の何人かが頷いた。

「全くそうですな。我々もさっさと帰って風呂に入って寝たいし、読み掛けの資料もたまってますしのう。」

「そうそう。先日、江地後(エチゴ)からやっと届いた民俗学の資料がですな・・・。」

 本質的な気質は全く変わりの無い老鳥飼部達の話に、他人の事は言えなくもないもののダチョウはうんざりした様子で頭を横に振った。

 ダチョウの仕切り直しで、茂日出は今日の帝との話の本題である、異世界と時空の穴を繋げて固定する作業についての話し合いを済ませた事を奥苑の者達に告げた。

 元々が帝の書いた論文の実証実験でもあり、日之許への災害を減らす為の行為でもあるので帝や大臣達に反対の意見は無かった。

 正味三十分にも満たない話し合いの時間の後は、夜更けになるまで噴火に関する資料を読んでいた・・・という部分については、茂日出は黙っている事にした。

「――それで、私の方ですが・・・。」

 茂日出の話が終わると結三郎が話し始めた。 

 昨夜見失った自転車の青年を偶然発見出来たものの、辛うじて元の世界に戻してやれると彼に告げる事が出来ただけだった――。

 結三郎は取り敢えず、今日発見した迷い人の青年・山尻精介が、元杜佐藩お抱え力士の大家が経営する小さな長屋で世話になっている事や、同じく元杜佐藩お抱え力士の運営している小さな相撲部屋・春乃渦部屋の助っ人を彼が行なう事になった事等を茂日出達に説明した。

「杜佐藩の武市殿や、春乃渦部屋の人達の目もあったので、山尻殿とは詳しい話は殆ど出来ずじまいでした・・・。それで、後・・・、成り行きで私も春乃渦部屋の稽古の手伝いを行なって欲しいと武市殿に頼まれまして・・・。」

「成程のう・・・。大変だったのう。・・・いやいや、一日でよくやった。」

 うまくいったのかいかなかったのか、今一つはっきりしない結果だと結三郎は思っている様だったが、兎も角も一日の内に迷い人の居場所を掴み、面識を持つ事は出来ていたので上々の結果だと茂日出は頷いた。

「ですので、時空の穴の作業がこちらで完了したとしても、明日や明後日にすぐに山尻殿を元の世界に戻すのは難しくなりまして・・・。」

 来週の夏祭り相撲大会に出るつもりで精介も春乃渦部屋の者達も気合を高め、稽古に集中し始めていた。それに水を差す真似は、同じ相撲取りとしても結三郎はしたくなかった。

「うむ。よう判った。明日からは照応寺の方に通うがよい。佐津摩藩の者達と、塔京の地域住民との触れ合いの一環としての慈善活動とか自発的社会貢献活動――外来語でいうところのヴォランチィアとかいうヤツだのう。親の欲目を差し引いてもお前は充分に強い。精々部屋の連中に稽古をつけてやれ。――あー・・・もっと早くに知っておれば、博物苑の出張動物園とか薬草展示販売とか、然るべき手続きと根回しをして照応寺等の寺社の者達に協力できたのにのう・・・。」

 学問も好きだが賑やかなお祭り事も好きな茂日出は大きく溜息をつき、残念そうに肩を落とした。

 証宮の図書館には様々な分野の知識が記された資料がひしめいており、未来の時代の概念である民主主義や基本的人権だけでなく、社会福祉に関する知識の記された資料も数多く存在していた。

 全てをそのまま日之許の国の現在の状況に反映させる事は不可能で非現実的だったが、従来からある仁政や徳政の様な考え方に馴染み易い様な政策については、茂日出は藩主時代に少しずつ取り入れて実施していく様にしていた。それは日之許国主である帝も同様だった。

「それでしたら私も見世物として出掛けていってもようございますよ。空手の達人の瓦割りの様に、私のひと蹴りで足の爪が鉄板を貫通する様を人々に見せて拍手喝采、千客万来、おひねりはこちら。頂いたお代は全て子供達の福祉向上への寄付とさせていただきます――という具合ですね。」

 楽しそうに語るダチョウの言葉に、確かにそれは面白そうでおひねりも沢山貰えそうだし、そうした楽しそうな見世物と慈善活動が結び付く事を知らなかった結三郎は心が躍った。

「よし、この企画は近い内に練って、具体化してみよう。神社や寺は人々の信仰や古い文化文物の継承に関わる大切な施設だ。博物苑の宣伝にもなるしのう。」

 すっかり博物苑の出張展示の企画に考えが向かってしまった茂日出を、結三郎が引き戻した。

「あ、それで、義父上、証宮の図書館で何か相撲や運動全般の、稽古や鍛錬に関する知識を記した書物があれば取り寄せて欲しいのですが。」

「あ、ああ・・・。あい判った。明日にでも問い合わせてみよう。」

 茂日出は出張展示の企画については一先ず頭の隅に追い遣り、結三郎の希望を聞いた。

「しかし・・・所謂弱小相撲部屋への稽古、か・・・。」  

 手元の金属板を操作し、茂日出は空中に結三郎の博物苑職員――鳥飼部としての勤務予定表を呼び出し映し出した。

「別にそこの・・・春乃渦部屋だったか? そこの連中が出稽古で佐津摩藩邸か、高縄屋敷の稽古場に出入りしても構わんのだがな・・・。藩邸には話を付けられん事も無いし。」

「それはまあ・・・そうですね・・・。」

 結三郎は茂日出らしい直接的な話に苦笑した。そう言えば祥之助も居酒屋で似た様な事を言っていた。

 そもそもが、藩邸の相撲道場へ余所の藩や相撲部屋の者達が出稽古でやって来るのは珍しい事でもなく――更に前藩主からの直々の話であれば、まず話が付くとは思われた。

 更に高縄屋敷の主は茂日出なので、高縄屋敷の方の相撲道場の出入りについては主人が決めた事であれば何も問題は無かった。 

 しかし、結三郎が春乃渦部屋の親方の頑固さを茂日出に言う前に、茂日出はまた別の理由から春乃渦部屋の出稽古に消極的だった。

「じゃが――話を付ける付けぬ以前に、杜佐藩所縁の部屋だからのう・・・。そこに佐津摩藩のしかも前藩主がしゃしゃり出て余計なお節介を焼いた・・・と受け取られ易いからのう・・・。下手な善意が却って揉め事の元になるのも宜しくはなかろう・・・。」

「ああ・・・。成程・・・。」

 茂日出の懸念に結三郎は溜息をついた。

「――取り敢えず、明日から一週間を、奥苑勤務に修正して・・・と。」

 空中の表示に茂日出はその太い指を伸ばし、結三郎の予定部分を変更した。

「さて。今回の急な変更の理由付けは・・・と。」

 めんどくさそうに茂日出は表示された映像を見ながら溜息をついた。

 奥苑の内部事情を知らされていない屋敷仕えの者達や表苑の鳥飼部達も、奥苑が高縄屋敷の主人である茂日出が学問に関する大変な事業を帝からの肝入りで行なっているとは漠然と理解していた。

 養子ではあるがその子息の結三郎も茂日出の助手として、普段は表苑の動植物の世話といった通常業務をしてはいても、いざ何か起これば奥苑の仕事に駆り出されるという事も高縄屋敷の者達は理解はしていた。

 ――しかし人間は、何も説明が無いというのも無用の不安感や反発心を招くものなので、茂日出は嘘の理由付けであっても、出来るだけ屋敷の者達に説明を行なう様に心がけていた。

「それでしたら先月の神降ろしの時に神々から賜った知識の分析業務の一部を、奥苑が頼まれて忙しくなったので、結三郎様にその手伝いをさせる――とでもすれば如何でしょう。」

 茂日出の頭上から勤務表の空中映像を覗き込みながらダチョウは提案した。

「先月の神降ろし・・・? ああ!」

 ダチョウの提案の言葉に、結三郎は最近は神降ろしはあっただろうか、と思い掛けて、そう言えば祥之助曰く「動物園デエト」を表苑で行なった日の日暮れの頃に証宮の警報が鳴っていた事を思い出した。

 珍しい姿や色彩をした海外の動物達の檻を見て回りながら、楽しそうにはしゃいだり驚きながら動物達を見つめていた祥之助の姿を結三郎はよく覚えていた。子供の様に嬉しそうにしていた祥之助の姿を、また見てみたい――知らず、結三郎の目に温かな光が浮かんでいた。

「しかしまあ、嘘や言い訳ばかり上手くなっていくものよのう。」

 変更理由の文章を金属板で入力しながら、茂日出は何処か自嘲気味に唇を歪めた。

 世界各国、国王や首相、長老等への神々からの「有難い」神降ろしのお蔭で、政治を行なう上での騙し合い化かし合いの駆け引きと言うものは、古い時代に比べたら随分と良心的で優しいものにはなっていたが。それでも神降ろしをした事の無い地方豪族の主や、下級の大臣、役人といった者達との駆け引きが無くなった訳ではなかったので、そうした事への心得はまだまだ必要とされていた。

「・・・・・・人間、良くも悪くも色々な気性の者が居りますからのう・・・。」

 茂日出達から少し離れた席に座って書類を書いていた老鳥飼部の一人が、手を止め顔を上げた。

「悪気が無くてもうっかり口が滑ったり、油断して秘密にしていた事が漏れる事もあります。・・・・・・いつかは、奥苑の全ての事柄・・・いや、証宮離宮殿の全ての知識が開放される時代が来るのでしょうけれども。今はまだ、早過ぎますからのう・・・。」

 茂日出に仕えて長い長老格の老鳥飼部は、しみじみとした感慨を持ってそう言葉を漏らした。

「そうさのう・・・。いつかは。きっと・・・。」

 茂日出もそっと呟いた。

 結三郎の勤務予定表の修正と理由の入力が終わり、茂日出は傍らに座る結三郎へと顔を向けた。

「・・・さて。その山尻精介という青年の、元の世界への送還についてだが。まあ来週位であれば時空の穴の作業は問題無く行なえて、帰す事も出来る。相撲大会が終わってからで良かろう。」

「あ! 有難うございます!」

 茂日出の言葉に結三郎は嬉しそうに礼を言った。

「お前も相撲取りの端くれだ。試合にきちんと出場させてやりたいとでも考えていたのだろう?」

 茂日出はそう言って笑い、今回の作業に関する資料を手元の空間に映し出した。

「――今回の実験の穴は山尻精介の住む世界に開ける事として、この前話した様に穴の管理のし易さを考えると、山尻氏の身近だと有難いのう。やはり一番の贅沢を言えば、彼の家の何処かの壁にでも穴を固定したいのう・・・。」

「現地協力員の話は、明日にでも話をしてみます。今日様子を見た感じでは気性の素直な者の様ですし、相撲はまだ見ていませんが、相撲に対する姿勢も悪くは無さそうでした。」

 結三郎自身、まだ十九歳なので人生経験が豊富という訳ではなかったので、精介の人柄を見るのに彼が相撲を取っているというのは随分と助かったと思った。

 脳筋と揶揄されそうではあるが、最低でも一回二回精介と相撲を取れば、彼の気質を見極めるのに充分だと結三郎には自信があった。

「長屋の住人や相撲部屋の力士とも良い関係を作っていた様ですし、もしかしたら良い返事を貰えるかも知れません。」

「うむ。頼んだぞ。」

 結三郎の話に茂日出達は満足気に頷いた。

 それから茂日出は真面目な表情で姿勢を正し、ダチョウや老鳥飼部達を見渡した。

「・・・で。今書いた嘘の言い訳の一部を本当にしたいので、佐津摩の噴火の資料の解析を奥苑で行なわぬかのう・・・?」

「――はい、御疲れ様でしたね。皆様。」

「御疲れ様でござります。では殿、我々はこれで。」

「やっと寝れる。流石にこの歳では堪えるのう・・・。」

 茂日出の提案をあからさまに聞き流し、ダチョウや老鳥飼部達は一斉に円卓の上を素早く片付け、広間を退出していった。

「さ、結三郎様もお疲れでしょう。帰りましょう。」

「え? でも。」

 戸惑う結三郎もダチョウに促され、そのまま広間を後にした。

「・・・え、いや、皆の衆よ・・・。」

 明かりも消され、出入り口の常夜灯だけが仄かに光るだけの広間には茂日出だけが一人残されていた。



 翌朝。結三郎は朝食を終えると、いつもの書生服姿に着替え、いつもの和綴じ本の端末機械の入った肩掛け鞄を身に着けて高縄屋敷を出発した。

 いつもと違うのは、自分のマワシを入れた背負い袋が背中にあった事だった。

 結三郎が科ヶ輪の町へとやって来て、照応寺へ向かう途中に力士長屋の木戸口を通り掛かると、待ち合わせた訳でもないのに丁度精介達三人が出て来るところだった。

「あ、島津様、おはようございます~。」

「おはようございますッス。」

 明春と精介が結三郎の姿に気付き、軽く頭を下げた。

 精介は今朝は学校の制服姿ではなく、明春か長屋の者にでも借りたのか藍色に薄い縦縞の入った着流し姿だった。

 結三郎の視線に気付いて明春は精介の肩に手を置きながら、

「八百屋の一郎さんのお古を借りたんですよ~。似合ってると思うけど、この格好で寺に行くと相撲取りというよりは寺の小僧さんとかに見えちまうなあと。」

「制服は目立つし、流石にだいぶ汗掻いて汚れたんで、一郎さんのおかみさんに洗濯してもらってるんです。・・・やっぱりお寺の小僧さんですかね・・・。」

 明春の言葉に苦笑いをしながら精介は五厘坊主の頭を掻いた。

「いや、でも似合ってると思うぞ。何処から見ても立派な塔京市民だ。とても余所の世界からの・・・あ、いや・・・。ははは。」

 迷い人の事が頭にあったせいで結三郎はついうっかり口を滑らせてしまいそうになり、慌てて口を閉じ笑って誤魔化した。

「あ、似合ってますかね。アリガトウゴザイマス。ははは・・・。」

 結三郎の失言に精介も慌てて笑って誤魔化した。

「良かったな~。」

 幸い明春は二人の様子に何も不審に思う事は無かった様で、そう言って呑気に精介の肩を叩いた。

 さて、精介に昨日の元の世界に帰す話をするのは何処で行なったものか――結三郎が精介を見ながら思案しかけたところで。

「・・・・・・おはよう・・・。」

 そこに明春と精介の後ろから、まだ眠そうな表情をした祥之助の逆毛頭が現れた。

「おはよう。やはりあのまま力士長屋で泊まったのだな・・・。体調は大丈夫か?」

 結三郎の問いに祥之助は欠伸をしながら答えた。

「ああ。何とかな。・・・今日はちゃんと藩邸に帰る。・・・あ、今日の寺への差し入れの分は、明け方に八百屋のおっさんに金払って、野菜を寺に届けてもらう様に注文しといた。」

 精介に古着を貸してくれた八百屋の一郎の事の様だった。

 昨夜は藩邸に帰れなかったので今日は照応寺に差し入れられる物が無く、急遽、朝一番に仕入れに出掛けて行く一郎を捕まえて野菜を頼んだという事情だった。

 意外に律儀で気配りの出来るこの男が、何でケツサブロウと呼んだり往来でケツを叩いてきたりしたのか、少し鈍い結三郎にはよく判らない事だった。

「有難うございます祥之助様。」

 明春が嬉しそうに頭を下げた。取り敢えず来週の相撲大会までは毎日何かしら腹一杯食べる事は出来そうだった。

「じゃあメシの心配も無くなった事だし、行きましょうか~。」

 明春は機嫌の良い様子で皆を促して歩き出した。



 照応寺に四人が着くと、既に親方や利春達兄弟子が土俵周りの掃き掃除や稽古の準備等を始めていた。

「おはようございます~。」

 明春達が挨拶をしながら土俵へとやって来ると、親方達も挨拶を返してきた。

「おお、おはよう。――祥之助様、今日もよろしくお願い致しますぞ。」

「おう。爺や――いや、浅右衛門殿にもしっかりと頼まれてるからな。――あ、それで、こっちが更なる稽古の指導の助っ人の島津結三郎殿だ!」

 親方に頷き返し、祥之助はやる気に満ちた様子で笑みを浮かべ、結三郎を紹介した。

 親方の後ろに居る利春達が一瞬驚きざわついた様だったが、結三郎はさして気にせず親方へと頭を下げた。

「私も義父――あ、ええと、殿からの許可を得ましたので、来週の大会まで毎日皆さんのお手伝いが出来ます。よろしくお願い致します。」

「島津? ――ああ、確か杜佐藩邸の隣は佐津摩藩の別邸がありましたな・・・。中々にお強い力士だとお噂は聞いております。よろしくお願い致しますぞ。」

 親方も藩交流相撲大会は明春達弟子達と観戦――会場外の銀幕での観戦だったが――には行っており、結三郎の不浄負けの事は知っていたが、流石にそれを口にする事は無かった。

「え・・・? 島津・・・?」

「義父が殿?」

「あのケツ・・・何とか・・・? いややばい祥之助様にぶん殴られる・・・。」

 箒や塵取りを持つ手を止めて春太郎や庄衛門、利春がざわざわと親方の後ろで囁き合っていた。

 昨日の昼食の席で喋っていた話題の当人が稽古指導の手伝いでやって来たとあって、彼等は驚き狼狽えていた。

 祥之助は彼等の様子に気分を害した風も無く、少しだけ軽く爪先立ちをして結三郎の肩に馴れ馴れしく手を回し、改めて結三郎を紹介した。

「よおく聞けよ! こちらにおわす御方は、俺の心の友でもあり、佐津摩藩前藩主・島津茂日出様の四男、そして佐津摩藩お抱え力士であらせられる島津結三郎殿だ!」

「はっは・・・はいっ!! 何卒、何卒・・・。」

 得意気に踏ん反り返った祥之助の勢いに呑まれ、利春達三人はひれ伏さんばかりに深く頭を下げた。

 昨日もこんな口上で紹介していたな・・・と、精介と明春は呑気にその様子を眺めていた。

 しかも今日は心の友という言葉まで付いていた。

「やめないか! もう少し普通に紹介出来んのかお前は! 大体、こっ・・・ここ、心の友とは・・・! いつそんな者になったのだっ!」

 大袈裟な紹介に恥ずかしくなり、顔を赤くして結三郎は祥之助の手を軽く振り払った。

「いいじゃねーかよー。」

 結三郎の様子を全く気にした風も無く、むしろ嬉しそうな表情で祥之助は結三郎を見ていた。

「まあまあ~。――取り敢えず、俺達も着替えましょう~。」

 明春が祥之助と結三郎の肩を叩き、昨日祥之助達が着替えた土俵近くの長椅子の方へと促した。

「そ、そうだな。皆が着替え終わったら稽古を始めよう。さ、島津殿、どうぞあちらに・・・。」

 わざわざ手伝いに来て下さった島津様の御機嫌を損ねてはまずいと、親方は明春に同意し、長椅子へと向かう彼等を見送った。

 利春達兄弟子達もほっと安堵の息を吐き、再び掃除に取り掛かった。

 いつもの土俵から少し離れた所に置かれた長椅子へと明春達はやって来て、それぞれ着物を脱ぎマワシへと着替え始めた。

 精介は手早く着物を脱いでパンツだけになった。

 八百屋の一郎は褌も貸してくれると言っていたが、普段使う下着としてはまだ何となく抵抗があった。しかし替えのパンツがある訳でもなかったので、明日からは仕方無しで褌を使う事になると思われた。

 パンツ姿のまま自分のマワシをバッグから取り出す精介の近くで、明春や祥之助、結三郎は慣れた様子で全裸のままお互いにマワシの装着の補助を行ない始めていた。

「・・・・・・。」

 その様子を横目で見ながら、やはり精介は顔が赤くなり落ち着かなさを感じ始めていた。

 この場に男色の者達も居て、精介の事も理解してくれていると昨日判ったものの――それはそれとして、やはり好ましく思える者達がすぐ近くで全裸でうろうろしているというのは、精介にとっては大変な目の毒だった。

 精介の視線に気が付いた明春は、微笑ましいとでもいう様な目で少し精介に顔を向けただけで、気にした様子も無くそのまま祥之助の補助を受けながらマワシを締めていった。

「何だ? やっぱ気になっちまうか? 気にすんな――とは言ってやりたいけど、こればっかりは仕方無いもんなあ。」

 全裸で明春の背後に立ち、マワシの最後の引っ張り上げを行ないながら祥之助はむしろ見せびらかすかの様に、精介へと体を向けた。

 精介は真正面から祥之助の全裸姿を見てしまい、一気に五厘坊主頭の天辺まで茹で上がってしまい顔を伏せた。

「たたたた・・・た、武市様・・・! お戯れを、をを・・・。」

 時代劇で出て来る町娘の様な台詞が思わず精介の口から飛び出してしまった。

「照れるな照れるな。好きなもんは好きなんだからしゃーないよなー。俺なんか、生まれてこの方、女人にもお稚児の様な男にもコイツが勃ったコトなんて全く無いからなー。」

 明るく笑いながら、祥之助は自らの下半身を親指を下げて指し示した。

 明け透けな祥之助の物言いに、横で明春に補助してもらいながらマワシを締め始めた結三郎は呆れた様に溜息をついた。

 ここまで開放的に明るく言い放たれてしまうと、ただただ苦笑と溜息しかなかった。

「あ・・・、やっぱ、いかにも男らしい男の人に惚れる感じの・・・ですか?」

 辛うじて敬語を使いながら精介は思わず祥之助へと尋ねてしまった。

 今まで部活で押し隠していた反動なのか、男色の事を明るく気軽な感じで話すこの場の雰囲気に、精介も少しだけ気持ちが解れていた様だった。

 祥之助は精介からの問いに、全裸のまま腕を組み大きく頷いた。

「おう! 全くその通りだ! いかにも益荒男と呼ばれるに相応しい、しっかりとした筋肉の付いたキリっと凛々しい男もいいし、筋肉は付いていてもそこに薄く脂肪が乗った体付きの男もまた良し! 心映えの方も、荒々しい昔ながらの武者風もいいし、気は優しくて素直でありながらも芯の通った男も捨て難いし・・・。」

「はい! すっげえ判るッス!」

 長々と蘊蓄を語る祥之助の話を、精介もまた興味深そうに目を輝かせて聞いていた。

 好みの女性の事等を楽しそうに喋り合っていた部活の仲間達の傍らで、精介がいつも感じていた疎外感が今は和らいでいく様だった。

 精介の様子は微笑ましくはあったが、いつまでもお喋りに興じていては稽古にならないので、マワシを締め終わった結三郎は二人を窘めた。

「まあ、稽古が終わってからまた語り合うといいだろう。ほら、二人共早く着替えろ。夏祭りの大会まで余り時間が無いのだろう?」

 結三郎からの注意に、祥之助はつまらなさそうに口を尖らせた。

「えーそれはそうだけどよー。はいはい。さっさと着替えるか。」

 不満気に言いながらも祥之助は昨日借りたマワシを着け始めた。

 精介もやっと思い切ってパンツを脱ぐと、広げた自分のマワシを股へと当てた。

 結三郎が精介の背後に回り、装着の手伝いをしようと精介のマワシの端を手に取った。

「あ・・・その・・・。島津様も・・・佐津摩藩って言ってたし。・・・やっぱ、武市様とかと同じ感じの・・・益荒男がどうとかいう感じなんですか・・・?」

 自分の背後でマワシの布地を押さえてくれている結三郎を少し振り返り、精介は照れながら問い掛けた。

 確か昨日の昼飯のお喋りの中で――利春や春太郎、庄衛門が杜佐も佐津摩も益荒男がどうとか言っていた。そう言って祥之助をからかっていたのを思い出していた。

「あ、様付けでなくてもいいよ。結三郎と呼んで・・・・・・!?!? はっ? えええっっ!?」

 自分に男色の話が振られ、結三郎は思わず声が裏返ってしまった。

「あ、その、わ・・・私は、その。」

 佐津摩藩も男色の気風の色濃く残っている土地柄で、お稚児相手でも益荒男相手でも、男色の者を殊更に蔑んだりする事は無く、また男色の者もそれを必要以上に隠したりする事も無かったが・・・。

 かと言って自ら積極的に公表する者が多いという訳ではなかった。

 結三郎もあくまで訊かれれば答えるという程度で、特には自分の事を誰彼に言っている訳ではなかった。

 それに、男色かそうではないか以前に結三郎は、恋愛や性に対する事については、そもそも慎み深く奥手な方だった――。

「ま、まま・・・まあ、何と言うか・・・その。た、確かに女性には全く心がうご、動かないというか。そ、その・・・。」

 精介の突然の質問にうろたえ、顔を赤くして目を逸らしている結三郎の様子に、マワシを締め終わった祥之助は何処か期待に満ちた目を向けていた。

 マワシを体に巻き付ける途中のまま立ち止まった精介も、結三郎の答えに嬉しそうな表情を浮かべた。

「・・・ままま、まあ、その・・・お付き合いをするならば、確かに・・・ま、益荒男振りの良い男性が・・・だな・・・いや、その・・・。」

 結三郎が顔を赤くして俯きがちに答えたその言葉に、祥之助は嬉しそうに万歳をして声を上げた。

「おおーッ! っしゃあっー!! やったぜ! だよなー。やっぱそうだよなー! 流石、佐津摩の国の男児だぜ。」

 祥之助は結三郎へと駆け寄り、何が流石なのか大層嬉しそうに笑いながら、結三郎の背中を何度も叩いた。

「・・・良かったですね~、祥之助様~。」

 祥之助の気持ちが誰の何に向いているのかを、流石の呑気者の明春も薄々感じ取り、微笑ましそうに祥之助の様子を眺めた。

「あ、ちょっと、マワシが・・・!」

「よさないか、武市殿!」

 背中を叩かれ体を揺さぶられ、結三郎の手元が緩くなってしまい、精介のマワシが解け掛けてしまった。

「おー、悪い悪い。」

 いつに無く機嫌の良さそうな笑顔で祥之助は結三郎から手を離した。

「全く・・・。」

 まだ顔を赤くしたまま結三郎は緩んでしまった精介のマワシを引っ張り直した。

 ふと結三郎が顔を上げると、精介もまた嬉しそうにしていた。

「全く・・・二人共、何だ一体・・・。そんなに佐津摩の人間の男色の話が楽しかったのか?」

「おう!」

「はい!」

 溜息をついてまた目を逸らした結三郎に、祥之助と精介は同時に元気良く返事をした。

「すんません・・・。何か・・・こうやって男色の事をあけっぴろげに話が出来るのって・・・初めてで嬉しくなってしまって・・・。」

 結三郎に背中を向けマワシの後ろを仕上げに引っ張って締めてもらった後、精介は結三郎を振り返り軽く頭を下げて謝った。

 結三郎も男色の者なのだと精介は知り、これでこの場に居る四人全員が男色の者と言う事となった。元の世界では今まで自分一人だけの様に思いながら過ごしてきただけに、一度に三人も――いや、昨日の親方の話の時にはもう一人庄衛門という人が男色だと言っていた。

 一度に精介も含めて五人も男色の人間がこの場に居るというのは、精介にとっては嬉しい様な・・・何と言っていいのか判らない不思議な感慨があった。

「――おいおい、いつまでも喋っておらんで早く稽古を始めないか。」

 そこに、中々着替えが終わらない精介達の様子を見て親方が注意をしにやって来た。

「あ、す、すみません!」

「も、申し訳ありません! すぐに向かいます。」

 精介が慌てて親方に頭を下げ、結三郎も親方へと頭を下げた。

「すみません~。」

「お、悪いな。すぐ行く。」

 明春と祥之助は軽く謝るとすぐに利春達兄弟子達の居る所へと歩き出した。

 その後に続いて精介と結三郎も歩き始めたが、親方は精介へと優しい眼差しを向け、

「まあ、しかし、精介の悩みも軽くなった様で良かった。これでもう少し相撲に集中も出来るだろう。」

「は、はい! 昨日は有難うございました!」

 親方の言葉に、精介は立ち止まり深く頭を下げた。

 全員が土俵の前に集合したので、皆を前に親方は改めて話をし始めた。

「――さて。仮とはいえ新しく精介が春乃渦部屋に加入してくれる事になり、来週の夏祭りの相撲大会は団体戦に出られる事になった。後は、来週までという短い間だが、杜佐藩と佐津摩藩のお抱え力士のお二人がお前達の稽古を手伝ってくれる事にもなった。何とも幸運で有難い事である。」

 弱小相撲部屋の力士達に対しては中々無い支援に、明春達四人は自分達にやっと巡って来た幸運に改めて感謝していた様で、表情を引き締め目を輝かせていた。

「団体戦の優勝賞金が一番高い。何としても勝って、ワシ等を助けてくれている和尚に恩返しをしようではないか。」

「おっす!」

 親方の言葉に皆は強く返事をし、気持ちを高めていた。

 来週に向けて皆の気持ちが盛り上がり、稽古に励もうとそれぞればらけようとしたところに、祥之助が手を上げて呼び止めた。

「あ、悪い! 皆の稽古の前に、ちょっとだけ!」

 親方の横にやって来て、祥之助は皆を見上げ――いや、見回し真面目な表情で口を開いた。

「えーと。偉そうだとか自慢してるとか、そういう風に思われたくはないんだが、取り敢えず、一度見取り稽古って言うか――他人の真剣勝負の試合を近くで見てもらって研究とか? そういうのをしてもらいたいと思うんだが。」

 突然の祥之助の提案に、親方も明春達も少し首をかしげた。

「そうですのう・・・。確かに、他人の試合を見るのも大変勉強になりますが・・・。」

 親方も祥之助の言葉に一理あるとは思いながらも、一体どうするのかと祥之助の方を見た。

「昨日皆と一緒に稽古してて思ったんだけど、精介も入れた五人は、試合の経験も試合で勝った経験も少ない様に思ったんだ。だから、取り敢えず、取っ掛かりって言うか・・・試合の空気を少しでも感じてもらえたらと思ってな・・・。」

「成程ですのう。御説御尤も。目の前で強い力士の試合を見るというのも皆には良い経験になりましょう・・・。ですが・・・、どうすれば・・・。」

 祥之助の言葉に頷きながらも、親方は少し困惑しながら祥之助と弟子達を交互に見た。

 すると祥之助は笑顔で皆を見た。

「何、今から俺と結三郎で本気の真剣勝負をするから。それを見て皆は見取り稽古って事でよろしく頼む!」

「えええええええっっっ!? 何だとッッ!?」

 見本に試合をする事等、何一つ聞いていなかった結三郎は思わず叫ぶ様に声を上げてしまった。


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メモ書き


 今年は寒暖差が激しいものの基本的にはやはり暖冬傾向で杉花粉の飛散も2月初旬から始まる地域もあるので今から少しだけ嫌な感じです。

 まあ、更年期のヲカマのオッサンは若い頃に身体改造して改造人間スギ男になったので、花粉症は既に余り恐くないのですけど。(減感作療法して無事効果が出ましてございます)

 ただ、似た様なたんぱく質の構造のはずのヒノキ花粉には未だアレルギー反応が少し出てしまうので、オッサンの憂鬱は本格的には三月下旬からなんですけどもね。

 真面目な話、どうしても症状がきつくて辛くて、病院に小まめに通える事が出来る状態の人で、更に執念深い人(ここ大変重要。治療効果が出るのは2~3年後くらいからなので。アタシは余裕でクリアしましたが)は、億劫がらずに通院した方がよろしいのではないかと思われます。


 さて。第二話其の九です。相変わらず書いてるアタシだけが楽しいガチムチ筋肉質相撲男子達がわちゃわちゃしているだけの物語でございます。

 第二話で主要キャラクター三人が出揃って、第三話以降でやっとあれこれ何やかや活躍する・・・という物語の流れを想定していますので、第二話ってキャラクターの登場&紹介の為の話なんですよね・・・。長い!ねちねちくどくど書くのが楽しいので開き直ってます。


 後、作中で書くのをつい後回しにしていますけれども、日之許の世界は将軍による幕府は無いという設定です。帝がずっと国を統治していて、実際の地方統治は大名が・・・という感じなんですけど、その辺りの描写も後日の章で、大名=武家ではなくて、武家・公家の区別も今一つ曖昧な感じにするように考えております。

 

 それにつけてもガチムチ男子の活躍する男色の物語が少ない事ぞよ。

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