第二話ふたつめ、しるすこと 「相撲部員 山尻精介の日之許国への迷い込みに就いて記す事」  其の五 祥之助の科ヶ輪へのお使いに就いて記す事

第二話ふたつめ、しるすこと

「相撲部員 山尻精介の日之許国への迷い込みに就いて記す事」

 「其の五 祥之助の科ヶ輪へのお使いに就いて記す事」


「では、着替えが終わったら稽古を始めよう。――山尻殿・・・いや、精介はマワシは?」

 何処かの大名の若様という事で敬称呼びをし掛けて、しかし臨時の仮所属とはいえ部屋の力士として扱うのだからと、親方は敢えて精介を呼び捨てにした。

「あ、はい。自分のを持って来ました。」

「そうか。ワシらは土俵のこっち側で稽古をしておるから。」

 親方の言葉に、明春は精介を連れて土俵の方へと向かった。

 親方と兄弟子達も、土俵の真横――明春達から少し離れた所に戻り、四股や摺り足等の稽古を再開した。

 土俵から少し離れた場所に古びた木の長椅子が二つ置かれていて、その上に兄弟子達の着替えや手拭い等が無造作に置かれていた。その中に、明春用のマワシもあった。

 明春は長椅子の前で着物の帯を解き、褌を解き、手早く全裸になると自分のマワシを手に取った。

「・・・あ、手伝います。」

 相撲部でのマワシへの着替えで当たり前の光景ではあったが、やはりそれなりに好みのタイプの男性の全裸を目の当たりにして、精介は少し顔を赤らめつつ目を逸らした。

「あ~。悪いね~。人数が少なくなってしまったから一応、一人でも締められる様にはなったんだけどねえ・・・。」

 精介の表情に気付いていない明春は笑いながら前袋の布を持ち、マワシへと跨った。

 マワシの締め方も精介の世界と違いは無い様で、精介はいつもの慣れた手付きで補助を行なっていった。

 明春がマワシを締め終わると、精介は明春に背を向け制服を脱ぎ始めた。

 いつもの部活と変わりは無い――意識するな。股間が反応しない様に自らに言い聞かせながら、精介は全裸になると自分のスポーツバッグからマワシを取り出した。

「いいマワシじゃないか。ちゃんと馴染んでる。」

 明春は精介の後ろに回り、精介の腰から伸びるマワシを手に取って装着の補助を始めた。

 相撲を取っているとは聞いたが、若様の趣味やお遊びの相撲ではないかと先入観のあった明春だったが、マワシの帆布の厚く硬い布地はしっかりとした折り目も付いており程良く硬さも取れていた。

 何より、きちんとした稽古を取っていると思われるちゃんとした土汚れが付いていた――その事に明春は精介を内心見直したのだった。

「ど・・・どうも・・・。」

 明春に褒められ精介はぎこちなく笑った。

 部活で他の部員にマワシ装着の補助をしてもらうのはいつもの事だったが、好みの男とお互いに裸で至近距離で居るのはどうにも落ち着かなかった。

 何とか精介もマワシを着け終わり、明春と共に親方達の所へと向かった。

「ふむ。中々、様になっておるのう。」

 マワシ姿の精介を見て親方は感心した様だった。

「取り敢えず改めての挨拶じゃが――春乃渦部屋にようこそ。助っ人をしてくれて助かるよ。明春・・・は、紹介の必要は無いか。」

 親方は他の弟子達を順番に紹介していった。

 先刻の腹の出たアンコ体型の大柄な男が田村庄衛門。

 明春よりはもう一つ二つ年上と思われるソップ体型の、しかしがっしりとした筋肉のついた背の高い男が安原利春(やすはら としはる)。

 明春達や精介よりは少し背の低い小太りの男が三島春太郎(みしま はるたろう)。

 明春を含めたこの四人が今残っている春乃渦部屋の力士達だった。

「山尻精介です・・・。よろしくお願いします・・・。」

 精介は改めて皆に頭を下げた。

「という訳で、取り敢えず一回、精介にはワシと相撲を取ってもらうぞ。どの程度の実力があるのか見なければのう。」

「は、はい・・・。」

 親方はそう言って着ていた浴衣を脱ぎ、近くに立っていた春太郎に持たせた。

 親方も既にマワシを身に付けており、初老ではあったがその体はでっぷりと肥えつつもしっかりとした筋肉を保っており、現役の頃は中々強かったのだろうと思われた。

 親方が先に土俵に上がるのを精介は慌てて後を追った。

「・・・!」

 土俵に足を掛けた所で精介は、土俵のあちこちの土の塗りの色が違ったり、薄くひび割れていたりしている事に気が付いた。

 恐らくきちんとした職人に修繕を頼む金銭的な余裕も無く、明春達が素人仕事でその都度直しているのだろう。

 だが、それでも大事に手入れされているのは精介にもよく判った。

 土俵に上がりながら、ふと、昨日の部活帰りに寄った阿良川神社の古く放置されてしまった土俵の事を思い出してしまった。

 たった一日で精介は、日本の様な日本でない様な奇妙な世界に迷い込んでしまい――随分と遠い場所にやって来てしまったけれども。

 土を積んで広い台を作り、そこに俵を円形に並べたそれは――、この世界でも変わりは無かった。

 そしてこの世界でも、精介は変わらずに相撲を取ろうとしていた。

「――・・・・・・。」

 土俵の真ん中迄やって来て、棒で大雑把に描かれた仕切線を見下ろしながら精介は、何だか言い様の無い、しみじみとした気持ちを感じてしまっていた。

「本気で掛かって来なさい。でないと実力が判らぬからのう。」

 親方はそう言って笑い、先に仕切り線の前に屈み込んだ。

「は、はい・・・。よろしくお願いします。」

 精介は少し緊張しながら答え、同じ様に屈んだ。

 精介からすれば親方は自分よりも遥かに年上で、体型も大柄で肥えている為に、幸いにも精介の好みからは外れていた。これならば意識し過ぎる事も無く、取り敢えずは普通に相撲も取れるだろう――精介は一先ずほっとした。

「――手を突いて、待った無し。」

 春太郎が審判役という事で、二人の間に立ち声を上げた。

「はっけよい!」

 精介は緊張しつつも、その緊張は試合に臨む際の真っ当な緊張感だったので、必要以上に力み過ぎたり心を乱したりと言う事も無く、審判の掛け声と共に親方にぶつかっていった。

 親方の方は精介の実力を確かめるという意図もあり、一先ずは真っ向からぶつかり稽古の時の様に精介の突進を受け止めた。

 親方のマワシを掴もうと繰り出される精介の手を何度か払いのけ、精介の後ろに回り込んだりしたものの、親方の方からは積極的には精介には攻め込まなかった。

 そうする内に精介は親方のマワシを両手で掴み、親方と真っ向から組み合う形になった。

「・・・んん・・・!」

 精介が両手に力を込め、重心を出来るだけ低く保ちながら足を踏ん張るものの――親方の体はびくともせず、次第に土俵際迄押されていった。

 何とか足を踏ん張り、足全体で地面を掴む事を意識しながら精介は粘ろうとするが、間も無くそのまま土俵の外へと押し出されてしまったのだった。

「――勝負あり!」

 春太郎の声に親方も精介も力を抜き、土俵の両端にそれぞれ下がると頭を下げた。

「・・・あ・・・有難う・・・ございました・・・。」

 精介は息を切らしながらそう言うと、手の甲で汗を拭いながら土俵を下りた。

「若様のお遊びかと思っていたが、中々良い感じじゃ。これならもう少し鍛錬すれば、すぐに上達するぞ。」

 親方は満足そうに笑い、精介の肩を叩いた。

 時間にして恐らく三分も経っていない取り組みだったが、親方に言われた通り自分の全力でぶつかった為に精介の体は汗だくになってしまっていた。

 五厘刈りの坊主頭の天辺から多くの汗が流れ落ち、顔も火照って赤くなっていた。 

 しかしタイプでない男性が相手であれば、変な力みも無く充分に普通に相撲が取る事が出来た。

 精介はその事に安心しながらも――問題はやはり、好みの相手と対戦する時か、と改めて不安になってしまった。

 精介のそんな不安な内心を知る由も無く――。

 親方や明春、兄弟子達は精介の実力を知り、わいわいと楽しそうに周りに集まってきた。

「やるじゃないか~。これなら来週は勝てるよ。」

 明春は喜びながら精介の背中を叩いた。

「さあ、皆、昼迄まだ時間はある。稽古の続きに入るぞ。」

「はい!!」

 親方の呼び掛けに、生気の戻った明るい顔になった春太郎達は大きな返事をして稽古に戻っていった。



 その頃の杜佐藩邸。

 高縄の町には、幾つかの地方の大名達の塔京での出先機関である藩邸や別邸が構えられており、町の面積の多くを占めていた。

 住人である結三郎は意外と普段意識する事は無かったが、佐津摩藩別邸・高縄屋敷の隣には杜佐藩邸があった。

 勿論、お隣同士とは言ってもそれぞれの敷地は広大だったので、結三郎に限らず屋敷の大部分の住人同士には余り隣同士という感覚は無かった。

 杜佐藩お抱え力士・祥之助はとある理由で隣同士という事を日頃から意識していたが。

 祥之助は今朝は朝食を食べ終えてから、珍しくすぐに邸内の相撲道場へとやって来た。

 武道を嗜み、体を動かす事を奨励するのは何処の藩も概ね似た様なものだったが、藩によって剣道や柔道、槍や薙刀等、藩主や仕える者達の好みや得意なものは違っていた。

 杜佐や佐津摩、華賀(カガ)、乃登(ノト)、牟津(ムツ)等の藩については相撲が長年伝統的に好まれていた。

「おはようございまーす。」

 マワシに着替えた祥之助が道場の引き戸を開け中に入ると、既にマワシに着替えた何人かの男達が長椅子を運んだり、鍛錬用の重石を用意したりと稽古の準備を行なっていた。

「おはようーッス。」

「うーッス。祥之助様、珍しいッスね。こんな早い時間から来るなんて。」

 既に蒸し暑くなり始めた道場をせわしなく動きながら、祥之助と同じ杜佐藩のお抱え力士の青年や少年達が挨拶や軽口を返してきた。

「俺だってたまには早くから来るよ。」

 祥之助は笑いながら、軽口を返してきた青年の尻をぽんと叩いた。

 杜佐藩邸の相撲道場は他藩に比べて比較的広く作られてはいたが、お抱えやそうでない力士達、両方共に数も多く、稽古の時間帯を午前と午後の組に分けていた。

 ただ一部の実力が上位の者達については、いつでも使えるという風に決められていた。

 いつもへらへらしている様に見える祥之助も、上位者の特権で自由に道場に出入りしていたのだった。

 祥之助は杜佐藩藩主の曽我部家の四男であり、その縁戚の武市家の養子という立場で、他人から見ると何かと優遇されているのではないかと見られがちではあったが、その特権は正々堂々とした勝負の上で勝ち取ったもので藩の誰も文句を付ける者は無かった。

 ――杜佐藩は、相撲に関してだけは絶対的に、公明正大・正々堂々を文字通り命懸けで遵守している土地だった。

 この日之許のある世界では、神仏や精霊といった存在は基本的には人間とは関わる事が少ないものの、土地神と呼ばれるその土地に根差した神は人間と関わる場合も多かった。

 まだ頒明解化の行なわれる遥か以前の時代、杜佐はかつては別の大名家が治めていた。

 その頃はまだ人間同士――地域の豪族同士が戦争を行なう事も多く、血生臭い残酷な行為もよく行なわれていた。

 当時の杜佐の大名は、反対勢力の豪族達を、策略を用いて杜佐の土地神に奉納する相撲大会の席に集め、そこに攻め込んで皆殺しにしたのだった。

 当時は寺社等の聖域での刃傷沙汰は珍しい事でもなく、神仏や精霊達もそもそも人間達の生活や営みにさして興味も関わりも無かった為に、何か罰が下されると言う事も滅多に無かった。

 しかし、その時は――相撲と相撲取りをこよなく愛する杜佐の土地神は、自らも人間達と相撲を取るべく現世の生身の肉体を以ってそこに顕現していた。

 相撲を血で穢され、自らの楽しみを邪魔された土地神の激しい怒りは祟りとなって当時の大名家を滅ぼし、杜佐の人間達にも一種の呪いを刻み付けた。

 ――相撲に関して一切の偽りや謀(はかりごと)を許さぬ。公明正大、正々堂々を以って勝負を行なうべし。それを破る者は苦しみ抜いて死ぬべし。

 その後、曽我部家が杜佐の国の大名となったが、その呪詛は杜佐に生まれた人間全てに未だに及んでいたのだった。

「――祥之助様、良かったら稽古の相手、御願いします。」

 道場の隅で準備運動を終えたお抱え力士の青年が三人程、祥之助の姿に気付き声を掛けてきた。

「おう! お前等とヤルのも久し振りだなー。」

 祥之助は自らのマワシの腹をパンと小気味良く叩き、彼等の方に向かった。

「祥之助様、ヤルの字が何かいかがわしいッスよ~。」

「お、オレは祥之助様なら夜の相撲もバッチコイっす!」

「おい、抜け駆けは無しだぜ~。」

 三人の内の二人程が、準備運動とは違った理由で顔が赤くなって汗を掻いていた。

 だが男色の者も多い杜佐藩は相撲取りの中にもそうした者達は当然居て、男色絡みの冗談も珍しい事ではなかった。彼等の冗談も、周囲の者達は誰も気にした様子は無かった。

「ハッハッハ。モテモテってやつだな。まあ夜相撲はまた今度な。」

 自分を見て顔を赤らめてくれている二人の青年を楽しげに見ながら、祥之助は割と本気混じりに答えた。

「――ん?」

 青年達と普通の意味でのぶつかり稽古をするべく小さな土俵の方に行こうとして、青年達の背後で難しい顔をして何かの手紙を手にして座り込んでいる赤いジャージ姿の老人が祥之助の目に入った。

「ん? 爺や? なあ――あれはどうしたんだ?」

 祥之助は青年の一人に爺や――杜佐藩相撲指南役・朝渦浅右衛門(あさうず あさえもん)の事を尋ねた。

「ああ、何か親戚のかたから急ぎの手紙が届いたとか・・・。読み終わってからもずっとあんな感じで考え事してるみたいで・・・。」

 青年の答えに祥之助は、幼い頃から世話になっている浅右衛門爺やの常に無く考え込んでいる様子も気になったが、一先ずは青年達との稽古を行なう事にした。



 三十分程、ぶつかり稽古や申し合い稽古の相手をした後、祥之助は小休止を取る事にした。

 道場の隅で浅右衛門は手紙を手にしたまままだ座り込んでいた。

「爺・・・いや、指南役殿。何かあったのか?」

 手拭いで汗を拭きながら祥之助は、道場の隅でまだ座っている浅右衛門の所へとやって来た。

 一応は相撲道場であったので、いつもの調子で爺やと呼びそうになったものの役職での呼び方に言い直した。

「祥之助様。今は頒明解化の世の中ですぞ。指南役という古い呼び方ではなく総監督とお呼び下されと言っておるではないですか。」

 赤いジャージの胸元に「杜佐藩相撲部門総監督・朝渦浅右衛門」と白地で刺繍されたものを指し示しながら、浅右衛門は地面から立ち上がった。

「そ・・・総監督殿・・・。」

 逆らうと後が面倒なので祥之助は渋々従った。

 杜佐藩の相撲の指導役――指南役は何人か居て、それらをまとめているのがこの浅右衛門爺やだった。八十五歳という高齢にもかかわらず頑健な体をしており、ごく短時間ならば上位のお抱え力士とも未だに互角に戦える程の実力を保っていた。

 それに歳を取っても新しい物好きな面があり――運動に適していると聞いて取り寄せたジャージの上下を普段から愛用し、自らの呼称も指南役ではなく総監督と皆に呼ばせていた。

「何かあったかと言われると・・・まあ、あったですなあ・・・。我が朝渦の身内の事ではありますが。」

 浅右衛門は溜息をつきながら、手にしていた手紙を祥之助に渡した。

「ん? 俺が読んでも構わないのか?」

「まあ、隠さねばならぬ事でもありませぬし。」

 祥之助の問いに浅右衛門はまた溜息をついた。

 手紙の主は浅右衛門の弟からだった。

 その弟の子供――甥が困っているとの知らせだった。

 庄之助が手紙をざっと読むと、杜佐藩出身の者が営んでいた樟脳問屋――塔京杜佐藩邸もそこから樟脳を買い付ける事もあった――の浜田屋の主人が三か月前に心臓の病気で急死し、跡継ぎも居らず店は人手に渡ってしまった、とあった。

 その主人が支援していた小さな相撲部屋「春乃渦部屋」は、浅右衛門の甥が運営していた。だが、支援が打ち切られてしまった為に相撲部屋として借りていた物件の家賃が払えなくなり立ち退かなければならなくなった。

 今は何とか科ヶ輪の照応寺という小さな寺に世話になっているが、力士たちの日々の生活には困窮している――と手紙には書かれていた。

「――借りていた物件も、今迄は浜田屋が家賃を代わりに払っていたと言うだけで、家賃の額も相場通りだし、新しい所有者も無体な事は言っている訳ではないのだが・・・。しかし、もっと早くに知らせてくれれば・・・。」

 浜田屋の急死で支援が打ち切られてから三か月も経って知らせてきおって――浅右衛門は苛立ったものの、手紙の主の弟もつい最近になって知ったと手紙にあった。

 甥自身も六十歳にもなって親に迷惑を掛けたくなかったという気遣いではあったらしいが・・・。

「全く・・・一族揃って意地っ張りの頑固者揃いよ・・・。」

 浅右衛門は愚痴混じりにそんな事を言いながら、祥之助から返された手紙を折り畳んでジャージのポケットに仕舞い込んだ。

「んでも、何でそんなに難しい顔してんだ?」

 祥之助は、まだ眉間に皺の寄っている浅右衛門の顔を見ながら首をかしげた。

「手紙にあった様に、甥は金策として一先ずは来週科ヶ輪で開かれる小さな相撲大会に出て、そこで優勝して賞金を得ようと考えておるのです。その心意気は天晴ですが、それはそれとして当座の食事や生活費の手助けをワシもしたいと思っているのですが・・・。」

 伯父の立場としては当然の親切心だったが、何を難しい顔をしているのかと祥之助は不思議に思った。

 祥之助のその疑問は浅右衛門も言われずとも判った様で、浅右衛門は溜息をつき肩を落としながら答えた。

「――朝渦家は一族皆揃って意地っ張りの頑固者揃いなのです。」

「とてもよく知ってる。」

 浅右衛門の言葉に祥之助は間を置かずに答えた。

「ですので、甥が弟に窮状を知らせたというよりは、何かの用があって訪ねたか何かした折に弟の方が知ってしまい、それをワシに知らせたという流れなのでしょう。なのでワシからの手助けの金品も素直には受け取らぬでしょう・・・。」

「そうだろうなあ・・・。」

 祥之助は苦笑交じりに呟いた。

 見た事も会った事も無い浅右衛門の甥だったが、自らの窮状を親や親戚に自ら進んで知らせるというのは決して無いだろう。ぎりぎりまで自分の力で何とかしようと藻掻いて意地を張り、頑張り過ぎてしまう――浅右衛門の性格と一族の者が皆同じというのであれば、甥ももっと頑張るつもりだったのだろう。

「しかしまあ、力士にとって食べると言う事も稽古の一つ。それに力士がどうとかより何より・・・人間、食べる事が不充分だと辛いですからなあ・・・。甥はともかく、部屋の力士達が不憫でなりません。何とか手助けしたい・・・と・・・。」

 祥之助に話をしながら、何かしらの考えが浅右衛門の中でまとまっていったのか、眉間の皺が取れ両目に強い輝きが灯った。

「祥之助様、科ヶ輪までお使いをお願いしたいのですが。」

「ええ~?」

 祥之助は面倒臭そうに軽く顔を顰めた。

「取り敢えず、手紙に書いてある科ヶ輪の宗兵衛長屋――力士長屋という通称らしいですが、そこと照応寺に野菜や味噌等を届けてもらいたいのです・・・。祥之助様は、ワシが仕えている武市家の子息・・・いや、元は曽我部家の、杜佐の殿の息子。そうした者が訪ねてきたとあっては流石に甥も無碍にはせず、受け取るでしょう。」

「・・・あー、科ヶ輪の宗兵衛長屋なら知ってる。何年か前までここの指南役してた室戸宗兵衛爺さんだろ? 何回か遊びに行った事も・・・おっと。」

「祥之助様・・・。」

 稽古をさぼってあちこちに遊びに出掛けている祥之助の発言に、浅右衛門は軽く咎める様な目を向けたが、今日は甥の困窮を救う事が先決だったのでいつもの様な小言は引っ込めた。

 藩のお抱え力士が引退後、指南役で藩の相撲道場で働く事は珍しい事ではなかった。宗兵衛長屋の大家の宗兵衛もその一人で、祥之助が十一歳か十二歳位の頃までは道場で働いていたのだった。

 その縁で科ヶ輪や、そこの宗兵衛宅や長屋は稽古をさぼった祥之助の立ち寄り先の一つになっていたのだった。

「まあ、科ヶ輪なら近いし、いいけどなあ・・・。しゃーないな。」

 珍しく朝から稽古をやる気になっていたのに水を差された形になってしまったが、他ならぬ浅右衛門爺やの頼みを断る気にはなれず、祥之助は素直に用事を引き受ける事にした。

「用が済めば真っ直ぐ帰って来るのですぞ。甥の様子も聞きたいですし、午前の分の稽古を午後に行ないましょう。」

 用事が済んだら科ヶ輪の港町の見物でも――と祥之助は考えていたが、浅右衛門は見透かしていた様だった。

「あ、はい。」

 用事が終わらなかったら帰って来なくてもいいのだな、と、祥之助は内心で揚げ足を取りながら一応は素直に返事をした。



 同じ様な朝の時間帯――高縄屋敷の奥苑では、結三郎や老鳥飼部達が仮眠室から出て来ると朝食もそこそこにして広間に集まり、出勤してきた日勤の鳥飼部達と朝の申し送りを始めたのだった。

「――と、言う訳で急ですまぬが、上池田、西原田、磯脇、中別府、津田山の五名は結三郎に協力して科ヶ輪で迷い人の捜索をして欲しい。」

 徹夜明けで目が充血しているままの茂日出は、鳥飼部達にそう告げた。

 若い鳥飼部達は、迷い人の事で何か色々と大変だったのかと目の下に隈を作っている茂日出を気遣う目を向けていたが、徹夜明けの姿に慣れた老鳥飼部達はむしろ呆れた様な目を向けていた。

 この忙しい時に、今度は何の図書や資料を証宮離宮殿の図書館から借りてきたのだろう、と。

「では皆様、よろしくお願いします。」

 ダチョウが茂日出の横で締め括り、鳥飼部達は今日の仕事にかかるべく散っていった。

「では義父上、行って参ります。」

「うむ。頼んだぞ。」

 結三郎は茂日出に軽く頭を下げ、昨夜から着替えていない書生服のままで気忙しくいつもの鞄を肩に掛け立ち上がった。

 茂日出に指名された上池田以下五名の鳥飼部達は、結三郎の所に集まると早速奥苑を出発する事にした。

 結三郎達が奥苑の門を出て表苑に出て来たところで、丁度、安吉が掃除道具等の入った籠を背負って通り掛かった。

「おはようございます。皆さん、今朝はえらくお早いですね。」

 先輩達でもある奥苑の鳥飼部達に頭を下げ、安吉は不思議そうに皆を見上げた。

「ああ・・・。ちょっと奥苑で受け取る予定の動物達や書物がまだ届いていなくてな。確認と受け取りも兼ねて先方に出掛けるのだ。」

 磯脇という初老の坊主頭の男が、表苑で働く事情を知らない鳥飼部達に向けての、あらかじめ茂日出から教えられていた言い訳を口にした。

 科ヶ輪ならば大きな港もあるので船荷に関する外出も不自然ではなく、そう不審に思われる事も無いだろうと思われた。

 安吉は素直に磯脇の言葉に納得した様だった。

「ああ!それは大変ですね・・・。皆さん、御気を付けて御出掛け下さいね。」

「あ、うん・・・。」

 安吉の笑みに結三郎もぎこちなく笑い返した。

 同じ博物苑で働く仲間達にも隠し事をして嘘を付かなければならないというのは、生真面目な結三郎の気持ちを少し重くさせた。

 朝から五人もの奥苑の鳥飼部を連れて屋敷の門まで歩く結三郎の姿は、屋敷の者達の注目を集めないでもなかったが、急ぎの用だというのを皆が察した様で挨拶以外に声を掛けられる事は無かった。

「――行ってらっしゃいませ。」

「御気を付けて。」

 屋敷の南正門の門番二人に見送られ、結三郎を含めた六人は屋敷前の道に出た。

 科ヶ輪に向かうべく歩き出そうとしたところで――結三郎は少し離れた場所に、見慣れてしまったつんつんと毛を逆立てた頭を見つけてしまった。

 さして間を置かず、すぐ近くに風呂敷包みを背負った祥之助がやって来た。

「お!」

 祥之助の方も結三郎達に気が付き、軽く手を振りながら近付いて来た。

「結三郎~。どうしたんだ朝からこんなに連れ立って。」

 祥之助は他の鳥飼部達に軽く頭を下げて挨拶し、結三郎の前へとやって来た。

「あ、ああ・・・おはよう・・・。」

 機嫌良く笑い掛けて来る祥之助に結三郎は、面倒なところで会ってしまったなと思いながらも何とか笑顔を取り繕った。

 しかし結三郎達のうかない表情や雰囲気に、祥之助は心配そうに、

「何だ? 何かあったのか? 博物苑の動物でも逃げたのか?」

「ああ・・・。まあ、そんなところだ。」

 先程磯脇が安吉に説明していた言い訳を繰り返すのも面倒で、結三郎は祥之助にそう答えた。

「え? それは大変だな・・・。お隣さんの困り事には協力したいけど・・・。」

 祥之助は背中の大きな風呂敷包みを少し振り返り溜息をついた。

「俺も今から出掛けるんだよな・・・。科ヶ輪まで。それが終わってもまだ片付いてなかったら協力するぜ。お隣さんだもんな。」

 お隣さん、を強調気味に言いながら祥之助は結三郎に笑い掛けた。

「お隣さんって・・・。まあ、地図上はそうだな・・・。」

 祥之助の申し出は普段であれば有難かったのだがと思いつつ、結三郎は苦笑した。 

 互いの敷地が広過ぎて住人は皆実感は無かったが、高縄屋敷と杜佐藩邸は一応は隣同士だった。

「科ヶ輪・・・ですか・・・。」

 結三郎の背後の鳥飼部の一人――背の高い細身の青年、中別府が困惑しながら思わず呟いた。

 それが聞こえた祥之助は、中別府と結三郎を交互に見ながら、

「ん? 何だ、お前さん達も科ヶ輪に行くのか? なら折角だし、途中まででも一緒に行こうぜ。」

 思わぬ巡り合わせに祥之助はひどく嬉しそうに結三郎に提案してきた。

「あ・・・その・・・。そうだな・・・。そうするか・・・。」

 少しの間結三郎は答えに窮してしまったが、断る上手い言い訳も思い付かず、頷く事にした。

 徒歩ならば、ここから科ヶ輪の町までの道筋は祥之助と同じなので避けようが無く・・・それに祥之助をやり過ごす時間も結三郎達には惜しかった。

「じゃあ行くか。」

 結三郎の横に並び、祥之助は歩き始めた。

「・・・・・・。」

 いつも機嫌良さそうだなと祥之助の横顔を見た後、結三郎は横を歩く磯脇や中別府達鳥飼部達に目を遣った。

 彼等も祥之助の同行は想定外だったので、面倒な事になったなという感情が薄く顔に浮かんでいた。

 科ヶ輪まで行けば祥之助も自分の用事の場所へと行く事だし、それまで一先ずは何とか遣り過ごそう――結三郎達は内心そっと溜息をついた。



「――そんでよう、最近は藩邸に証宮新報の記者が相撲の取材に来て・・・。」

「そ、そうなのか・・・。」

 科ヶ輪までの道中、祥之助は色々と自分の近況や藩邸の相撲道場の事等を喋り続けた。

 普段であれば結三郎ももっと耳を傾け、楽しく語り合いたかったが、今日の結三郎にはそうした心の余裕は余り無く、受け答えもぎこちないものになりがちだった。

「そういや、結三郎・・・殿、は佐津摩のお抱え力士なのに博物苑の仕事もしてるなんて大変だなー。」

 呼び捨てにし掛けて、近くを歩く鳥飼部の一人――磯脇が咎める様な視線でじろりと睨んできたので祥之助は慌てて言い足した。

「あー・・・。いや・・・。それ程でも――いや、まずいな。ここ何日か相撲の稽古を休んでた。」

 祥之助の言葉にここ何日かの記憶を結三郎は振り返り、博物苑の仕事にかかりきりで相撲の稽古に顔を出していなかった事を思い出した。

 佐津摩藩の塔京の藩邸は高縄から少し離れた見田(みた)の町にあり、塔京に住んでいるお抱え力士達は基本的には藩邸の相撲道場で稽古をしていた。

 しかし高縄屋敷で働く者や鳥飼部達の中にも相撲取りが居り、彼等の普段の稽古については高縄屋敷に作られた道場で行なえる様にもなっていた。

 稽古が疎かになっていた事を悔やむ結三郎の真面目な様子に、祥之助は励ます様に背中を叩いた。

「まあいいじゃないか! 後で稽古頑張って取り返せ! 何なら俺も稽古に付き合うぜ!」

「あ、ああ・・・。そうだな・・・。博物苑の仕事が終わったら頑張らないとな・・・。」

 祥之助の厚意に感謝しながらも、結三郎は苦笑した。

「博物苑なあ・・・。あんだけ沢山、鳥やら珍しい動物やら居るもんなあ。世話だけでも大仕事だよな・・・。」

 過日の結三郎と博物苑を見て回った「動物園デエト」の事を思い出して、祥之助は笑顔――というか少しにやけた表情を浮かべた。

「――というか、今更だけど、「島津」って名字って事は結三郎・・・殿は佐津摩の殿様の親戚か何かだろ? それでお抱え力士なら、相撲だけ取って後は島津様でござい~って踏ん反り返っててもいい身分じゃないのか?」

 また呼び捨てにし掛けてしまい磯脇から睨まれ、祥之助はまた言い足した。

 祥之助に尋ねられ、結三郎は少し困った様に太い眉を顰めたが、ふっと溜息をつきながら微笑んだ。

「身分等何の意味も――あ、いや。どんなに身分が高かろうとも、働かざる者食うべからず、というのが義父上・・・あ、いや、前藩主の教育方針で・・・。」

 まだまだ身分制度に根差した物の考え方が残る日之許で、全否定の様な発言をしてしまい掛けて結三郎は慌てて言い直した。

 佐津摩藩で身分制度の頂点に立っていた前藩主・茂日出自身が、証宮離宮殿の神々からもたらされた知識を記した図書等によって民主主義や基本的人権と言う様な、この世界の現在の情勢からすると先の時代に進み過ぎた概念を既に知ってしまっていた。

 元々が学問好きの気質で、また、旧来の武力至上主義に凝り固まった先々代藩主や先人達にある意味で反逆し、藩主の座を手に入れたという経緯もあり、茂日出は古い価値観に凝り固まってしまった者達には否定的な目を向けていた。

 古い価値観や伝統そのものは大切にしていたが、それに固執し他の考えを踏み躙る様な者には断固とした反対の態度を貫き――内輪のみの発言として自粛はしているが、身分なぞ糞食らえとさえ言い放っていた。

 そんな茂日出の精神は、実子達や結三郎にも大きな影響を与えていた。

「へえ~。・・・って、義父上?」

 結三郎の生真面目なところもある性格はそうした教育方針もあるのかと祥之助は感心し――そして今更ながら結三郎が前藩主を義父と呼んでいる事に気が付いた。

「言ってなかったか? 私は養子なんだ。前藩主・島津茂日出様の。・・・一応書類上は四男という事になっている。だから島津公の子供と言っても偉そうに出来る立場ではないし、立場を笠に着た行ないをすれば義父から叱られる。」

 言っていたとしても絶対聞き流して気付いてなかっただろうな、と祥之助の事を大分判り始めた結三郎は、苦笑交じりに自分の身の上を説明した。

 結三郎の隣を歩き続けながら祥之助は、何処か嬉しそうに笑顔を向けてきた。

「おー!お前さんも四男か! 俺とお揃いだなあ。」

「お揃い?」

 結三郎が首をかしげると、祥之助は風呂敷包みを背負ったまま胸を張った。

「俺は逆だけどな。四男の冷や飯食いだったけど、そのまま飼い殺しになるよりは、ていう一応の親心ってんで武市家を継ぐ為に養子に出されたんだけどな・・・。」

 いつも結三郎にはにこにこと人懐っこく笑う祥之助には珍しく、一瞬だけ、ひどく悲しそうな表情が浮かびすぐに消え去った。

「まー、結局武市家でも冷や飯を食う事になっちまったけどなー。」

 日之許での大名家等では長子相続が原則だったので、次男以下の存在は長男の死亡や重病等の事態に備えた予備品としての側面もあった。

 ただ予備品であるからこそ、ある程度は大事にしなければならないという考え方も広まっている為、古い時代の様な冷や飯食い=冷遇というそのままの意味は今では薄まっている筈だった。

 筈だったが――一瞬の見間違いかとも思える様な祥之助の表情が、ひどく結三郎は気になってしまった。

「・・・それは・・・。」

 立ち入った事なのだろうから尋ねてもいいかどうか、結三郎が言葉に迷っている内に、祥之助は曲がり角で立ち止まった。

 気が付けば、色々と話をしている内に結三郎達は科ヶ輪の町の入り口まで来てしまっていたのだった。

「あ。俺はこっちに行かなきゃならんから。ぼちぼちこの辺で。」

 祥之助は、港町に向かう大通りとは反対の、長屋のひしめく地域に続く道を指差した。

 ここからは祥之助と別れ、結三郎達は本来の仕事――迷い人の捜索活動に入るのだが。

「――逃げた動物、早く見つかるといいな。」

「あ、ああ・・・。」

 何となくはぐらかされた様な気もしないではなかったが、結三郎は軽く頷いた。

「また、博物苑で「動物園デエト」した時にでも、色々話そうぜ。」

 祥之助は最後にそう言うと、結三郎の返事を待たずに背を向けて足早に立ち去っていった。

 何となく――祥之助の顔が赤くなっていた様な気がしたものの、結三郎にははっきりとは見えた訳ではなかったので、気にせず今日の本来の仕事に意識を切り替える事にした。

「あ・・・。」

 結三郎はいつもの和綴じ本の携帯端末を肩掛け鞄から取り出そうとして、思わず声を上げてしまった。

「どうしました?」

 磯脇が結三郎に尋ねると、

「あー、いや。つまらない事だが、武市殿に勘違いを指摘するのを抜かってしまったと・・・。」

 結三郎は苦笑交じりに溜息をつき、磯脇達に「動物園デエト」のデエトの用語を祥之助が誤用している事を軽く説明した。

「証宮新報の記事を読んだらしいものの、単に友達同士が親睦を深めるお出掛けだと勘違いしている様なので・・・。」

「そうですか・・・?」

 結三郎の言葉に、鳥飼部の一人の背の高い長髪の青年――津田山は軽く首をかしげた。

 証宮新報に書かれていた「動物園デエト」の記事は津田山も読んだ事があり――男女の色恋の方面での親睦を深める為のお出掛けだと言う事は、記事の最初にしっかりと書かれていたと記憶していた。

 記事を読んだ事のある他の者達も、その事を思い出し――先程の祥之助の去り際の様子も思い出し、少しにやにやと面白がるような笑みを浮かべていた。

 男女の色恋についての記事は――佐津摩の男性の場合は、男同士の色恋とも読み替えてもよかった。

 杜佐もまた男色の気風の色濃く残る土地柄だったので、同様に読み替えてもいいだろう。

「斜め読みで記事の内容をきちんと読んでいなかったのか――」

「そうでなくて、ちゃんと読んでいるのか。・・・面白そうだから、結三郎様には何も言わないでおこうか。」

 津田山の呟きに磯脇が、面白がりつつも微笑ましく温かな視線を結三郎へと向けていた。

「――ん?」

「いえ、何も。」

 磯脇の視線に気付いた結三郎が振り返ったが、磯脇達は軽く頭を振った。

「それでは、一先ず一番最初の、穴が開いた場所――照応寺の近くから探していこう。」

「はい。」

 結三郎の指示に従い、鳥飼部達は照応寺へと向かう事にした。



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メモ書き

 体力集中力の無い更年期のオッサンにしてはここ最近はなかなかハイペースで執筆出来ており良い感じです。読み返して細かいところ――漢字変換の統一とか(まで・迄、たち・達とか)が不充分だったり、ちょっと文章表現書き直したいとかありますが、それはまあまた後日ちまちま直していきたいと思います。

 エクセルジェネリックのメモ書きにちまちまと結三郎、祥之助、精介のネタも書き溜めているのですが、何とも三人とも、ちまちまと決して明るくはない家族背景とか生活背景とか盛り込んでしまいました。精介については既に書きましたが。あ、精介の方の表現も一部追加修正したいとは思いつつ後回しになってますわー。飛行機事故で親が死んで、6~7歳くらいなら、もう少し感情の揺れ等を書き込んだ方がいいわよねーとか何とか。

 祥之助の方は、ほんとは「マジナイ神」の方で使おうかと思っていた女人の肉体やっぱりダメでしたネタを考えております。

 色々と書きたい事は出て来るのですが、体力気力集中力がちっとも追い着いてくれない、もう若くはないヨコシマベであった・・・(ナレーター 若×弦蔵)

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